先日、11ユニット目のプロデュース完了をもって、基本的にXbox360版「アイドルマスター2」のプレイを完了しました。9ユニット目で実績1000は取得したものの、最初の2つのユニットは完全制覇が出来なかった為、ストーリーの完了という意味ではその2ユニットのリーダーでの完全制覇が必要だったためにプラス2回のプレイとなりました。
発売日である2011年2月24日から6ヶ月。ほぼずっとプレイを重ねて211時間も「アイドルマスター2」をプレイした私が感じたことや言えることを纏めておきたいと思い、ようやく書き上げる事が出来たので投稿します。尚、私は多少の差はあっても765プロのアイドル全員にそれぞれ思い入れはあり、「アイドルマスター2」に対して勝手な思い込みに凝り固まった賞賛も批判もしません。あくまで「アイドルマスター」という世界観、空気感が好きであり、次回作があるならば更に良い作品に仕上げて欲しいと思っている中での統括となります。
それでは早速。
■基本サイクルとシステムについて
[基本サイクル]
活動の基本として営業、レッスン、ステージ(オーディション、ライブ、フェスの3種)の中から仕事を選択し、プロデュース期間内にトップアイドルを目指して日々を重ねるというのは前作と大きく変わりません。1日は3ブロックの仕事が可能であり、レッスンは1ブロック、営業は2ブロック、ステージ系は3ブロックを消費する様になっているので、それを組み合わせてスケジュールを決めるという点は「アイドルマスターSP」に寄ったシステムで、1週に1つしか仕事が出来ない前作と比べて試行錯誤のし甲斐があるのは良いと思います。そういう意味ではそれなりに自由度は高いものの、21週目に竜宮小町に勝たなければならない、54週目でジュピターに勝たなければならない、36週目までに20位以内にチャートイン出来なかった場合の「IAサバイバル」に負けた時に週が巻き戻るという事実上のリミットがあり、「勝つまでやらせる」という強制をしておきながらも、その後はバッドエンドしか待っていない様な流れはプレイを最後まで継続させる意味が無く、それであるならば潔く途中でゲームオーバーにして「自分に実力が無い」ということを痛感させてくれた方が良いと思いました(チャンスを1回だけ与えて、それで駄目ならゲームオーバーというものでも良い。とにかく、延々と繰り返しやり直させる必要性は無い。家庭用だからという中途半端な甘やかしは不要)。救済措置がかえってプレイする側にとっては要らぬ配慮になっていることは残念の一言(この辺りは自分でプレイして実感したものでは無く、そういった流れに陥り、やる気を著しく削がれた友人から話を聞いて感じたことですが)。選択肢を間違ったら即ゲームオーバーになってしまう「ファインドラブ」を見習って欲しい(爆)。
[各種パラメータ]
前作はアイドルランクとファン人数が基本であり、その合間にアイドルのテンションとパラメータの減退に気を配って進めるプロデュース方針だったのが、「2」では地区毎にファン人数を気にしつつ、注目度をある程度安定的に維持しながらも、合間にレッスンを重ねて行く様なプランが必要になり、気を配らなければならない事が多くなりました。更には完全制覇の条件として、5つの地区それぞれでファン人数を10万人以上集め、出現するフェスに勝利する必要がある為、強制イベント発生週のことも踏まえてプランを立てなければならず、繰り返しプレイにおいて、作業プレイで何とかなった前作より格段に大変になりました。勿論、プランを確定してしまえば、ある意味作業プレイにはなるのですが、レッスンや営業の出来、仕事を行う地区によっては100%同じとは行かず、それがCDの売上にも影響する為に結構気が抜けません。緊張感を持ってプレイ出来るのは良いのですが、繰り返しプレイをするにはちょっと大変過ぎるかもしれないな、と感じました。特に、終盤に全国オーディションが全く出現しなくなる為、全ての地区の注目度を一気に回復する方法が無くなり、注目度が落ちにくい資金営業(終盤は25,000マニーも必要)を使い続けないと確実にファン人数が落ちる事に歯止めが掛けられなくなるのは、もう少しケアする手段があっても良かったかなぁ…と思う反面、それがプロデューサーの腕の見せ所とも言えるので、自分で試行錯誤する余地が沢山あって楽しめた結果が11ユニットを完遂出来た理由とも感じています。
