Blu-ray「たまゆら」第2巻
AT-Xでの先行放映を観て、その質の高さに応援の意味も込めて購入した「たまゆら」。その第2巻が発売され、これが最終巻であることを考えると、何だかあっと言う間に終わってしまったことが残念でなりません。
第1巻では、主人公である楓を中心したキャラクター紹介とも言える内容でしたが、第2巻では楓が幼少の頃に撮った写真の場所を巡り、自分の中に生きている父親との思い出に近づく物語が展開されます。
物語として全く無駄がなく、そのテンポの良さや些細な事にも気を遣った演出もあってとても気持ち良く作品を観ることが出来、郷愁感も手伝って爽やかな感動も味わえるのは特筆したいポイント。殆どアニメ作品を観ていない2010年の中で、素直に響くものを持った作品はこの「たまゆら」だけでした(テンポの良さは、逆に仇になる部分もあったかもしれない…と4話まで観て思う部分もありました)。
しかしながら、ある意味この第2巻までが序章であり、変わらない日常を送りつつも、その時々に一喜一憂する登場人物たちの今後を映像で観ることが予定されていない現在、このまま展開が終わってしまってはとても勿体ないと感じてしまいます。
「たまゆら」の様な素直に”良い”と感じる作品は、今の流行からは外れた位置にあり、派手な作品に負けてしまう部分も多いです。しかし、普遍的なテーマを持ち、時代に流されない確かな感動を味わえる作品として、誰にも愛される作品として、確実に残ると信じています。
時間を置いても、この作品が継続してくれることを切に望みます。
ちなみに、本編以外にはノンテロップOP・ED、PVやCM、Club AT-X用のインタビュー、写真コメンタリーが収録されており、1巻よりも映像特典としては豪華でした。また、スーパージュエルケース(このケース嫌い…)も今回は更に気を付けて取り扱い、傷を付けずに済みました(笑)。
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コメント
こちらでは、はじめまして。どりすと申します。
サトジュン作品らしい、ゆったりとした暖かい作品でよかったです。
賞賛の方はこうたろさんに任して(笑)、気になったことをズラズラと並べていきます。
まず、3話だけを見る機会があって、そのあとに1→4話と通して見ました。最初に3話だけを見たときは『なに、この観光案内アニメ』だったです。(^^;
1話から順番に見ていたら、ここまで思わなかったかもしれませんが、やはり全体的に『観光案内アニメ』の印象はぬぐえませんでした。アニメが町おこしとなっている昨今、地元からの要請がかなりあったからでしょうかね。
次に気になったのが、主人公4人が全く方言を話していないことです。人気声優を使うことを優先させた為、技量が足らず回避したのかと思いました。同監督の「うみものがたり」の方では、ちゃんと方言使ってたのですが…。
あとは、父の形見のカメラとしてライカを使っていますが、完全なマニュアルカメラのはずなので、あんな撮り方をしてたら、露光不足にピンぼけ手ぶれと、まともな写真は1枚も取れないなぁと突っ込まずには居られませんでした。
作品全体としての構成は、「たまゆら」の言葉どおり、日常の一時を切り取った感じで好印象です。写真に写る光球(オーブ)と掛けてる部分はどうでもいいかなとか思ってましたが(笑)。
もうひとつ、『観光案内アニメ』と感じたのは風光明媚な背景だけが目立ち、地元の人間の生活臭が一切しなかったことかな。たった4話でこれを求めるのは無理なことなのでしょうか。このあたりが地方の町を背景に使ったTrueTearsという作品と決定的に違う部分と感じています。
では、会うことがあれば、飲みに行きましょう ヽ(^_^)ノ
投稿: どりす | 2010年12月25日 (土) 16時20分
>どりすさん
初めまして。こんな辺鄙なブログにお越し頂きまして誠にありがとうございます。
ましてや、私の書いた拙い所感より中身のあるコメントを頂きまして恐縮です。かなり気を遣って書いて頂いた様で(笑)、そちらもありがとうごどいました。こうしてネットを介しての会話も何年振りでしょうか。
作品に対するどりすさんのご指摘は、まったくもってその通りだと思います。
挙げて頂いた内容について、私はどれも気になりませんでしたけれど(というより、わざわざ気にする理由が見つからない)(笑)。強いて挙げれば方言の有無と生活臭の無さは確かに感じなくもないですね。「うみものがたり」では方言指導を入れていたくらいですし、やる気になればやれたのではないかと思います。ではそれをやらなかったのは何故か?と考えると、作中に込めたテーマの様なものを表現するのに必要ないと判断されたからなのかな?というのが私の解釈です。その為に短い尺の中でも説得力のある背景(舞台)として瀬戸内の力を借りたのではないかと。
