「アイドルマスター2」の仕様公開内容について
「東京ゲームショウ2010」のメインステージで行われた「決起集会」で発表された内容は、結構な衝撃がありました。そして、その内容を公式に出すことによって変な憶測や混乱を招かない様に、緊急記事がその日の夜に掲載されました。緊急記事がアップされたのは、5周年記念ライブで雪歩の交代以来。というより「アイドルマスター2」になってから頻繁に起き始めた事であり、公式説明が必要な”事件”が多いということなのでしょう。
方々で炎上ともいう状況を招いた今回の「アイドルマスター2」に関する仕様の発表。私個人としては「静観」というか「お手並み拝見」という気持ちでいます。炎上している人達の気持ちは分かるのですが、その意思表示の仕方は「ちょっとなぁ…」という感じです。それはそれとして、私自身としての正直な感想を書いておこうと思います。
先ず仕様として
- 伊織、あずさ、亜美の3人は「竜宮小町」というユニットを組む(これは既出)
- 竜宮小町はプロデュース出来ない(プロデューサーは律子なので)
- 律子はプレイヤーと同じ位置付け(同僚)なのでプロデュース出来ない
- オンライン対戦はない(ダウンロードコンテンツやファン人数を競うものは恐らくある?)
- 961プロが登場し、ライバルとして男性ユニット「Jupiter」が登場する
というのが正式に”確定事項”としてアナウンスされました。
裏事情はこの際何も考えずにそのまま受け止めると、伊織、あずさ、亜美、律子がプロデュース対象から外れたことは大変残念です。実は、先日Tシャツを作る際(竜宮小町発表前)に「アイドルマスター2」のシルエット画像を切り出していた時、律子だけがスーツであること、伊織・あずさ・亜美の3人が他のメンバーとは違う衣装を着ていること等に気付き、その意味合いを考えていたので、ある意味覚悟出来ていたのか怒りを覚えることはありませんでした。プロデュース出来ないメンバーを贔屓にしていたプロデューサーさんの気持ちを考えるとやりきれないものもありますが、登場しない訳ではなく、それぞれのキャラクターが「物語」を構築する為に抜擢され、活き活きとした姿を見せてくれていることを考えれば(竜宮小町のPVを観て正直凄いと思ったし、ときめいた(笑))、プロデュース出来ないことは勿論残念ではあるものの、同僚としてライバルとして仲間として、そちらの方向で楽しむことが出来るのは楽しみな面もあるのは確かです。それでも、自分がプロデュース出来ないメンバー4人と自由なコミュニケーションを取ることが出来ないのは事実なので、そちらを重視して楽しむプロデューサーさんには無意味な存在として映ってしまうのも分かるので、これまで支えて来たプロデューサーさんの中にそういう気持ちの差異が出てしまうのは残念と言わざるを得ません。
「アイドルマスター」の面白さの1つとして挙げられる「オンラインでのオーディション対決」は今回実装されず、他ライバルとの対決になるというのも残念。オーディションの相手が全てCPUになるということは、もう「対戦」ではなく「攻略」になる訳で、ゲームとしての本質が変わります。対人だからこそ生まれる緊張感は確実に無くなってしまうのは寂しいですが、ならばどれだけ熱い戦いが出来るか、単純にパラメータの数値だけで勝敗が決まる様な作り込みではない対戦を味わえるCPUを作り込んで欲しいところです。
961プロが投入した男性ユニットである「Jupiter」。「憎んで欲しい」というライバル感はさておき、この登場は驚愕はしたものの、それが「良い」とは素直に思えませんでした。ただ、「アイドルアカデミー大賞」という栄誉ある大きな目標があり、歌手活動している人が誰もが狙うものであるならば、そこに男女は関係ないという世界観は理解出来ますし、その魂同士のぶつかり合いから生まれるドラマも確実にあると思います。私が思い浮かべてしまうのは「アイドル伝説えり子」なのですが、阿木星吾や大沢洋といったキャラクターの存在は、主人公である田村えり子をより輝かせる為に必要でした。「Jupiter」がそんなライバルであるならば、どんな物語を楽しませてくれるのか、とても興味を持つことが出来ます(「えり子」では男性アイドルとの色恋沙汰が一切無かった安心感も手伝っている感覚だと思います)。ただ、本当のライブやイベント類には、その評価が確定するまでは男性アイドルは登場しないで欲しいというのが本音です。「えり子」では、麗と星吾がデュエットすることはありましたが、そんな感じで765プロのメンバーと「Jupiter」が組むことも、今はまだやって欲しくないです。将来的に「それもアリだ」と思えるキャラクターであったのであれば許容しますが…。でも「アイドルマスター」という世界の中では、恐らく水と油でしょうね。
竜宮小町は自らプロデュースすることは出来ないものの、条件を満たすと4人目と5人目に入ることはあるとアナウンスされていることや、テーマである「団結」ということからも、物語として