それと、前作と異なり、基本的に常に3名1組のユニットプロデュースとなるため、全体的なバランスを考える(=団結力を高める)プレイを要求される為、ソロプレイで常に1対1のやり取りを望むプロデューサーには残念な仕様ではありますが、私は元々ソロよりは団結に寄っていたプレイを好んでいたので問題なし。仲が悪くなってギスギスした空気になったり、孤立したりする要素があるのも逆に私自身がどうしたものか悩んだり、夜の時間に説教したり(上手く行かないことも多い(笑))、そういう時間も楽しんで思い出の一部に昇華出来ていることを考えれば歓迎しているシステムと言えます(まぁ、普通にプレイしていれば、恐らく後半はずっと団結状態なので意味は然程感じなくなってしまうのは惜しいかも)。ただ、最後の社長評価で「全員から慕われていた」をもらう為には、構い方、挨拶、じゃんけん、営業など全メンバーをバランス良くこなす必要がある様で、私が採った方法は「リーダー以外のメンバーを構うことを基本とする」というもので、メインシナリオが進めばリーダーとは信頼関係を築けることから、その他に集中しようというプラン。ただ、これは意図した通りにおおよそ運べるものの、自分の心の中ではやっぱり均等に愛したいので(笑)、攻略というプレイヤー視点とプロデューサー視点のせめぎ合いの日々だったのも良い思い出ですね。
社長評価ポイントとして、リリース楽曲群の総売上枚数、イメージレベル、アピールスコア、チャート順位があり、その他に巻き戻り回数や受賞トロフィー(IA大賞+部門賞5つ)がプラスされて総合評価になるものの、その全ては自分で管理可能な見えるパラメータなので、プランさえキッチリ作って実践すれば高評価が得やすいのは良いですね。ただ、ユニットメンバーとの信頼関係、各地区の注目度などは数値として見えないので、反応やアイコンなどから自分で状況判断をする必要があり、全体的に自分が管理する必要のあるパラメータ群は多すぎず、少なすぎない、バランスの取れたボリュームかな?と私は思います。
[レッスン]
レッスンは、ボーカル(旧歌詞)、ダンス、ビジュアル(旧表現力)の3つしかないので、複合レッスン(旧ボイスおよびポーズ)のあった前作と比べると分かりやすいものの、レベルが上がって来るとパーフェクト+ボーナスを獲得するのがなかなか難しく、更には「グッドに近いパーフェクト」と「満タンに近いパーフェクト」は同じ「パーフェクト」扱いということもあって、効率良く育成する為は自分のスキルを上げなければならないというのは、遣り甲斐がある反面、なかなか骨の折れる”作業”です。覚えてしまえば然程苦にならないステージ系の仕事や営業に比べ、繰り返しプレイしても最後まで壁になるのはこのレッスンであり、「アイドルに任せる」ことが可能であっても、しっかり伸ばして行くには自分で指導してやるのが一番良いという、これまた現実的な仕様も、回数をプレイする場合は少々敷居が高いかな、と。前作もそうでしたが、「アイドルマスター」のシリーズはこのレッスンをもっと何回プレイしても楽しい(=作業に感じない。または作業的にこなすなら、もう少し難度を下げても良い)ものにしなければならないと思います。まぁ、その為に「ちょーレッスン」が用意されているのだと思いますが、2マス取られてしまっては完全制覇を目指す場合にはちょっと厳しいかなぁ…(レッスン+営業で3マスというのが標準選択ですからね)。
個人的に最も嫌いなレッスンはボーカル。4つのボタン位置は手元を見ずとも対応は出来るのですが、後半難度が上がって来た中でスピードアップすると、どうしてもミスが多くなります。押し間違いだけでなく、タイミングミス(遅れるより早くなる癖がある)も増えてイライラが募ります。特に苦手なのは、AからY、BからXの様な動き。これは老いた証拠か?(苦笑)
ダンスレッスンもタイミングは確実に合っているはずなのにミス扱いされる時があり、1ミスするとパーフェクト+ボーナスが取れない場合(8つ入力が続くと間に合わない)があるのが嫌ですね。
割と安定するのはビジュアルながらも、イラッとする動きや重なりの時はあるので(基本は動きを読んで先にカーソルを置いておく方が安全。追い掛けるとクリックミスのリスクがある)、あまり余裕を感じられないのは頂けませんね…。
