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2011年1月16日 (日)

「悪魔城ドラキュラ トリビュート」&「Harmony of Despair」サントラ到着

Dscf2719 奇しくも(?)、「GRADIUS ULTIMATE COLLECTION」と発売日が同じで、一緒にコナミスタイルから届いた「悪魔城ドラキュラ トリビュート Vol.1&Vol.2」と「Harmony of Despair」のサウンドトラック。やっと聴くことが出来たので、インプレッションを残しておこうと思います。

 私はゲーム系のサウンドトラックは基本的に「オリジナル至上」であり、「アレンジは否定しないけれど、結局はオリジナルに勝てない」と思っているので、今回の目玉でもある「トリビュート」はどの様な仕上がりになるのか、「楽しみ」というよりは「然程期待していない」というのが正直な思いでした。それでも購入してしまうのは、「ドラキュラ」サウンドのファン故。同じ思いの人も多いのではないでしょうか?(笑)

 さて、早速聴いてみました。

■トリビュート Vol.1

 ライナーノーツに各アレンジャーのコメントが寄せられており、それを読みながら聴いてみています。ライナーに目を通すと、どうやら候補曲というのがディレクター側から提示され、アレンジャーが自分で選ぶスタイルだった様ですね。それにしては代表的な楽曲が上手く分散したものだなぁと(笑)。全曲5分前後の編成で、アレンジャーの個性がぶつかった(?)アルバムになっているかな?と。こればかりは好みに左右されるので何とも言えませんが、個人的には及第点のアルバムでした。黒いジャケットに金色の盤面も印象的です。

 1曲目「Vampire Killer」、担当は増子司氏。トップバッターのアレンジの割には強烈さに欠け、一昔前のアレンジの様に感じてしまいました。音源もMIDI音源丸出しの様に感じ、個人的には本当に20年くらい前のGMアレンジだなぁ…と残念。
 2曲目「Bloody Tears」、担当はTECHNOuchi氏。本当にやりたかったのは「シモン・ベルモンドのテーマ」だったそうですが(笑)、既に他の人に決まっていたことから選んだのがこの「Bloody Tears」。想像の斜め上を行くアレンジにちょっと驚きましたが、あまりにも原曲のメロディを廃した感じのアレンジは賛否が出そう。
 3曲目「十字架を胸に」、担当は花岡拓也氏。ようやく安心して聴けるアレンジ。と言いながらも原曲イメージを踏襲している為に、それ程インパクトが無く普通に聴けてしまったのは良し悪しかも。
 4曲目「Beginning」、担当は桜庭統氏。これも散々アレンジされて来た名曲なので、桜庭氏がどの様にアレンジするかと楽しみにしていましたが、そつなくこなしたという印象。ご本人も拘った「生っぽさ」は出ていたと思います。
 5曲目「Clockwork」、担当は畑亜貴氏。アレンジバージョンらしいアレンジがキラリと光る攻勢で、バイオリンとピアノ、ギターとベース、そしてドラムがそれぞれ主張するものは耳に心地良かったと思います。
 6曲目「シモン・ベルモンドのテーマ」、担当は佐野電磁氏。ご本人はもっと壊すつもりだったらしいですが、原曲のメロディが持つパワーに負けたそうです(笑)。エレクトロハウスに仕上がった楽曲は、なかなか興味深く聴けました。
 7曲目「CALLING FROM HEAVEN」、担当は並木学氏。最近では「ドラキュラReBirth」を担当していただけあって、私の一番ど真ん中を突いた選曲&アレンジでした。生演奏のギターを奏でる哀愁のこもったメロディは原曲のイメージを大いに膨らませてくれていたと思います。途中オルゴール調になるのもシビレましたね。
 8曲目「乾坤の血族」、担当は安井洋介氏。「ドラキュラXX」的にも聴こえる、独自SCC風サウンド(笑)アレンジは、ある意味素直に響くものがありました(途中のソロは滅茶苦茶格好良い!)。でも個人的にこの曲は、派手に生音での正統アレンジで聴きたかった(笑)。
 9曲目「Slash」、担当は高田雅史氏。原曲のメロディが登場するまでが長い(笑)ものの、雰囲気は守ったアレンジかと。もう少し壊しても良かったかな?
 10曲目「The Wolf Ravealed」、担当は弘田佳孝氏。選曲が他に比べると弱い感覚があるのは原曲の出典の問題なので仕方がありませんが、だからこそもう少し目立つものにした方が良かったかな、と思わなくもありません。ちょっとパワー不足。
 11曲目「幻想的舞曲」、担当は金田充弘氏。これまた無難にまとめてしまった感のあるアレンジ。もっと強烈にオーケストラチックにするか、もっとぶっ壊しても良いくらいがこの曲は丁度良いのかな、と私は思います。
 12曲目「New Messiah」、担当はMANYO氏。生演奏感があり、疾走感のあるアレンジが原曲のイメージを膨らませてくれていたと思います。素直なアレンジバージョンは原曲派の私には受けが良いだけなのかもしれません(笑)。
 13曲目「Voyager」、担当は佐藤天平氏。アルバムの最後を飾るに相応しい幻想的というか荘厳というか、映画のラストを思わせる雰囲気のアレンジは、氏のもう一つの持ち味と言えるものかもしれませんが、今度は派手目のアレンジもお願いしたいところです(笑)。

