アニメ「THE IDOLM@STER」#13 「そして、彼女たちはきらめくステージへ」
アニメ版「アイドルマスター」の前半のクライマックス。竜宮小町がメジャーになり、知名度を上げつつある765プロダクションが単独で開催する1stライブ。その名も「765プロ ALL STAR LIVE 1st てっぺん目指すよ!」。舞台は「東京エキサイトシティホール」ということで、正に6周年記念ライブの東京会場である「東京ドームシティホール(旧JCBホール)」そのもの。そういう意味でも、6周年記念ライブの東京会場に参加したプロデューサーさんはかなり現実感を味わえるエピソードになるのは間違いなさそうです。アイドルたちそれぞれの想いを抱いて臨む1stライブ。泣いても笑っても本番当日。我々は見守るしかありません(笑)。
今回、黒バックにゴシック体で「THE IDOLM@STER」と出るだけで済ませたオープニング。その1分30秒をも本編に回したということからも期待が高まります。スポンサーコールは美希。前回、本当の意味で”覚醒”した美希ですから、今回はその実力を遺憾なく発揮して欲しい!
竜宮小町組は地方での仕事をこなしてからの合流ということで、他メンバーは先に現地入り。控え室やステージ、客席などからそれぞれのアイドルの緊張、不安、期待とそれぞれを描写。その中でもステージから客席を見つめる春香と千早の会話が印象的で、春香が小さい頃に連れられて観たライブで、そのステージに立っていたアイドルが「みんなの顔、ちゃんと見えてるからね」といった言葉が本当なんだと実感するシーンは、これまでのエピソードで重ねて来た春香の想いと、私が実際のライブで感じた色々な感情が重なって目頭に来てしまいました。
リハーサル用に着々と準備を進める中、台風の接近に伴い新幹線が運行中止になり、レンタカーを借りて東京に向かっていた竜宮小町組から「レンタカーのタイヤがパンクし、タクシーに乗り換えて向かうがリハーサルには間に合わない」との連絡が。台風なんかに負けない!と絵文字10個で真美に伝えて来た亜美の想いも空しく、予定通りに事が運ばない状況に不安を募らせる面々。それでも本番に間に合えば問題ないということで、準備に精を出すメンバー達。
しかし、開演時間が刻一刻と近づくも、道路が渋滞していて全く身動きが取れない竜宮小町組は、とうとう「本番開始には間に合わない」という状況になってしまう。元々このライブは竜宮小町が主役のステージであり、その他のメンバーは言わば”ついで”。その証拠に、開場した後のプレゼントボックスは伊織、亜美、あずさは個別に設置されていて満杯なのに、他メンバーは全員で小さな1箱なのに埋まってもいないという、運動会で注目を浴びたとは言え厳しい現実…。
そんな中、竜宮小町不在でステージを繋がなければならなくなった残るメンバーは、セットリストの変更に伴う緊急対応で大わらわ。それはスタッフたちも同様で、竜宮小町組が到着出来るであろう時間も加味して、開演時間を30分遅らせる決断。不安が募る中、やるしかないメンバー達は開演時間を迎える。
小鳥さんの開演アナウンスにて「765プロダクション ALL STAR LIVE 1st てっぺん目指すよ!」が開幕!!
