10/16 23:40 「テイルズオブジアビス」終了。
最終セーブ 76:39、Lv.71 エンカウント数1152
所感
○物語
分子と音素が結合して物質を構成している世界。第一音素から第六音素はそれぞれ、火・水・風・土・光・闇で表される。第七の音素が発見され、それは「星の記憶」を有していることが判明。第七音素の集合体をローレライと呼び、ローレライとの最初の契約者ユリアが読み解いた星の記憶は「預言」となり、人々はその「預言」に従って生きることが当たり前となっていた。
大きく2つの国家と1つの教団で構成された惑星オールドラント。2国の均衡が危ういながらも保たれている中、キムラスカ・ランヴァルディア王国の公爵家の1人息子であるルークは、幼少の頃に誘拐されたことでそれまでの記憶を一切無くしてしまったことから、屋敷で軟禁生活を送っていた。
ルークの唯一の楽しみは、剣術を学ぶこと。師と仰ぐヴァンといつもの様に稽古をしている最中に、ヴァンを殺しに来たという人物が登場。それは後に惑星オールドラント全てを巻き込む大きな事件の始まりに過ぎなかった…、といった感じの物語です。
この「アビス」の前にプレイした「シンフォニア」の感想で「物語が重い」というお話しをしましたが、この「アビス」はもっと重いものがありました。「シンフォニア」では「差別」に根ざした人間の愚かさを描いていましたが、「アビス」は「生まれた意味」という作品のテーマを中心に、登場キャラ全員が背負っている様々なバックボーンをかなり丁寧に描いていました。相対する敵が存在することは、「エターナルブルー」的なイメージでしたし、敵味方それぞれの信念と信念のぶつかり合いとその決着を、パーティ全員で乗り越えて行く流れは、個人的にはとても惹き付けられました。
サブシナリオをこなすことで、バックボーンは更に厚みを増すことになりますが、全てを全てこなせた訳ではないものの、これだけのプレイ時間がかかってしまったことからも、物語のボリュームがどの程度なのか感じて頂けるかもしれませんね。
「シンフォニア」の様に超展開が多いわけではありませんが、少々お使い的展開が多かった様に思えます。それでもこれだけ長時間のプレイ時間を飽きさせなかったのは、特筆しても良いかもしれません。これまでにプレイした「テイルズ」の中でも、個人的に上位に入れたい作品となりました。涙腺は良いところまでは来たものの、流れるに到りませんでした(笑)。
○キャラクター
主人公は過去に体験したことの無いタイプで「世間知らず」「自分勝手」「わがまま」と、好きになれるタイプでは全く無いと思うのですが、プレイを重ねて物語を進めるうちに、視点がだんだんと主人公に同調して来る感覚は大したものでした。全「テイルズ」の中でも、この「ルーク」という主人公はかなり好きになりました。
物語のところにも書きましたが、各キャラが色々背負っていることが多く、最初パーティを組んでいるものの、全く仲良くないし、全然本音で接していない感じなので、少々ギクシャクしているのですが、最終的な結束は凄いものがありました。他「テイルズ」と比べ、メンバーがほぼ最初から固定で、入れ替えが殆ど無いことも、それぞれの理解を深め、その結束が強くなる様を余すことなく体験出来た要因だと感じます。スキットのボリュームも相当ありましたね。
敵キャラの存在もとても良かったです。どれもが印象に残りましたが、もっと上手く描けたのではないかという欲もあります。ラスボスは早くから予想出来た通りなのですが、その距離感というか存在感を感じさせる描き方は特筆しても良いと思います。
役者は、鈴木千尋、ゆかな、松本保典、子安武人、桃井はるこ、根谷美智子、大谷郁江、中田譲治、伊藤美紀、玄田哲章、雪野五月、矢尾一樹など、そうそうたるメンバー。今回も中堅・ベテラン比重が高いこともあり、流石は「テイルズ10周年記念作品」だけのことはあると感じます。
ちなみに、ナタリア(根谷さん)が好きなのですが、ティア(ゆかなさん)も良いです。一番恰好良いのはガイ(松本さん)ですね。「ヴェスペリア」のユーリにも匹敵するキャラでした。
○システム
最新作「ヴェスペリア」に続く基礎は、ほぼ全てこの「アビス」で完成されています。フリーランは、もしかしたら「ヴェスペリア」よりも多用したのではないかと思うくらい、回り込みは重要な戦略の1つでした。FOFという変化技、オーバーリミッツから秘奥義、スキルやキャパシティコアによる成長コントロールなど、作品の面白さにシステムも貢献していたと思います。ただ、あまり使いこなせていないものもあったと感じるだけに、惜しい部分もありますね。
3Dキャラでのモデリングは「シンフォニア」からは格段の進化。「ヴェスペリア」と比較しても負けてない部分もある(頭身が更に高い)のもPS2なのに大したものだと感心しました。譜術のエフェクトも「シンフォニア」と比べれば派手に綺麗になっていました(ただ4:3の画面ではかなり狭く、勿体無いと感じました)。
