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2009年8月26日 (水)

宙のまにまに

 2009年7月から放映が開始された「宙のまにまに」。

 世界天文年2009である今年。ガリレオが望遠鏡で宇宙を観察してから400年という節目の年に放映される意味。放映開始日の殆どが7月7日であったことの意味。そういったものを全てひっくるめて、第8話を鑑賞し、原作1巻を読み、CooRieのNewシングル「星屑のサラウンド」を聴いて感じられる様になって来ました。

 何の事前知識も無く、AT-Xで流されていた数分のプロモーション映像と伊藤かな恵さんの語りだけで「観てみよう」と思えた気持ちは間違っていなかったかな、と。

 アニメ版の監督である高松信司氏が今のところ全話(#8まで)の脚本を担当しているということもあってか、非常に統一感があると感じます。また、原作を後追いではありますが読んでみて、色々な部分で原作を大切にしていることも分かり、映像作品になったことによる表現の利点とも言える「動き」を「宙の広さ・美しさ」に注力することで得られる更なる魅力を、的確に伝えてくれていると思います。近年「原作が大事にされているアニメ」というのは多くなったと思うのですが、この「宙のまにまに」もスタッフの愛情が注がれた作品であると感じられます。

 キャラクターもそれぞれ魅力的であり、原作後追いでも全く違和感のないキャスト布陣は大したものです。登場キャラそれぞれ好きなのですが、中でも頭一つ出た感があるのは蒔田姫。良い感じです(笑)。

 OPテーマ「Super Noisy Nova」、EDテーマ「星屑のサラウンド」も、とても作品を意識した詞・曲になっており、特にEDは#04で特別に使用された「闇に咲く星のように」も含め(「星屑のサラウンド」のC/Wとして収録されていたのは嬉しい!)、作品を彩る歌として、個人的には文句無しの名曲です。CooRieの楽曲は好きなのですが、いつも「一押し」が足りないと感じていました。今回「星屑のサラウンド」を聴いて気付いたのは、「作品自体の魅力も必要だ」ということ。私の中では「成恵の世界」のOPテーマ「流れ星☆」に匹敵する名曲に出会えたと感じています。
 劇伴も非常に丁寧で心地良いものが流れており、久し振りにサウンドトラックを購入したい作品にもなっています。CooRieと大久保薫氏の魅力に溢れた1枚になっていれば嬉しいですね。

 この「宙のまにまに」という作品が、自分の中で「当たりだ」と感じ始めたのは夏合宿の行われた#04「夜明けまで」。勿論初回から好印象ではあったのですが、#04でとても印象に残るEDの演出が行われたことが、「作品へ注がれたスタッフの愛情」を感じた瞬間でした。
 通常のEDも、各々が夜空を見上げているシーンが非常に印象深く、各回の話の余韻をしっかり味わえる素敵なフィルムだと思います。こういう地味ながらも的確な演出、大好きです。

 原作未完ということもあり、アニメで描ける範囲は決まっていますが、現時点で何故か不安は感じていません(笑)。寧ろ、どんな形で幕引きするのか楽しみなくらいです。今流行りの「期間を空けて第二期制作」ということを意識せず、最後まで丁寧に作り続けて欲しいです。

Dscf2219 見た目が古臭く感じたり、映像メディアのリリースがDVDのみだったり、最新映像を楽しむという視点ではパワー不足を感じなくも無いですが、個人的には昨今の流行に左右されず(いわゆる”萌え”の排除)、地味ながらも丁寧な作品づくりで好感が持てる仕上がりであることが嬉しいです。原作ファンにも愛される様なアニメではないかな、と感じます(そこは「成恵の世界」とはかなり違う(笑))。勿論、私の様にアニメから原作に入った人も、原作・アニメ共に愛せると思います。

 流行らずとも、観た人に良さが伝わり、長く愛されて行く作品なのではないかと感じています。
 原作に関しても、今回のアニメ化が繋いでくれた出会い。自分の中では「成恵の世界」「ARIA」に継いで、大事にしたい一生モノの作品になりそうです。

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