プロデューサーランクが上がっても、レッスンに余裕は出ないので(寧ろ大変になるだけ?)、もう少し気軽にプレイしたいだけなのですが、そう希望するのは私だけでしょうか。
[営業]
営業は前作と基本的には変わらないのですが、一つの営業で選択(およびタッチ)回数が2回、資金営業の場合は1度クリア済(ユニットメンバー全員選択済)になると次に出現するものは選択すら無いものになり、ユニット制となった「2」では全体的に営業のパターンが少な目の印象を受けました。ランキングによって仕事が入れ替わるのは良いのですが、初期、50位以内、20位以内の3レベルで変わってしまう為、完全制覇を成す為のプレイをしていると、初期および50位以内の仕事の大多数が未クリアの状況で20位以内の仕事しか選択出来なくなってしまうので、20位以内の仕事でプロデュース期間の大多数(47週)を過ごさなければならず、これは決してバランスが良いとは言えないと感じます。せめて、初期や50位以内の仕事も選ぶことが可能にしてくれると、もう少しバリエーションが豊富に感じられたと思うのですが…(勿論、仕事に対する報酬や獲得ファン人数など物足りない状況でしょうけれど)。
相変わらずタッチイベントの正解箇所が分かり辛く、中にはタッチイベントなのに何もしないのが正解というものもあったり、パーフェクトコミュニケーション取得は苦労したものもありましたが、そういった経験も「思い出」として積み上がるのが「アイドルマスター」なので、個人的にはこの仕様はまぁ良いかな、と。
[ステージ]
ステージ系の仕事については、前作は「オーディション」ということで、とにかく獲得ファン人数の多いオーディションを受け続けて行けばアイドルランクも上がり、ユニットのイメージレベルも上がる為、ある程度のレッスンを重ねてた後はひたすらオーディションを受けていればアイドルランクSに到達してドームでの引退コンサートを成功させられるという、ある意味単純なものであったのに対し、「2」ではオーディション、ライブ、クインテットライブ、フェスという4つに分割され、それぞれに効果・役割の違うものになったので、スケジュールの組み立てに幅が出て来たことからも作業感が減ったかな、と感じます。ただ、キープはライブ、スーパーブレイクにクインテットライブ、リバイバルにオーディション、ブレイクにフェス、ということは分かっていても、発動が確約出来るものではない為、それを見越してスケジュール化は出来ないことからも、結局は実力でランキング上位を勝ち取るプランを考える必要があり、そこが高難度に感じるのも事実。
それでも前作に比べてとても遊びやすく、分かりやすくなったと思います(特にジャストアピールのタイミング)。前はシステムの根幹に対戦という要素があった為、簡単なシステムの中にも駆け引きの要素を組み込んで対戦ツールとしてはなかなか楽しめるものではあったものの、力の差を埋めることが出来ないバランス的な問題や、一人プレイ時には単調に感じてしまう部分もあり(プレイを重ねれば重ねる程余計にその単調さが際立つ)、「2」で対戦を廃したからこそのシステムとして完成したものは、これまでプレイを重ねて来たユーザーにも新規ユーザーにも理解しやすいものに仕上がったかな、と思います。衣装やアクセサリー、お守りの組み合わせと戦略の立て方で強い相手にも勝てるという部分も、対CPU戦ながら割と最後まで気が抜けない戦いを演出し、バーストアピールの存在や思い出アピールの効果、ボルテージゲージ増減の駆け引きなど、「試行錯誤しながらその局面を判断してどうするか決める」という部分は前作の持ち味でもあり、そういう意味では「アイドルマスター」の楽しさの1つは失われずに残っていると言えると思います。
[操作感やレスポンス]
操作は特別難しいことはなく、手元を見なくてもプレイが出来るというのは前作から引き継いでいる良さだと思います。前作で最も意味が分かり辛かったオーディションも「2」では前述した通り理解しやすいものになっていることから、基本的には文句無しです。しかし、11回もプレイをすると、些細な点が「こうなれば良かったのに」と思う様になり、その辺りはもう少し気を遣って欲しかったかな…と思いました。