■トリビュート Vol.2

 こちらはVol.1と打って変わって何となくテーマ性を感じる大幅なアレンジが施されたアルバムに仕上がっており、個人的にはこちらの方が好み。こちらも1曲5分前後の収録ですが、女性アレンジャーが多いのは特徴かも。白いジャケットに銀色の盤面がこれまた印象に残ります。

 1曲目「THE SINKING OLD SANCTUARY」、担当は千葉梓氏。まさかのオリエンタルアレンジは別の意味で原曲のイメージを膨らますものとなっています。「バンパイアキラー」が名曲揃いであることを改めて気付かせてくれるものでした。
 2曲目「失われた彩画」、担当は茜-AKANE-氏。これまた1曲目を受けてのオリエンタルアレンジ。オリエンタルでありながらも、エレクトリック。深いアレンジが堪能出来ます。
 3曲目「REQUIEM FOR THE NAMELESS VICTIMS」、担当は岡素世氏。アコースティックギターが奏でるメインメロディには何故か胸が熱くされられました。これまた「バンパイアキラー」の楽曲であり、アレンジの効果も強く光るものがありました。
 4曲目「Union」、担当は甲田雅人氏。全編ピアノで綴られるメロディは原曲の持つ旋律の美しさを際立たせてくれたと感じます。落ち着いて聴ける良いアレンジです。
 5曲目「エンディング・テーマ」、担当は菊田裕樹氏。正に「エンディング」を感じる壮大さを感じる正統アレンジ。フェードアウトなのが1つの難点かな。
 6曲目「ガリバルディの中庭」、担当は桐岡麻季氏。コーラスと弦楽で構成された不思議な雰囲気を出すアレンジは、アルバムの中で異彩を放ちながらも溶け込んだ感もあり、印象に残ります。
 7曲目「神々たちのレクイエム」、担当は清田愛未氏。原曲の延長上にあるアレンジは決して派手さはないものの、気持ち良く世界に浸らせてくれていると思います。
 8曲目「喝采なき奏楽堂」、担当は谷岡久美氏。タイトルの持つ雰囲気を大きく膨らませてくれる好アレンジ。ピアノの旋律が耳に心地良く馴染みます。唯一の6分超え。
 9曲目「黄昏の聖痕」、担当は坂本英城氏。バイオリンはまさかの今野均氏! やはりエロさ際立つ演奏で楽曲を盛り上げてくれました(笑)。ストレートに楽曲の持ち味を表現してくれているアレンジも良いですね。
 10曲目「戦いの後に~蒼の回想~」、担当は井村絵里子氏。こちらもアレンジとしては素直なのですが、演奏時間の短さもあるのかちょっと普通すぎる印象。嫌いではないのですが、もう1歩踏み込んだものがあれば良かったかも。
 11曲目「星降る夜の鎮魂歌」、担当は青木佳乃氏。幻想的な雰囲気が原曲を引き立てるアレンジで、広がりを見せる構成は好きなタイプ。「ドラキュラ」の世界との親和性は高いアレンジだと思います。
 12曲目「終曲~透深月夜~」、担当は浜渦正志氏。タイトル通りの雰囲気を出す、優しさと寂しさが同居するアレンジ。ピアノと弦楽のみの構成は本アルバムからすれば正統派アレンジなので、若干埋もれてしまう部分があるかも。
 13曲目「夜曲」、担当はkukui。担当からしても分かる通り、唯一の日本語ボーカルアレンジ。霜月はるかさんの歌声は、「ドラキュラ」とは合わないのでは?と思っていたのですが、本アルバムの最後に配置されていることが、優しく包み込む感覚となってピッタリはまっていました。原曲を忘れてしまうくらい、アレンジが綺麗にマッチしたのかもしれません。

■Harmony of Despair

 それと、おまけ的な扱い(笑)となってしまった「Harmony of Despair」のサウンドトラックはそつない出来。「悪魔城ドラキュラ」「蒼月の十字架」「ギャラリーオブラビリンス」「月下の夜想曲」「奪われた刻印」「血の輪廻」といった過去作品からの出典が多いので(完全なる新曲は10曲満たない)、シリーズを楽しんだ人にはそれだけで楽しめる1枚。そして、まさかの「月風魔伝」からの出典もあり、別の意味でも楽しめる仕上がり。でも、残念ながら「バンパイアキラー」からの出典はありません(涙)。

 そんなこんなで、概ね満足と言える今回の「トリビュート」。個人的にはVol.2の方がプレミア感があって好きですが、今後もシリーズを継続するのであれば、Vol.3はど真ん中のロックテイストアレンジを望みたいです。

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