仮にどりすさんの挙げた全ての項目が文句無しにまとめられた時、果たしてこの作品は今私が「好き」と感じた「たまゆら」になったかと言えば、それは違うのではないか?と思います。ましてや正味15分無いくらいの本編尺の作品を、20分で1クールもある作品と比べるのも酷な話かと(まぁ、「たまゆら」も今のフォーマットのまま同じ尺になったらどうかと言えば、これまた違う形に仕上がったと思うので、語ることは出来ませんが)。
私は作品にリアリティを特別求めていないですし、凝った設定もある意味どうでも良く(笑)、普通に全体感として「好み」か「好みでない」かしか判断基準がありませんので(今となっては、制作陣が誰だろうと、キャストが誰だろうとどうでも良くなりました(笑))、どりすさんの感想は今の私には持ち得ない視点として学ばせて頂きました。
アニメーション作品に対しての熱意は全く無い私ではありますが、お会いする機会があればその時は宜しくお願い致します。
投稿: こうたろ | 2010年12月27日 (月) 17時49分
こんばんは、どりすです。
方言に関しては、私も最初は全然気になりませんでした。しかし、たしか母親が出てくるシーンで、その母親が方言で話していたことにより急に気になったのです。このシーン以後、子供達が標準語であることに違和感をもってしまったのです。地方では、地元の学校に言ってる限り、方言でしかしゃべらないものですから。(^^;
私も、ことさらにアニメにリアリティを求めては居ませんが、アニメの風景が町起こしに利用されている現在、風景に関してはリアリティ追求が求められているようです。
ちょうど今日、産経ニュースにもあがってたりします。
ttp://sankei.jp.msn.com/life/trend/101227/trd1012271049002-n1.htm
そのハイクオリティのリアルな背景に、虚像のキャラクターの融和がなされている技術はすごいのですが、それゆえに少しのことがバランスを崩していて私には気になってしまっているのかもしれません。先ほどの方言もそうですが、猫と言うにはあまりにも謎の生物としか見えないモコモコの物体も目に付きます(笑)
もっとも、リアルに猫を登場させたら、現地でのよく似た猫が「聖地巡礼」と称する輩に追いまわされ、かわいそうな目にあいそうなのでアレでよかったかな(苦笑)
アニメーション作品に対する熱意という物は私には全くありません。今回の作品もアニメワンでの無料配信があったから見ただけで、メディアを一切買わない私では、批判批評など許されない存在かもしれません。でも、例え無料でもおもしろくなければ最後まで見たりはしませんし、このように批判めいたことも書いたりしません。おもしろい作品だからこそ文句をいう、でも作品買ってないというのは、クリエイターにとって一番厄介な存在かも。
最後に、まだ私のことを覚えてくださることに感謝します。HNも最近の方の名前で書いていたので、もしかしたら分からないかも~とか恐る恐る書いていました。(笑)
投稿: どりす | 2010年12月28日 (火) 20時44分
>どりすさん
熱意云々は置いておいても、「無料なら観てみる」という時点で私よりアニメーションに関しては興味の度合いが高いですよ(笑)。
メディアを購入しなくても批評などはしても構わないと思います。そもそも観てもらうことすらされない作品の場合は、その存在自体が意味を持たないものになってしまいますからね。どりすさんの様に作品を最後まで観て、良い部分は良いと認めつつ、気になるところは気になるという批評をしていれば、私は価値があると思います。少なくとも作品を発信しているのですから、それを合法的に観た中で意見を述べてくれる存在は、クリエイターからすれば(基本的には)有り難いことだと思うのですが…。
ですので、是非クリエイターに厄介な存在であり続けて頂ければと思います(笑)。
どりすさんのことを忘れるなんて有り得ません。少なくとも某所で一時代を築いた者同士(?)なのですから。全く知らない名前でも、メールアドレスだけで分かりましたよ(笑)。どちらかと言えば、このブログに足を運んでくださった事の方が余程驚きです。
投稿: こうたろ | 2010年12月30日 (木) 12時39分