スキットや料理もこれまでのシリーズと同じです(料理はレシピ本を発見したり人から聞くもので、ワンダーシェフを探すものではないのは少々残念かも(笑))。1アイテム最大所持数は16個で、「シンフォニア」から見ればまた減少。まぁ、15個に慣れている為か、全く困りませんでした。ただ、今回は街ごとに価格が異なり、各街同士の流通に影響するイベントをこなすことで、価格が下がったりするので、少々面倒な部分もありました。その為、シリーズの中で一番お金が無い状況(終盤近い時に手持ちが500ガルドになってしまうくらい)でした。
エンカウントはシンボルタイプで、「シンフォニア」の時に腹立たしかった切り替え時に復活した敵に高確率でヒットしてしまう様なところも無かったので、そういう腹立たしさはありませんでした。ただ、フィールドでエンカウントしたり、マップを切り替える時のローディングが少々長く感じてしまい、慣れはしたものの、速いに越したことはないな…と改めて感じました(待てるギリギリの時間だったと思います)。
マップの難度は今回然程では無かったのですが、分かりにくい箇所はいくつかありました(それが解かなくても良い箇所だったりするので、無視して進んでも困らない場所だったりするのですが…。特にラストダンジョンのそれはかなり強敵でした(笑))。
ラストダンジョンおよびラスボス戦は過去の「テイルズ」で一番盛り上がりました。演出も非常に良く出来ていたと思います。ただ、「シンフォニア」と同様、サブイベントやダンジョンうろうろでレベルが若干高かったのか、今回も全てのボス戦において負け知らず(決して「楽勝」という意味ではありません)で終わってしまったのは少々残念かもしれません(笑)。その割に、ラストダンジョンはザコ戦で5回くらい死にました(全滅した訳ではありませんが…苦笑)。ちなみに、いわゆる「魔装具」的なイベントは、最後に臨める状態ですが、まだ行っていません。恐らく勝てないのではないかと…(笑)。
○音楽
これまた「シリーズ」として、雰囲気も含めて安心して聴けるものに仕上がっていたと思います。ただ始めた頃の所感にも書きましたが、最初の戦闘の曲が燃えるタイプだったのは、この「アビス」が初めてだと思います。やはりRPGの花形は戦闘だと改めて感じました。
オープニングテーマはこの秋から始まったアニメでも使われているくらいに完成度が高く、解き終わって歌詞の意味の深さに感動しています。しかし、まさかアニメでゲームの2分くらいあるOPテーマをそのまま使ったなぁと感心しますが、完全に作品と同調しているテーマソングであるからこそ、この選択は「当然」のことなのかもしれません(だからこそ、そういうことをちゃんとやったアニメには期待します)。
○グラフィック
十分綺麗でした。遠くなると遠方がぼやけてくるところなど、PS2の中でも最高レベルの綺麗さだったのではないかと思います。フィールドマップの移動が少々重く感じるものの、世界観は十分描けていました(船や飛行機で行けない場所に近づくと、要らない演出が入って操作不能になるのはかなり腹立たしかったですが)。また、飛行機の性能を上げなければ着陸できない場所があるのは良いのですが、かなり終盤でなければ改造できないので、いつも着陸した場所から歩かせられたのは、ちょっと嫌でしたね(終盤近くから、指定した街に一気に移動出来るのですが、着陸は少し離れたところでないと出来ないから余計にそう感じた)。
○その他
今回、話が長いこともあり「あらすじ」システムのお陰で、路頭に迷わずに進めることが出来ました(笑)。倉庫番や温泉、カジノ、ナム弧島といったシリーズのお約束(?)も健在で、「ヴェスペリア」の基本が「アビス」にあることも、改めて感じました。その他「シンフォニア」でムカついた(笑)、乗り物の操作感や当たり判定は改善されたと思います。
それと、今回初めて「進行出来なくなるバグ(火山の噴火口に飛行機を横付けして火口に侵入するダンジョンにおいて、別イベントの時に出入りしていた出口から出たら、再度ダンジョンに入れなくなり、飛行機は火山の火口にあるために取りにも行けない。その飛行機が無ければ行けないところがあり、詰んだ状態)」に遭遇しました。1時間半のやり直しとはいえ、ちょっと勘弁して欲しいなぁ…と。プレイされる方は、十分お気を付けください。
これだけのボリュームがあるこの「アビス」のアニメは、全26話でどの様に進行するのか大変楽しみになりました。タイミングよくプレイ出来て良かったです。
次は中古価格で一番安かった「テイルズオブリバース」に取り掛かろうと思います。システムも独特で評判も辛口だったりしますが、どんなものか先ずは触れてみたいと思います。折角主人公が檜山さんですし(爆)。
これだけのボリュームがある作品が続くとなると、年内で全テイルズを終わらせるスケジュールは厳しくなって来たかも…(汗)。
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