吉野家の新メニュー「牛鍋丼」に一言…
牛丼の低価格化において満足な商品開発も進まず、一人負け状態が続いている吉野家。それでも個人的には”現存する牛丼チェーン”の中では一番好きな味ですし(存在していたものも含めると、ダントツで珍丼亭の神戸カツ牛丼!)、応援したい気持ちはあるものの、ここ最近の空回り感たるやその「応援したい」という気持ちすら萎えさせてしまうもので、もう何ヶ月も行く足を遠のかせてしまっているくらいでした。
そして、その低価格化戦争において吉野家の出した回答の1つが本日から販売が開始された「牛鍋丼」。どんなものなのか、ということで早速食してみることにしました。
食べてみた感想としては「牛丼の具を間引きして、しらたきで誤魔化したもの」としか言えないもので、吉野家の商品開発にとても幻滅する結果となってしまいました…。ちなみに、想像していた「すきやき」の様な味わいではなく、牛丼をしらたきで薄めた様なイメージ(つまり味が薄い)で、並を注文したのですが最後の方はご飯が余ってしまうくらいでした。
そもそも、牛肉の輸入問題で牛丼がしばらく休止した頃から、吉野家の「客を大事にしない、胡坐を掻いた商売」が目に余る様になった様に思えます。
豚丼しか販売していない時、1日だけ牛丼が復活するということで凄い行列が出来た事件(?)。豚丼しか無かった時でも通っていた人達に対して何も恩返しをしなかった事は(例えば、チケットを事前に配布して販売を優先する等で差別化しても良かったのではないか)、個人的に大きなマイナスイメージでした。
牛丼が復活するも、豚丼は販売休止、焼肉系の定食をマイナーチェンジしたり休止したり、サラダを止めてコールスローにしたり、牛丼バーガーやキムチクッパ丼の様な何の脈絡もない商品が導入されたりと本当に「誰の為に営業しているのか」ということを考えさせられてしまう展開には本当に閉口です(牛チゲ鍋定食や牛さわら西京焼定食の様な展開は「おっ」と見直したりもしたのですが…)。
本来であれば「どうやって吉野家の伝統を守って行くか」ということから、余所との差別化を図るべきだと思うのですが、今の流れは単に「コスト削減」が表に出ているだけで、全くお客様を見ていない。誰の為と言えば自分たちの為。しかも目先の回復ばかり見て、差別化を図るどころか「280円にすればお客が戻って来る」と考えている様にしか思えない。「対面で”ありがとう”を言う為に券売機にしない」と言いつつも、店内に活気はなく、オーダーから提供までの時間も5分とか待たせた上、気持ちの入っていない「ありがとう」を投げかけられる…。場所によっては意思疎通の図れない外国の方が担当している場合もある…。これらは勿論、店舗にもよると思いますが、こんな時だからこそ全店のモチベーションを上げる努力を会社がしなければならないのではないか、と考えさせられます。
「お得なセット、色々選べる」というメニューも、「色々」と書いてある程選べるものはなく(コールスロー、お新香、キムチをベースに味噌汁、けんちん汁、豚汁、卵を組み合わせるだけの話)、定食も含めて豊富な松屋、牛丼をベースにしつつも本当に色々選べるすき家と比べてしまうと「何が色々なんだ?」と思ってしまうくらい。「色々」と書いてあること自体が逆効果の様な気もする。
牛丼を食べる層は「美味しさ」も必要としているが、「コストパフォーマンス」も重視していると思います(実は吉野家が思っている程、産地による肉質は客側が拘っていないのも事実としてあるかと。逆に肉質に合った味を研究すべきでは?)。そして、気分で変えられるメニューの種類もあるに越したことはないでしょう。もし”牛丼一筋”を掲げるのであれば、「380円でもこんなに美味しいなら、100円高くても吉野家だよね」と感じられるくらいのメニューを開発してほしいと思います(要はモスバーガーのイメージ)。今回の「牛鍋丼」を食べて私が思ったのは「これなら10円足して松屋で豚丼食べるか、すき家で牛丼食べた方が良い」という、全く逆の感想。更に「吉野家に行くなら牛鍋丼よりも100円足して牛丼食べた方が良い」という感想を持ってしまうのは、どうなのだ?と思いました。
少なくとも今のままの吉野家では、近い将来歴史に幕を下ろすことになると思います。寧ろ、そうなってしまっても良いのではないか、と感じるくらいです。それくらいに魅力が無くなっていると思います。
今後根本的に、本気で取り組む姿勢が見えない限り、恐らく私は吉野家に足を運ぶことはないと思います(今回、サイドメニュー50円引のクーポンを貰いましたが)。今回の牛鍋丼の出来は、そう判断するに十分な材料でした。残念です…。
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