1つ目はメッセージスキップ。基本的には問題ないのですが、お守り購入時は効果の説明を再度聞くか否かの選択が1つ余計であり、ここは著しくテンポが悪いです。まぁ、買い揃えてしまえば関係ないのですが。
2つ目は朝の挨拶に対する選択肢の違和感と、周囲の意味不明な反応。全員の組み合わせに対応するのは大変だと思うのですが、そこは妥協してはいけない部分ではないかと。
3つ目はどっとっぷTVでのランキング発表部分の、竜宮小町、天ヶ瀬冬馬、ジュピターについて。いちいち確認の為に止まるのはかなり余計な演出。しかも、冬馬やジュピターは複数に渡るので、せめて最新リリース分だけにしてくれればと(自分たちのユニットは最新リリースのみ止まるのに、相手は沢山止まるのが非常に邪魔くさい)。多少はキャンセル出来るものの、毎週毎週これが強制的にあるのはどうかなぁ…と。
それと、本編中に登場する「ジュピター」に関して、本当に本編中の、しかも「どっとっぷTV」内でしか自由に観ることが出来ない為、1度クリアしてしまうと再度登場するまでプレイしなければならない敷居の高さはどうにかして欲しいですね。
ディスクアクセスのスピードは殆どストレスに感じなかったのは良かったですね。フォトやムービーを残せる量も増えたのは嬉しい反面、ソフト側で枚数や本数を限定せずに、HDDの空き容量次第で決めて欲しかったです(これは11ユニットもプロデュースしたからの希望で、そこまでやらない場合は標準のままで十分かも?(笑))。
[S4U!]
色々な組み合わせを自由に組めるというのは良いものの、実はオマケの域を出ていない内容で、結構不満が残るモードです。個人的に最も改善して欲しいのは、カメラのダイレクトマッピング。撮影の際、アイドルの変更やズームが順送りしか出来ない為、バシッと決める様なPVは運任せにしか出来ません。ここは、各ボタンに自分で割り振ったアクションが出来ると十分遊べるものに変わると思うのですが…。
その他では、曲や衣装、ステージなどをランダムで選択してくれるモードは、BGV的に使える様に曲が終わったら自動的に変わって延々と流しておける様にしてくれれば、ただ「ぼー」っと観ているだけでも楽しめるのではないかなぁ…と。
L4U!の様にカメラエディットやパートエディットをやれたら、更に文句無し!ですが。
[ビデオや写真の保存]
セーブ数に関しては基本的には問題ないとは思うのですが、アルバムモードのみで発生するPV削除時に選択したものと違うものが消えるというバグだけは何とかして欲しかったですね。割と思い入れのあるPVが消えてしまい、かなりショックだったので…(苦笑)。それ以来、アルバムモードではなくゲーム中に消すようにしましたが。
■シナリオについて
今回プロデュース対象に出来るのは9名のアイドル。プロデュースから外れてしまった律子率いる竜宮小町(伊織、あずさ、亜美の3名)は、プロデュース可能アイドルのシナリオ中にそれなりに関わる場合もあるものの、深く胸の内を知ることが出来る訳でないのは残念。やよいのシナリオに深く関わる伊織、真美のシナリオに関わる亜美、ライバルとして同僚として所々に関わる律子はまだしも、雪歩の営業くらいしか出て来ないあずさは一番扱いが酷く、随分とアイドルによって差が生まれてしまっているのはもっと残念。
ライバルとして登場するジュピターも基本は決められたところにしか出て来ない上、ジュピターお披露目が41週目ということからも、メンバーの冬馬、北斗、翔太の個々をあまり描けておらず、冬馬は春香のシナリオ、北斗は真のシナリオ、翔太はやよいのシナリオでそれぞれ多少の掘り下げはなされるものの、所詮はサブキャラでしかありません。それでも、メインシナリオにおいて登場する21週目、32週目、41週目、54週目については、リーダーによって一部を除いた全ての台詞が変わり、メンバーについても組み込み位置を2番目にするか3番目にするかで台詞が変わるので、その辺りはキチンと作ってあると感じる部分ではあります。
条件を満たすと登場すると思われる黒井社長や、ユニットメンバーのサブシナリオの存在や、イベント・営業内容に応じたメールもアクセントとして機能していたと思います。恐らく全てを出し切れてはいないと思うので、その部分を探すプレイというのも(大変でしょうけれど)出来そうですね。
[メインシナリオ]