開幕曲は「THE IDOLM@STER」。そして「乙女よ大志を抱け!!」「キラメキラリ」と、正に実際のライブの様な勢いのある曲で攻勢をかけます。そして「My Best Friend」「私はアイドル▽」と続け、懸命に竜宮小町が来るまでの間、踏ん張る面々。
ただ、急場を凌ぐための構成で調整不足のステージは、それぞれに抱える不安もあって会場を盛り上げるに至らず、袖に下がっての控え室の中でもペットボトルをこぼして衣装を汚してしまったり、衣装のファスナーを壊してしまったり、挙句の果てには口論にまで発展し…、もうステージを取り敢えず繋ぐだけで精一杯。見守ることしか出来ない自分は、とても歯がゆかったですね。
そんな様子を見ていた春香が切り出します。「どう見せようとかでなく、何を届けたいかを考えよう」と。折角ここまで来たのだから、竜宮小町に負けないくらいに輝こうと。そんな春香の想いは皆に伝わり、ちょっと崩壊しかかっていた皆の心が落ち着きを取り戻して一つにまとまります。しかし、急場のセットリストに問題発覚。美希しか練習していない、替えの利かない激しい曲が2曲連続になってしまっている状況に、美希は決断します。自分が輝く為に。煌めくステージで羽ばたく為に。ここでの赤羽根プロデューサーと美希とのやり取りは、先週のエピソードが積まれたからこそ活きる演出。BGMがまた「ED_Morning」ということで、気持ちの高揚は止めようがありませんでした。
気持ちを切り替えた皆が贈るライブ中盤。「スタ→トスタ→」「思い出をありがとう」「Next Life」「フラワーガール」と続き、いよいよ美希の出番。しかし、善澤記者はアイドル達の気合に気付くも、会場はあくまで”前座”としてしか捉えておらず、竜宮小町以外の765プロメンバーのステージに退屈気味。そこで、ステージに出た美希がMCを挿みます。「竜宮小町は台風の為に到着が遅れている。でも、竜宮小町に負けないくらいに輝いてみせるから」と。自分の持てる力を全て注ぎ込んで披露する「Day of the future」は、「見せられていただけ」という場内の空気を一変させ、参加した皆の心を掴み始めます。そして、続くは「マリオネットの心(作詞:mft/作曲:橋本由香利)」! まさかここで新曲、しかもテロップ表示ではなく、ステージ上のバックスクリーンに表示されるという演出!! もう、気持ちは見守る立場から参加者の立場に変わり始めていました。「日々適当に生きて行ければ」と言っていた美希が見付けた輝きとドキドキ。そんな美希を表す様な「マリオネットの心」という曲とその演出は涙が出そうでした(…というより出た(笑))。
そんな全力全開で観客を圧倒し心を掴んだ美希の姿をステージ袖で見守る千早の表情も印象的で、千早の歌に懸ける情熱に火を付けました。そして披露するは「目が逢う瞬間」! 残念ながらステージシーンを観ることは出来ませんでしたが、その次に来る曲の観客のテンションを見る限り、しっかりと心を掴んでいたのは間違いないでしょう。戻って来た美希が輝いていたと伝える赤羽根プロデューサーの言葉に対して見せた美希の満面の笑みも忘れられません。それと、美希の為に酸素吸入缶を運ぶ春香の心遣いもグッと来ました。
そして、ここまで竜宮小町不在のステージを守り切った765プロのメンバー全員が渾身の力を込めて披露するは「自分REST@RT(作詞:佐々木宏人/作曲:田中秀和)」!!!! これが全員で練習を積んでいた新曲! もう、ここまでの流れを受け止めるに相応しい楽曲で、2ndオープニングテーマ「CHANGE!!!!」の存在を知っているだけに、その楽曲たちが持っているメッセージ性を繋げて考えると胸が熱くなり、本当に素晴らしいステージ演出も手伝って(観客がウルトラオレンジを振っていたのも、統率のとれた(とれすぎた?)コールも気持ちを盛り上げました(笑))、本当に最高のステージを見届けることが出来と思います。その「自分REST@RT」を披露中に無事到着した竜宮小町組がステージを観て微笑んだこと、竜宮小町が無事到着したのを見て安堵し泣き始めた面々の表情もその時の気持ちを伝える演出としてとても良かったです。そこで空に晴れ間が差し始めていた演出も地味ながら的確に機能しており、沢山の意味が込められていると感じました。
無事竜宮小町にバトンタッチし、「SMOKY THRILL」に繋いだメンバーは控え室に戻って爆睡。無事にステージを終え戻って来た竜宮小町がその光景を見た時の微笑んだ伊織の表情も印象深く、本編終了して初めて出る13話のサブタイトル。特別珍しい演出ではありませんが、今回のエピソードにはバッチリ合っていたと思います。
