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2010年7月 6日 (火)

「萩原雪歩」のキャスト交代について考える

 先日行われた「アイドルマスター」の5周年記念ライブにて正式発表された萩原雪歩のキャスト交代。事前に耳にした6月中頃、最初に思ったのは「やっぱり」でした。特別思い入れがある訳でもなく、私が「アイドルマスター」という作品に触れ始めてから今日までに耳にした様々な事からその「やっぱり」は来ています(昨年夏頃から既に動き始めていたことには驚きましたが)。

 しかし。

 実際に発表になり、自分なりにこの事実を咀嚼すると、単純な「やっぱり」ではなくなって来ました。不思議なものです。

 私自身にも「好きだったキャラクターのキャストが次作から変更」という経験が何度かあります(苦笑)。思い入れが強ければ、それがどれ程違和感が無い声であろうとも受け入れられない。単純な声の問題だけではないんだ!という気持ちになるのもとても良く分かります。その変更の経緯がどの様なものであるかによっては、下手をすると作品そのものすら嫌いになってしまう可能性すらあり、人の心に繋がる事柄であるデリケートな問題であることが、単純な問題でなくしています。

 作中では声が変わろうと何だろうと、キャラクターは存在し続ける。
 でも、声が違う。
 声が変わってもキャラクターの根幹が変わる訳では無い。
 でも、キャストもひっくるめてそのキャラクターが好きだった。
 時間が経てば慣れるから、今は事実を受け止めるしかない。

 自分の中でそんな一問一答が繰り返されてしまうこともあります。でも、事実はどうあれ公式で円満なバトンタッチをしてくれた今回の「萩原雪歩」というキャラクターは、見方を変えれば幸せなのではないかと私は感じるのです。各種メディアの公式記事に目を通して、そんなことを思いました。

 制作サイドが何かしらの役割を持たせて用意したキャラクターは、時を重ねてキャスト自身の何かが投影されていたり、その時々でスタッフだったりファンだったりの影響を受けたりして少しずつ変わって行くものであって良いと思うし、それがキャラクターを越えた人間臭さを感じさせるというのは、とても実感出来ます。
 これまで積み重ねて来た歴史は消えません。キャスト交代が過去を全て否定するものでなければ、これまでの歴史と共に新しく作られる道を一歩ずつ進んで行けば良いのかな、と。事はそう単純なものでない部分もあると思いますが、長谷さんが選んだ新たな道と歴史を引き継ぐ事になった浅倉さんの覚悟に水を差すことは違うかな、と。

 昔から実感としてある「アーティストがファンを作り、ファンがアーティストを育てる」という格言(?)からすれば、「萩原雪歩」というキャラクターを今後も育てて行けば良いのだろうと。変わらずキャラクターを愛する事が全てを光ある方へ導いてくれるのではないかと思います。

 今回、「アイドルマスター2」を制作するに当たり、キャスト全員に「今後も長いプロジェクトになるが、関わり続ける覚悟があるか」という様な事を確認した上で、雪歩役の長谷さんだけが継続しない決断をしたということですが、それを決断したからこそ別の道での栄光を掴んで欲しいと思いますし、その空いてしまうポジションに入った浅倉さんに辛い目に逢って欲しくはないと思います。確かに、仕事として単なるゲームの域を超えた様々な時間的制約を求められるであろう「アイドルマスター」というコンテンツに関わり続ける大変さ・難しさはあると思いますが、得られるものもまた多いのではないかと思っています。その1つの結果が先の5周年記念ライブの成功だったのではないかと思うだけに、コンテンツ立ち上げの頃から関わっていた長谷さんにもそのステージに立って欲しかったと思うし、出来ることならそのステージ上で本当のバトンタッチをして欲しかったと思わずにはいられません。その点だけが残念でなりません。だからこそ、余計に”大人の事情”ではないか?と勘繰ってしまう訳ですが、敢えてそこを掘り起こす気はありません。

 総合ディレクターの石原氏が語った「長谷さんはベンチに下がっただけ。観客側ではなく、あくまでチームの中に居続ける。卒業は、プロジェクトiM@Sが終了する時」という言葉を信じて、選手交代して同じポジションで活躍する浅倉さんを全力でサポートするのが「アイドルマスター」というチームを応援するファンの努めだな、と自分の中で思い直すに至った次第です。私は「キャストの誰々が好き」なのではなく、チームとしての「アイドルマスター」好きなのだと(勿論、チーム内にご贔屓のキャストが居るのは事実ですが、嫌いな人は居ません)。

 それと同時に、今回変更にならなかった他のキャストの皆さんが継続を決意してくださった事には強く強く感謝しています。これからも一緒に作品を育てて行けるというのは、この上ない喜びです。

 「アイドルマスター2」のテーマは「団結」。テーマソングである「The world is all one」は訳せば「世界は団結している」ということなので、制作側やキャストの皆さんだけでなく、プレイヤー側も含めて一丸となって新たなステージに向かって行ければなぁと思っています。関わる全ての人達が愛情を持って臨めば、何だって叶ってしまう。そんな力を5周年記念ライブでは感じさせてくれたので大丈夫!(笑)

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