メインシナリオの流れとして「竜宮小町に敗北」「竜宮小町に勝利。冬馬登場」「竜宮小町が冬馬に敗北」「冬馬と引き分け」「ジュピター登場」「ジュピターに勝利」「ハリウッドへ旅立ち」となっており、誰をリーダーにしても誰をメンバーに入れてもここは全部同じです。それぞれの顔ぶれにより台詞周りが変わり、それによってジュピターの面々や黒井社長の印象も深まって行くので、その点はシナリオが同じとは言え新鮮さもありました。欲を言えば、もう少しメインシナリオにバリエーションがあって分岐するところがあっても良かったかな?と思いますが、膨大な量になってしまうのも理解出来るので評価の難しいところ。まぁ、折角新しく作るのであれば…と思わなくもありませんが。
リーダーにしたキャラクターによって、このメインシナリオの枝葉としてそれぞれの物語が展開するのですが、これはキャラクターによって随分と物語の完成度にバラつきがあると感じ、もう少しクオリティが均一でも良かったかな、と思いました。「テキストが稚拙」などと言われる部分もあったみたいですが、私にとってそれは特別「2」に限らず感じていた部分であり、自分自身であるプロデューサーの反応も情けなかったり、格好良かったり、熱かったり、馬鹿だったり、そんな不安定加減もプレイを重ねて行くうちに違和感なくなって行くのと同様、全員の物語から受け止められた印象は特別変わらないレベルでした。後は、もうただ「好みの問題」でしかないかな、と思います。ただ、物語性を強調していた割には「2」は物足りなさを感じるボリュームであり、竜宮小町の存在感、ジュピターの存在感それぞれが実に中途半端であったと感じるのはプレイした方の共通認識ではないかと思います。
先ず、竜宮小町の扱い。同じ765プロのライバルとして登場するのは全く問題無いのですが、自分のユニットが10週目に負けて21週目で勝ってしまったら最後、25週目で心が折れたと言い、そうかと思えば29週目で何も無かったかの様に復活。ランキング上ではどんどん惨めに後退し、折角の「SMOKY THRILL」も含めて正に「台無し」の扱いでした。シナリオの展開としては、最後のライバルが竜宮小町となる流れがあっても良かったと思いますし、単にクインテットライブに呼べば来るくらいの存在では、ライバル感が全くありません。どうせなら、こちらに敗北した竜宮小町が、クインテットライブに参加するなどして力を付けて立ちはだかるくらいの盛り上げは欲しかったですね。そして、IA大賞グランドファイナルでは竜宮小町の中から2名を加えた5人の団結力でジュピターに挑む…。こういうシナリオを望んでいました(笑)。
次にジュピターの扱い。「憎んで欲しい」と設定した割には、憎めない奴らであることを感じさせる様なフォローする扱いが多く、初登場シーンやデビュー曲「Alice or Guilty」にこそイラッとしますが、「恋をはじめよう」はダンスも含めて驚くほどの完成度。もしかすると、竜宮小町よりも扱いは良かったのでは?と思うくらいでした。それでも黒井社長が高らかに謳っていた”王者”という程の強さは感じませんでしたし(勿論、初プロデュース時の対ジュピター戦は緊張も苦労もしました。しかし、実は姫王子フェスやVESPERIAに出て来るユニットの方が強い事実から、ジュピターの強さが薄れてしまいました)、IA大賞を競う他ユニット達が全くクローズアップされない為に、グランドファイナルの時に自分のユニットが獲得出来なかったエリアを「誰?」というユニットが受賞しているのも気持ち悪く、そういう意味ではもう少し色々なライバルの顔が観たかったかな…と思います(前作の様にオーディションに出て来るだけのユニットでなく、なまじ顔の見えるユニットだったから余計にそう感じた)。
ハリウッドに1年間研修に行くことにより、ユニットとの別れが訪れる訳ですが、前作の様に「1年間限定の活動で必ず引退しなければならない」というものでない為、1年間の別れが今生の別れ的に描かれてしまう部分は若干違和感を覚えるものの、IA大賞を獲得して「これから!」という時に別れを迎えることになる寂しさは勿論あるので、そこはちゃんと感情移入出来ました。プロデュースしたメンバーに「ありがとうございました」と言われるのはとても嬉しく、共に歩んだ1年間に思いを馳せては目頭を熱くします。その度合は各アイドルによって随分と変わり、自分の中でプロデュース可能な9名をランキングしてみました。それぞれの感想も含めて、以下に記しておきます。
