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2009年4月 6日 (月)

PS3版「テイルズ オブ ヴェスペリア」に思うこと

 本日、バンダイナムコゲームスの「2009年度テイルズオブシリーズラインナップ発表会」が開催されました。

 その発表会を待たずに、Web上ではそのラインナップの1本である「PS3版テイルズオブヴェスペリア」について炎上的やり取りが行われており、個人的には色々な意味で「う~ん」と考えさせられるものがありました。

 発売すれば50万本程度は見込める「テイルズ オブ」の新作ではありますが、「ヴェスペリア」はその母数自体が少ないXbox360でのリリースでした。それでもハード普及を牽引するだけのパワーがあり、こうしたビッグタイトルをXbox360へ投入するバンダイナムコゲームスには感動すら覚えたものです。

 そんなタイトルのPS3移植。

 個人的には大歓迎です。それだけ多くの人にプレイしてもらえるのですから。恐らく、ちょっとしたパワーアップ移植であれば、それで済んで炎上することも無かったと思います。が、発表された内容では…

 ・新キャラクター「パティ・フルール」追加
 ・収録台本のボリュームがXbox360版の倍 ※スキット台本は1冊増
 ・メインシナリオのフルボイス化
 ・フレンもパーティーキャラとして使用可能
 ・秘奥義の追加
 ・新シナリオ、サブイベント追加 ※新キャラ関連のみ?
 ・新コスチューム追加
 ・2009年公開予定劇場版との連動要素

 って、もはや違うゲームになりそうですね(苦笑)。

 昨年発売された「トラスティベル」も、Xbox360版と比べたPS3版は、

 ・新規クエストの追加
 ・ボリュームアップされたイベントシーンと大幅に変わったシナリオ
 ・コスチュームチェンジが可能に
 ・プレイアブルキャラクターの追加
 ・マルチエンディングを採用
 ・追加収録された新演奏楽曲

 といった内容からしても「違うゲーム」と思える箇所がありました。

 この時、今回のTOVほど騒ぎにならなかったのは、作品の持つポテンシャルの違いなのでしょう。単にシリーズ作品であるからでは無いと思います。

 これらの事実からしても、

 a) 早く遊べるXbox360版
 b) 熟成(完成)されたPS3版
 c) どっちも遊ぶ

 という選択肢がユーザに与えられたものだとすると、色々考えさせられますね。

 これまでも好きな作品の移植には割と付き合って来た方だと思うのですが、RPGの様な物語を持つものに関して、完成されているものに手が加わるとなるとちょっと考えてしまいます。まぁ、最初に発売されたものが「規模縮小版」で、後に出るものが「完全版(当初から考えられていたもの)」だとするならば話は別になりますが…。

 今回のTOVで言えば、後者のケースとも考えられる訳で、これがXbox360とPS3の差として標準的な思考になって行くのかと思うと寂しいですね。
 発表会の中で示された「2008年にXbox360で得た経験を基に、2009年はPS3に展開」というのを見ると、先頃発表された「塊魂トリビュート」も含め、Xbox360はバンダイナムコゲームスにとって実験場なのかな…という感じは否めないです(古くはメガCD版「スターブレード」がPS版の実験の様な)。これで、「エースコンバット7」とか「アイドルマスター2」とかPS3で発表された日には、決定的ですよね…。

 個人的にはXbox360を応援したい気持ちは高いのですが、特に固執している訳でも無いので、発売されるタイミングで「プレイしたい」と思うのであれば、完全版の発売を待つよりも、それが有料β版と揶揄されようとも購入してプレイするという姿勢は、私自身変わらないです。最初に発売された時点で移植が発表されているなら別ですが、そのソフトを購入して売上的に数字が出ないことには「移植」の話すら出ないでしょうから…。

 まぁ、これは「欲しいソフトが1本でもあれば、ハードを購入する」という考えである私の意見なので、1機種しかハードを所有していない人からすれば、もっと切実な問題であることも分かります。ましてや、Xbox360とPS3を天秤に掛けて、「テイルズオブヴェスペリアが発売されるからXbox360を選んだ」という人には、今回の問題は1つの事件でしょう(PS3を所有していながら、TOVの為にXbox360を購入した人にはもっと大きい事件かと)。

 それでも、私はバンダイナムコゲームスがXbox360にソフトをリリースして来て得た実績は評価したいし、完全版としてどの様に生まれ変わるのかも見届けたいと思っています。

 その上でメーカーに届けるべき意見があれば、それを言う。
 それが私自身に出来ることであり、長くユーザとして見て来た責任だと考えています。
 決してディスクを割ったり、記事をビリビリに破いたりという、みっともない意見伝達はしません。

 しかし、この話題が大きくなった為に、折角のマザーシップタイトルの新作である「テイルズオブグレイセス」が完全に霞んでしまいましたね…(汗)。

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