エンディングは「i」。バックに流れるは1話から12話までの回想シーン。「i」という歌の詞にもしっかり合っていて1クールの大団円に相応しい括り方でした。アニメ版「アイドルマスター」の前半戦として、よくぞここまで戦ってくれた!と思える、放映前に持っていた自分の気持ちに反した結果にとても驚いていると共に(まさか毎週感想を書かせるだけの力を持っているとは…!)、ここまで熱意を持って心血注いで創り上げてくれたスタッフの方々に感謝の気持ちで一杯です。放映前、錦織監督が「春香をちゃんと春香として描ければ成功と言えるのでは」といったことを述べておられましたが、その点に関してはもうゲーム以上! 色々な人の胸の内にある「天海春香」を全て包括する想像以上の春香像が描けていると思うのは私だけでしょうか。ドカンと大きなエピソードがあった訳ではありませんが、本当に愛しく描かれていて大満足です。
ちなみに今回のエピソード、制作スタッフが今年の新春ライブや6周年ライブを取材していた成果もバッチリ活きていたと思います。とても現実感を感じるのは、ある意味当たり前なのですね(笑)。
「NO Make!」(PW:STAGE)は「Are You Ready!?(1)(春香/真美/真/雪歩)」「Are You Ready!?(2)(貴音/千早/美希/やよい/響)」「Are You Ready!?(3)(美希/春香)」で、(1)と(2)はライブ会場となる東京エキサイトシティホールに到着した時のそれぞれの感想やテンションを確認出来るもので、春香の円陣はちゃんと本編で決めた前振りがあったり、千早の想いが意味深だったりするところが聴きどころでしょうか。(3)は美希と春香の想いのどちらにも触れられるので、これまた必聴です。
次回から2クール目・後半に突入。「変わりはじめた世界!」ということで、今回のライブが成功して注目を浴び始めた中で何が動くのか。毎週楽しみに感じさせてくれる番組というのは、実は凄いことだと思っています。今回の13話は、私にとって「アイドル伝説えり子」の#20「潮風の交響曲」に近しい盛り上がりを見せたエピソード。前回が同じく#18「25メートルの幻想曲」を思い浮かべたりと、同じアイドルものとは言え根幹にあるものが近いと感じられる様になって来たと感じるのは、本当に私にとって最高の褒め言葉だったりします。これを機に『アイドル伝説えり子』に興味を持ってくれる人が増えたら嬉しいなぁ…。
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コメント
まさかのアクシデントで竜宮は間に合うか!?
と、間に合うのは分かっているのですが、その間を持たせるためのアイドルたちの健闘振りをドキドキしながら視聴していました。
急な予定で慌しく動くアイドル達にハラハラしたり、
冷めたムードの観客に苛立ったり(気持ちは大いに分かりますが・・・)、
まさかの新曲、しかもダンス付きの完成度に時間を忘れたり・・・。REST@RTのマスターバージョンを早く聴きたいです。
EDも1クールの締めということで曲にも合わせて綺麗に合わせていましたね。
目が合う瞬間が飛ばされたのは泣きましたが・・・。
きっと、千早の回では眠り姫か新曲がくると期待します。
投稿: トウカ | 2011年9月30日 (金) 17時48分
>トウカさん
各方面でも(?)今回の13話は凄かったと評判みたいですね。
物語の組み立て方は王道と言って良いと思うのですが、各場面の演出が気持ち良く惹き付けてくれたことが、成功した要因の1つかな?と思っています。
自分も感想的なことを書きつつ、実際のライブの感想を書いている様な感覚になり、「マリオネットの心」や「自分REST@RT」については感想を書きながら胸が熱くなったりしていました(笑)。
ライブ中の楽曲はガンガン流れて行ってしまったので、それぞれのシーンが堪能出来なかったのは残念でしたね。特に前振りがあった分、千早の「目が逢う瞬間」は余計にそう感じてしまいました。
今回のNO Make!を聴く限り、千早が真に輝くエピソードは必ず来ると思えたので、その時は「眠り姫」が効果的に使われることに期待したいところです。
ゲームの方も含めて、最近CD化の方が遅れ気味だと思うので(汗)、この辺りはもう少しリリーススピードを上げて欲しい気はします。まぁ、クオリティが高いということを考えれば、今のペースは仕方が無いと納得できる部分はあるのですが…。
投稿: こうたろ | 2011年10月 1日 (土) 13時14分