[1. 如月千早] ※3ユニット目
前作では一種異様とも感じる相容れない雰囲気を醸し出していたのが、「SP」を経て私自身の千早への理解が深まったことと、「2」は多少柔らかめになったと感じたことが私の中の千早像を大きく変えてくれました。3ユニット目で初の完全制覇だったというのも気持ちを揺さぶるのに大きく貢献したと思います。ちょっと不思議要素のある物語なので、その点は人を選ぶとは思いますが、千早の家庭環境、弟の存在、抱えた爆弾、心の支え、歌への情熱、そして約束…。IA大賞グランドファイナルまでの流れは無駄がなく、私の感情を文句なしに盛り上げてくれました。その証がIA大賞グランドファイナルで、完全制覇を成し遂げメンバー全員で受賞の感想を一言述べた後に披露するステージを観て涙が零れたこと。全ユニットでこの時だけです。それくらい気持ちを入れていたのは自分でも驚きです。そんな物語を完璧に締めてくれたのが最後のメール。ラヴェル作曲の「ハイドンの名によるメヌエット」がヒントになっている件名と、結びに添えられた初めて使ってくれた絵文字。これまで積み重ねて来た全てが走馬灯の様に脳裏に流れて来たが最後、目頭が熱くなりっぱなしでした。自分の中の765プロご贔屓アイドルのランキングが大きく動いた瞬間でもありました。恐らく「MASTER ARTIST 2」の「眠り姫」の印象も強く反映された結果ではあると思いますが、私が最も心が動いたのは間違いなく千早が紡ぐ物語でした。
[2. 高槻やよい] ※9ユニット目
前作やSPを積み重ね、私の中に確固たるポジションを築いたやよい。何となく幼児化の方向へ振られる危惧があったのですが、終わってみれば杞憂に過ぎなかった素敵な物語でした。弟妹やご両親との家族の絆、思い遣りの深さ、やよいの笑顔の原動力になっているもの、その全てを裏打ちする強さと優しさを確かに感じることが出来ました。そんなやよいが如何に笑顔でいても不意に襲う寂しさを隠せずにいる姿に胸を痛め、IA大賞を目指し苦楽を共にするやよいとは家族同然でありたいと伝えた時の気持ちは、完全にゲーム中のプロデューサーと同化していたと思います。時折、やよいから兄として慕い呼ばれるのがくすぐったく感じるのも、ある意味不思議な感覚ではありました。それと、やよいの精神的負担を感じ取って色々フォローしてくれた伊織の描写もなかなか良く、プロデュース出来ないながらも魅力的でした。IA大賞グランドファイナルまでの流れを受け、大賞を勝ち取った後、高槻家での事務所のみんなも招いたパーティーでは、やよいの大好きで大切な人たちに囲まれ、やよいのとびきりの笑顔を見られたのが本当に嬉しく、本当に絆を強く感じる物語でした。ここには確実に「スマイル体操」の息吹も感じ、アニメ版#07にも反映された部分があると感じました。ハリウッドから帰国してからの状況は全く予想出来ず、衝撃度はかなりのものでしたが、ある意味納得する部分もあり、自然と笑みが零れてしまう様な実にやよいらしい物語となりました。最後のメールもくすぐったさ継続(笑)。
[3. 萩原雪歩] ※6ユニット目
これまでとキャストが変わり、新生雪歩となった今回。そのためか、他アイドルよりも見せ場が多いと感じるエピソードに仕上がっていたと思います。それを象徴するのが専用エピローグ曲「First Step」と映像。完全制覇して完成するそれらは、到達出来なかった際の悔しさを何倍にも膨らませ、健全に「次こそは!」と思わせるだけの力を持っていたと感じます(「2」の物語でこう思える唯一のシナリオかも)。そして、感情を爆発させ、自分を変えて行くための第一歩として折角取り組んでいた作詞をも捨ててしまってから、復活までの過程。前作で積み重ねて来た雪歩の軸は変わらずとも、新たな雪歩として認識出来る様に構成され、それが魅力として感じることが出来たのも、強く印象を残す要因になったと思います。プロデューサーが必死に頑張ろうとする雪歩をなだめる様に「雪の上を歩く様にゆっくりでも一歩ずつ」と伝えた言葉は印象深く、シナリオ運びに生きていたものの、あまりにも雪歩の印象が強すぎて、同じユニットのメンバーが霞んでしまう感覚も強かったのは少々残念。それでも、描きたいポイントが絞られていたと感じられる、良い物語だったのは間違いないと思います。
