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2010年7月17日 (土)

「借りぐらしのアリエッティ」鑑賞

Dscf2529 特別注目をしていた訳でも、楽しみにしていた訳でもないのに、TVCMなどでちょくちょく目にする様になった映像を観て、何かしら「ピン」と来るものがあって急遽観に行くことを決めた「借りぐらしのアリエッティ」。しかも、初日に行くなんて私自身も驚いています(笑)。まぁ、ジブリ関連の映画は、初日の方が空いていることが多い気もしていたので、レイトショーで安く鑑賞出来ることもあって、会社帰りに行って来ました。

 流石ジブリ作品というべきか、私が観たのはワーナーマイカル板橋で一番大きいスクリーンのTHX対応のシアター(劇場では2スクリーン回しという超待遇)。レイトショーとは言え、半分以上埋まっていたのは、これまた流石。

 上映前のCMでは、ワーナーマイカルのキングオブポップコーンのCMを若本規夫さんがやっており、思わず笑ってしまった他、「ハートキャッチプリキュア」の予告編も観て(「ワーナーマイカルでご覧の皆さん!」と言っていたのは驚いた)、友人に言われていた「キュアサンシャイン」の勇姿も確認し(笑)、本編上映前に満足(爆)。

 そして始まる本編。

 久し振りにスクリーンで観るジブリ映画であり、私にとっては「耳をすませば」以来。その為か、冒頭のベンツで移動しているシーンで見える雰囲気などがとても似通っている感じがして、「ジブリのフィルムを観ている」という一種の安心感も。

 ベンツの動きの細かさからそうでしたが、今回は全体的に”動き”というものにとても気を遣っていたフィルムになっている様に感じました。また、”大きさ”ということを自然に理解させる為の対比感も印象的で、小人から見た私達人間の大きさを単なる目に見える大きさだけでない”動き”と、dtsを効果的に使った”音”で、観ている側に”実感”として伝えてくれていたと思います。これはTHXシアターであったことも影響しているかもしれません。

 アリエッティの視点の置き方により、私達が普段目にしているものが違った感じに見え、特別幻想的な世界を描いている訳でもないのに「ファンタジー世界」を感じられるのも面白い点だと思いました。ギミック、小物類、動植物、昆虫なども楽しく描かれており、特にダンゴムシは丸まった時にアリエッティが叩いてお手玉していた時の音は最高でした(笑)。

 数少ない登場人物を的確に配置し、必要な情報を必要なだけ与えてくれるので、何も考えずに映像に入って行けるのは流石だと思う反面、あまりにもあっさりし過ぎていて、気持ちが揺さぶられる様な部分が1つも無かったのは残念でした(エンディングを観て、50音順に表示されている全関係者の名前を見ながら、90分の余韻が自分の中に何も生まれてこなかった)。

 物語の流れに不備がある訳でも、キャラクターの印象が悪い訳でもないのですが、翔の行動が全ての始まり(原因)になっている点、ハナさんがちょっと悪者に見え過ぎる点について、本編の展開と自分の感情のバランスが取れずに最後まで進んでしまった様に感じており、翔とアリエッティの別れのシーンも沸き上がって来るものが足りなかったことが「あっさり感」を強くしてしまったのだと思っています。翔の言葉の重みだったり、アリエッティが翔を頼ることになる流れなり、もう一押し欲しかったな…と(どちらかと言えば、猫のニーヤと通じ合った場面の方が感動しました。髪止めクリップを渡すところとかは好きなのですが…)。心臓に病を持つ翔が自分の命が長くないと半ば諦めムードを出す中で出会った小人に対し、「自分より小さな存在」として「自分でも守れる」という感情を抱いたことや、外の世界に強い興味を持った結果、家族を危険に晒すことになったアリエッティの行動力や責任感が、物語を動かしている訳ではあるのですが、その動きに自分の感覚が上手く同調しなかったのかもしれません。

 役者陣は皆さんピッタリ合っていると思いました。特に声優でないから云々という話をしようと思わないレベルで、観ていて声で分かるくらいの大御所の皆さんにも「なかなか!」と思うくらいでした(笑)。

 音楽も映像に合っている割には、「これ!」という印象に残るものが無く、自分の中ではちょっと地味な存在だったかな…と。

 ざっくばらんに所感を書きましたが、作品としては良く創られているとは思うものの、もう一押しが足りない、腹八分目な作品だと感じてしまいました。どうせ観るならスクリーンで観る価値はあると思うのですが、物語を楽しむ方に比重が高い方には、レンタルでも良いかも…という感覚も拭えません。私も「もう一度劇場で観たい」とか「メディアが出たら買う」とか感じていないので(汗)。

 ちなみに比べる訳ではありませんが、個人的には先週観た「宇宙ショーへようこそ」の方が断然好みです。素直な映像であることや、アニメならではの持ち味という点では似ている気もしますが。

 静かな感動をジワジワくれる作品は好きなので、時を置いてまた観る機会があれば、その時改めて作品を味わってみたいな、と思っています。

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コメント

一時期、タイトルを「一人暮らしのオリアンティ」と間違えて覚えていました。(THIS IS ITの美人過ぎるギタリスト)


話がまったく違うのですが、
ガンダム無双をまじめに進めています。
まずは、PS2のsp版から。
オフィシャルモードで、アムロとシャアをクリア。
(デフォルトのカミーユとジュドーはパス)
オリジナルモードで、シャアとドモンをクリアした後に
追加された東方不敗とアムロを進行中。
コンボが決まったときの爽快感、フルチャージ攻撃の演出など
味わう面白さもあれば、複雑なマップ(特に宇宙基地)と
ちょっとのことで呼び出される支援で移動が大変だったりしますが、
概ね「あ、結構面白いじゃん」という印象です。
休み中にsp版に区切りをつけて、XBOX360の無双2に移りたいと思います。

投稿: gardner_1987 | 2010年7月18日 (日) 13時39分

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» 映画<借りぐらしのアリエッティ> [美味−BIMI−]
早速見て来ましたよ〜! ジブリ映画<借りぐらしのアリエッティ>! ぼくは、あの年の夏、 母の育った古い屋敷で、一週間だけ過ごした。 そこでぼくは、 母の言っていた小人の少女に出会った――。 人間に見られてはいけない。 それが床下の小人たちの掟だった。 イギリスのメアリー・ノートンの「床下の小人たち」を基に、 古い家の台所の下に暮らす小人一家の物語が展開するジブリ・アニメ。 日本語版は「小人の冒険シリーズ」として、岩波書店から発行され... [続きを読む]

受信: 2010年7月18日 (日) 02時25分

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