- 最初のうちは、竜宮小町が自分のライバル
- Jupiterが現れ、竜宮小町も自分のユニットも苦戦する
- 765プロとしてアイドルアカデミーを獲りに行く為に団結し、全力でJupiterに挑む
- 自分のユニットに、竜宮小町や律子を組み込んで最終決戦に挑む
- 最終決戦の楽曲は「The world is all one!!」固定
- アイドルアカデミーの栄冠を勝ち取りエンディング
という流れが予想出来ます。その中にどれだけ熱いものを用意してくれるのか。石原総合ディレクターが言う「”萌え”ではない”燃え”を」というのは、私個人もそちらの方向性は求める部分でもあったので賛同したいですし、その部分において”お手並み拝見”なところです。逆に伊織、あずさ、亜美、律子のプロデュースが出来ないだけのものに仕上がっていなければならないと思う訳です(これは生半可なものでは許されないということ)。それだけの意味・意義を感じられるものにして欲しい。元々海のものとも山のものともつかぬものであった「アイドルマスター」をここまでのコンテンツにした石原ディレクターであるからこそ、信じたいし期待もしています(恐らく、私が今回の衝撃に堪えられたのは「ブロークンサンダー」「サンダーフォースVI」という期待していた思いを連続して打ち砕いた事件を乗り越えたことにあるのかな…と(笑))。ただ、コミュニケーションや対戦を楽しみにしていたプロデューサーさん達には、「アイドルマスターSP」に搭載されたストーリープロデュースを拡張した様な今回の「遊び方を固定された仕様」というのはどう映るのかと言えば、同じ「2nd VISION」として先陣を切った「ディアリースターズ」が「トップアイドルアドベンチャー」という仕様で発売して惨敗した結果からも、厳しい結果になってしまうのではないかという危惧はありますね…。
CDのリリースも単純にキャラクター毎に1枚出すといった、これまでの商法ではなく、敢えて3人単位のユニットを打ち出し、その中で競わせるといった仕掛けも面白いと思っています(それがどういう展開を見せるかなど、私の中では想像出来ませんが。一つ絶対にやって欲しくないのはCDの売り上げ枚数で競わせる事。これまで支えて来たプロデューサーさん達はそこまで馬鹿じゃないと思います)。敢えて同じ商法を繰り返すのではなく、危険を顧みず色々なチャレンジをする姿勢には敬意を表したいところではあります。
もし、今回の仕様がXbox360の供給媒体がDVDであることに起因するのであれば、DVD複数枚でHDDインストールを前提にしてフルスペックにして欲しいですし、今期発売を命題としていることが影響しているのであれば、延期してでもキチンとしたものを作って欲しいというのが恐らく全てのプロデューサーさんの共通意見ではないか、と思います。
今出ている情報から推測も含めて自分が語れるのはこの程度のことですが、発表された内容から「アイドルマスター2」を完全に切り捨ててしまっている人達は早過ぎる様に思います。逆にこれまでの「アイドルマスター」と基本的には同じ様なシステムで、映像と歌が変わったシステムなら良かったのか?ということを問われると、それはそれで良かったと思いますが、「この先の5年を戦う為に」という命題が課せられた「アイドルマスター2」をここまで覚悟をした上で変えて来たのですから、私は発売されたものを遊んでから自分の思いを回答として、バンダイナムコゲームスに直接ぶつけたいと思うのです。発売前にこれ程リスクの高い発表をした覚悟に対してこちらも応えたい。私が5周年記念ライブで決めた覚悟は、そういうことなのです。少なくとも、今回発表された内容は5周年記念ライブの時には決定していたはずであり、関係者の皆さんも含めて作り上げたステージで感じた思いは、今回の発表内容だけで崩されるものではないと思っています。
今回の発表は、改めて「アイドルマスター」というコンテンツに対して、自分の中でも整理を付ける良い機会になりました。色々な意味で完成が、発売が、楽しみです。
周囲の騒ぎ方が変な影響を及ぼして、楽しもうとしている人、楽しみにしている人の気持ちまで潰され、最終的に「アイドルマスター」というコンテンツの未来も潰してしまうことが無いように祈るばかりです…。もし仮に今回の「2」が失敗に終わったとしても、次のチャンスを作れるのであれば、悪い点は修正すれば良いのですし。今まで自分たちが支えて来た5年間という歴史を、「2」の仕様が思い描いてものと差があるからといって、全てを否定してしまうのは寂し過ぎると思うのです…。
感情を剥き出しにして論じている人も多いですが、「2」がどんな作品に仕上がったとしても、次に繋げる未来を論じる方が楽しい(まだ全貌も見えていない中、見えている仕様だけで”悪”と決め付けて悲しい行動をするのは、決して楽しくない)ですよ…。
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