[4. 天海春香] ※4ユニット目
前作でアイマスのプロデューサーデビューを飾った時、標準的なキャラクターということで選んだ春香。春香に限らず思い入れも何も無い中、プレイした結果は散々たる結果であったものの、二人三脚感を味わえ、今の今まで私をアイドルマスターという作品に繋ぎ止めてくれているのは間違いなく春香のお陰。色々な不安があっても前向きに笑顔でいる姿は、とても印象深く残っています。そんな春香の姿は「2」でも健在。健気に頑張る姿や頑張り過ぎて全てを背負いこみ空回りする様は、より強く描かれた様に感じ、ハリウッド行きを伝えた後の春香の決意と空回り加減、そして吐露される本心、交わされる約束…。グランドファイナル直前より前にある対ジュピター戦、IA大賞受賞後や見送りのシーンには春香の魅力がとても詰まっていました。帰国後に事務所前で出会った春香が真っ直ぐに嬉しさをぶつけてくれたことが嬉しく、「帰って来た!」と感じられたのもポイントの1つ。ただ、その嬉しさが直接感動に繋がらなかったのが惜しいと感じてしまった点でもあり、見送りの際に春香が呟いた一言に感じた気持ちを帰国して超えられなかったのは本当に惜しい。
[5. 四条貴音] ※1ユニット目、10ユニット目
響と共に初プロデュースとなる貴音は、ある意味終始一貫したミステリアスさと厳格さを持った、他の所属アイドルには無い魅力を大いに感じさせてくれました。なかなか刺激の強い展開に戸惑うプロデューサーも多かったようですが、私は寧ろ楽しませてもらったというよりも、貴音の魅力にクラクラしたくらいです(笑)。また、エンペラーレコードの大富社長も憎めない人で、特にハリウッドから帰って来た後の状況には大いに笑わせてもらいました。そして、広がり続ける貴音ワールドは、宇宙にも進出しようという勢いがあり、何だか着いて行きたくなる私自身に笑うしかありません(爆)。営業やサブシナリオに至るまで、結構好きなエピソードが散りばめられ、満足感は高かったです。月夜を一緒に見上げたこと、自ら生きる目的を持ったことが無かった貴音が初めて目的を持つに至る流れ、掴み取った栄光と強い想い。割と地味ながらも、私には心地よい静かな感動を味わえた物語だったと思います。
[6. 双海真美] ※5ユニット目
竜宮小町に選ばれた亜美に対して何を感じ、何を思うか。それが私の期待する物語でした。確かにそういう内容もありましたが、想像以上に「えっ?」という理由で別々に活動を始めており、そこに私が期待していた様なドラマはありませんでした(笑)。ゲームでは竜宮小町の亜美は、前作の様に二人で一人のアイドルだったのが別々に活動を始めたという経緯があるので、期待していた理由が「モテ対決」というものだったのは拍子抜け。まぁ、らしいと言えばらしいので諦めも付きますが(笑)。物語は終始振り回されっぱなしのドタバタ劇で、引退会見からハリウッドへのとんぼ返りなど、ある意味想像以上の展開で楽しませてくれました。まだまだ子供の無邪気さは、慣れるとキチンと魅力に繋がっているのだと感じられたのは良かったです。感性と勢いと行動力が、進むべき方向に向けられた時に発揮されるパワーを感じられる物語は、真美と亜美が二人で居る時が一番活き活きしていることにも気付ける物語でした。
[7. 星井美希] ※8ユニット目
美希の持っている可愛らしさはキチンと出ていたものの、前作にあった覚醒への流れを知っている者としては随分と軽い物語にしてしまったなぁ…という印象でした。プロデューサーである私に好意を向けてくれるのは構わないのですが、765プロの全員公認の仲になるというのは、ちょっとコマを進めすぎた様に感じてしまいました。美希だけが帰国を待たずに、しかも先回りしているという完全制覇エンドは実に美希らしくて好きなだけに、IA大賞受賞までの積み重ねの演出は弱い…というか急ぎ足だったかな、と惜しいと感じる物語でした。それでも、奔放ながらも決めた事を貫く様や、頂点に立った先で目標を見失い、悩みに悩んで辿り着いた結論など、とても美希らしく愛らしさを感じるものではありました。最後のメールも背中がくすぐったくなる様なものではありましたが、それが美希の魅力に繋がっていることを実感します。それでも前作の”覚醒”の物語の方が印象深く、良かったと感じてしまうのは残念。
