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2010年11月26日 (金)

Blu-ray「たまゆら」第1巻

Dscf2682 先日先行放映版を観て、とても良い作品であることを感じた「たまゆら」。応援の意味も込めて、リリースされた第一巻のBlu-ray版を購入しました。

 AT-Xで流れていた番宣をたまたま観て、録画予約をした作品ではあるのですが、その先行放映を友人がとても気に入り、録画したまま放置してしまいそうな私に強制的に観させるという強行に及ばせたという思い出のある(笑)本作。まぁ、観るタイミングはどうあれ結果的に観られたことは良かったと思える作品ですし、昨今の「キャラクターだけしか売りがない、中身の伴わない作品」「表現技法に特化して、中身が良いとは感じられない作品」「創り手に何の拘りも感じられない作品」など、周囲で話題になっている作品ですら全く興味も湧かない(時間の無駄とすら思えてしまう)私に素直に響くものがあるフィルムに出逢えたのは貴重に思えます。

 「たまゆら」はある意味何も奇をてらわない、昔ながらの表現技法を現代に伝えてくれている作品だと思います。最近は現実にある舞台をベースにした作品も多くなった様に思えますが、その多くは「自分で世界観を作れないから、現実にある風景の説得力を利用しているだけ」に感じられます。「たまゆら」はその土地の持つ魅力を作品やキャラクターにも同調させて、相乗効果を生んでいる様に思え、それが作品の温かみを増しているのだと感じます。本編1話15分という尺も絶妙で、テンポの良さとこの時間ならではの濃密さを感じることが出来ます。個人的には「鋼鉄天使くるみ零」と同等の素敵さを感じます(私個人的な最高レベルの褒め言葉です(笑))。

 「ARIAを手掛けたスタッフが」ということが宣伝文句として使われているのは仕方の無いところではありますが、特別大きな仕掛けを用意せずとも、場面演出や台詞回し、そしてそれを的確に彩る音楽に触れれば、とても丁寧に作られた作品であることが感じられると思いますし、「ARIA」という作品の名前を借りずとも、観た人の胸に残すものは確実にあると思います。しかしながら、オリジナル作品を作ることが難しい今、こうしてその機会に恵まれたことは「ARIA」の成功があったのは間違いないと思うだけに、ここは「ARIA」にも協力して頂いて(笑)、「たまゆら」の知名度を上げるのに貢献して頂くのは正しいでしょうね。まずは観てもらわないことには何も始まりませんから…。

 佐藤順一監督が手掛けた「ARIA」は原作モノではありましたが、作品イメージを損なうことなく、エピソードによっては原作を更に膨らませた仕上がりを見せてくれました。架空世界とはいえ、ベースとなるのは現実のヴェネツィアであり、そこに暮らす人々を丁寧に描くことで舞台が火星であることを特別意識することなく身近なものとして捉えることが出来た結果、異世界なのに抱ける郷愁感を生んでいたと思います。今回の「たまゆら」は私達の住む日本であり、その中でもどこか懐かしさのある「古き良き日本」を感じることの出来る瀬戸内が舞台。「ARIA」以上に身近な世界や人物を感じるのは、他の土地では出来なかったかもしれません。

 幸せを瞬間的に切り取る写真。ビデオによる”映像”ではなく、1コマの”画像”だからこそ味わえるもの。何度も撮り直しが出来ることが緊張感や現像のワクワク感を無くしてしまったデジタルカメラに比べ、不便に感じる部分が多くても銀塩カメラの持つ魅力や価値に改めて気付くことも多いです(これは先日の「テイルズ オブ フェスティバル2010の公式フォトレポートを見て感じていましたが)。

 一時の楽しさだけでなく、時代を超える”本質”がこの「たまゆら」では描かれていると思うのです。

 来月発売の2巻も楽しみです。

[おまけ]
 スーパージュエルケースのパッケージ、ディスクが非常に取り出し辛い! 頑張って取り出そうとしているうちに、パッケージに傷を付けてしまいました…(苦笑)。ご購入の皆様、お気を付けください…。
 ちなみに、このケースを取り扱っているところに空ケースを注文して入れ替え、事無きを得ました(笑)。

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