「デス・ブリンガー」というRPG
今は亡き日本テレネットから、1988年末に創立5周年記念作品として、「16bitの極限、真RPG、ここに完結!」という宣伝文句(笑)を引っさげて登場した「デス・ブリンガー」。PC-98版を皮切りに、X68000版、PC-88VA版が発売されました。
私は当時PC-88VAユーザでしたから、初プレイはPC-88VA版が発売された1989年初春。それまでの日本テレネットの作風とは異なり、ビジュアル面を前面に押し出すことなく、ゲームの本質として勝負しようという気概に満ちた1本で、そのプレイを楽しみにしていたこともあって私の中では印象に残る1作です。
PC-88VA版は、PC-98のマイナーバージョンアップ版の様なもので、VAのグラフィックやサウンドの特性を特別活かすこともしなかったので、その点においては残念であったものの、全フィールドを3Dで描き、技能毎のレベル設定による育成や戦略の楽しみ、俯瞰視点での戦闘ではキャラ同士の位置関係も影響する等、「ウルティマ」よりは「ウィザードリィ」の方が好みであった私としては、予想以上に楽しむことが出来ました。
程なく、X68000を購入することになり、グラフィックやサウンドが進化しているというX68000版の「デス・ブリンガー」もプレイ。こちらはこちらでゲームとしては同じながらも、育て方や戦略を変えて楽しむことが出来ました。地味ながらも好きなゲームとして私の記憶に残るものとなりました。
そんな綺麗な想い出を壊したのは、他ならぬ日本テレネット自身でした(苦笑)。
最初にPCエンジンCD-ROM^2版の「デス・ブリンガー」が登場。オリジナルのキャラクターデザインは越智一裕氏であるにも関わらず、PCエンジン版は素直に移植せずに何だか海外調に調整して来ました(汗)。ゲーム部分の基本はPC版に倣っているのが救いではありますが、ちょっと気持ちが萎えます…。まぁ、この時はPCエンジンのプレイ環境を持っていなかったのが救いではありました。
それから2年が経ち、今度はメガCD版が発売されました。パッケージを見る限り、キャラクターデザインもちゃんとしており(笑)、X68000版をプレイしてから3年近く経っていたこともあって期待が高まり、密かに楽しみにしていました。ハードも運良く所持していましたし。
が。
ハード発売から4ヶ月程度で発売された事を考慮すべきでした…。
体裁こそ「デス・ブリンガー」を保っているものの、全く別のゲームに仕上がっていたのです(涙)。個人的に一番気に入っていた戦闘システム。これが、「ドラゴンクエスト」の様なコマンド式に変わり、距離や配置などが無くなり単調なゲームになってしまいました。パラメータ類こそオリジナルを踏襲しているものの、マニュアルに「複雑そうに感じるかもしれないが、常識的な考え方をしていれば、それほど細かなところにまで気にする必要はないだろう」と書かれているくらい、要素として力を注いでいないことが分かります。
発売日に購入し、1戦闘して終了。
好きなゲームは移植される度につい手を出してしまいがちな私ではありますが、これを機に少し躊躇する様になった、楽しさと悲しみが同居したタイトルの代名詞である「デス・ブリンガー」のことは、この先も忘れないでしょう。
時代が流れてそれから18年も経過した今、未プレイのPCエンジン CD-ROM^2版の存在を思い出した私は、それを入手してしまいました。私は何を感じ取ることが出来るでしょうか…?(笑)
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