[8. 我那覇響] ※2ユニット目、11ユニット目
一人で何でもこなそうとする姿の裏側に隠された響の本心。大見得切って親に心配かけてまで飛び出した家に連絡出来ない寂しさと、信頼していた人が自分を見捨てて目の前から居なくなってしまうかもしれないという恐さから逃げていた響が、自分と向き合うまでの過程と手にした真実は胸に響くものがありました。なのに用意されていた帰国後の状況は、あまりにも私が納得出来ない、これまで積み重ねた全てを壊し、出発の見送りで向けられた言葉に秘められた響の想いまでも無にするものでした。落胆が激しかった分、印象はすこぶる悪く、やり直して到達した完全制覇が何だったのか?と感じてしまったのは問題。響が初めてプロデュース可能になった今作で、色々と理解が深まったことは良かったと素直に思えただけに、最後の最後があまりにも勿体ないと思うのは私だけでしょうか。
[9. 菊地真] ※7ユニット目
今回、真美と並んでビジュアルの変化にインパクトのあった真。ボーイッシュなところを何とかしようと、容姿だけでなく言動も変化させようと特訓をした先に待っていた答えは、普段のままの真が一番可愛いということ。ある意味、プロデューサーである私たちは改めて言われずとも最初から分かっていたこと。しかしながら、それを描く過程で私は可愛いと感じることが無かったのは問題。一生懸命さが空回りしている様を描いてはいるものの、もっと上手く演出出来たはず。「可愛さ」と「弱さ」はイコールではない。自分を曲げてまで手に入れるものなのか。それを語るのに、北斗は必要なのか。ハリウッド行きの前後で心が揺さぶられなかった唯一のシナリオでした。
■総合的に感じる「アイドルマスター2」は
5周年ライブで初披露となった「アイドルマスター2」。その後に東京ゲームショウ2011のステージで公開された仕様に騒然とし、色々な期待と不安を抱えたまま発売日を迎えた本作は、初披露の時に膨らんだ期待を超える作品になったとは言えないものだったと思います。しかし、それは特別「つまらない」とか「面白くない」というものではなく、「2」というナンバリングタイトルとして位置づける作品としては「もっと変化させても良かったのではないか」という感覚が残ったからこそ出た感想であり、私個人として十分遊べた1本でした。211時間ものプレイ時間がその証であり、前作は実績全解除出来ていないことからも明白です。ただ、良く考えてみれば前作は基本がアーケードゲームであり、家庭用として基本システムを作ったのは今回の「2」が初めてなので、それを考えると「アイドルマスター2」は家庭用オリジナル作品として初代の「アイドルマスター」なのですよね。そう考えれば、楽しさに差異があって当たり前だし、それぞれで楽しみ方があるというのも素直に納得出来ます。
「アイドルマスター」という作品に何を求めているかは人によって色々あると思いますが、私の中で今作は紛れもなく「アイドルマスター」でした。褒められない点もありますが、私の中で「許せない」というレベルではありません(竜宮小町関連メンバーがプロデュース出来ない、ジュピターが登場する、オンライン対戦が無いということ全て)。方向性を模索する、思い切ってやってみた事で見えたことも沢山あると思うので、それは次への試金石になると思います。逆に良くなった点も多くあると思うので、その点をしっかり認識して伸ばして行って欲しいと思います。特に楽曲とグラフィック(キャラクターの表情やモーションばかり取り上げられますが、ステージそのものも音響、照明を含めて同じくらい進化している)は本当に素晴らしい仕事をしたと思っています。
6年も経って今尚進み続けているコンテンツ。7月からはアニメも始まり、まだ広がりを見せる「アイドルマスター」ですが、いつか「アイドルマスター3」と出会える日が来ることを祈りつつ(やはりゲームで始まったコンテンツですから、先頭を走るのはゲームであって欲しい!)、今後も私に出来る形で叱咤激励をして行ければと思います。
…今回の投稿、書きたいことはキチンと書けているだろうか…?(笑)
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