アニメ「THE IDOLM@STER」#19 「雲間に隠れる月の如く」
朝の優しい日差しを受けて豪華なベッドからお目覚め…という撮影シーンから始まる今回のエピソード。メインを張るのは、我らが銀色の王女・四条貴音。パーソナルデータの多くが謎に包まれた貴音にどう切り込んで、どう魅力を伝えてくれるのか。期待と不安の入り混じる今回、どんなエピソードとなるのか、放映を楽しみにしていました。
世間の注目度も高くなって来た765プロにおいて一際異彩を放つ貴音に目を付けた961プロ。黒井社長は渋澤記者という悪質なパパラッチを雇い、捏造記事をでっちあげるに相応しいスクープ写真を撮って来る様に依頼。貴音の運命は如何に?!
「異国の王女」や「宇宙人」といった説も当たり前に囁かれる(笑)貴音。赤羽根プロデューサーも仲間である765プロのアイドル達も実は貴音のことを良く知らない…という状況なので、そこは私たちも同じであることから妙な親近感があります(笑)。
貴音を付け狙う悪質記者ですが、その気配を直ぐに察知する貴音の能力は流石。面妖な空気を発しているとプロデューサーですら危うくなるのを経験済みなので(笑)、そんな容易く貴音がスクープなんぞ撮られるもんか!と思って観ていると、急な仕事が入って貴音を一人にしてしまった赤羽根プロデューサー。残された貴音は歩いて帰る…という危険信号(笑)。そして、品の良い老紳士とぶつかり、落とした財布を手渡すシーンが。そのまままさかのレストラン直行に、観ながら「おい!」と思ったら案の定、悪質記者にスクープネタにされてしまう始末…(汗)。ちなみに、その相手はエルダーレコードという大手レコード会社のオーナーということで、「アイドルマスター2」でのエンペラーレコードとのエピソードも連想させるというのはなかなか憎い(?)演出です。
謎に包まれた貴音だからこそ、こういったスクープにマスコミが飛びついて「レコード会社移籍?」と大々的なネタとして取り上げられてしまいます。仕事を減らして表に出ない様にした方が良いのではないか?という提案にも、「やましい事はしていないので普段通りに仕事をする」と言う貴音。「うん、貴音はそうでなくっちゃ!」と何故か私は貴音のプロデューサー的に観ていました(笑)。
貴音の移籍騒動に765プロの皆も騒然としていて、貴音を信じてはいるものの募る不安と、961プロの刺客からのガードの意味合いも兼ねて(?)、常に貴音にべったりする765プロアイドル一同。こういうシーンでも、765プロの皆の横の繋がりを感じられるのは嬉しいものですね。そんなシーンを彩ってくれたのは「フラワーガール」。13話のライブ中に流れたこともあって、ここでこの曲は意外。まぁ、このシーンで「風花」を流すのは違うので(もっとシリアスな話であれば問題無かったと思いますが)、私の予想した「挿入歌:風花、エンディング:新曲」案は見事にハズレました…。
765プロのアイドル達が貴音を監視している様な行動に気付かれ始めた頃、偶然に通りかかった縁日。ここでの貴音と千早の会話を切っ掛けとする以降の流れや演出は本当に計算されていたと思います。また、貴音に狐の面を付けさせていること、千早が抱えている秘密についての話をするシーンで、千早の回想に結び、水風船に関連する演出を挿んで墓参りまで繋ぐのは限られた時間の中で文句無しの情報伝達でした。秘密の多い貴音だからこそ、ここで千早と会話をさせた事は意義も大きく、貴音が千早の心の重荷を下ろせる様に(=誰かに話せる日が来る様に)祈っているのも凄く印象深いシーンになっていたと感じました。でも、あれだけメディアに露出しているアイドル達が居るのに、ここでは誰も振り向かないのはちょっと不思議かな(汗)。
大したスクープ写真も撮れず、黒井社長に報告に戻る悪質記者。そこで黒井社長の目に留まる千早とその母親との口論現場の写真。これがまさかの本エピソードの幕引きに繋げられるとは…! それはそれとして、社長室から出て来る記者を目にしたジュピターの面々(主に冬馬)が「小細工なんか要らない、実力で叩き潰す」と社長に抗議するも、「駒のくせに」と言い放つ黒井社長。短いながらも、こうしたジュピターと黒井社長のやり取りの積み重ねはとても大切であり、今後の展開を左右するはずなので、こちらの動向にも期待したいところです。
1日署長となった貴音はパレードを終えての関係者との挨拶へ。そこに現れたエルダーレコードのオーナーの姿に、「今だ!」と言わんばかりに飛び出して強引にフレームに収めようとする悪質記者。それを止めようとする赤羽根プロデューサーは視界が回転、見事に一本決められてしまいます。だがしかし!貴音はそんな”柔道黒帯悪質パパラッチ”渋澤記者(笑)を軽くあしらう様に逆に一本を決めてしまいます。おもちゃのピストルがそんなシーンに華を添えてくれ、テンポの良い演出で楽しませてくれました。
これは赤羽根プロデューサーと貴音で事前に打ち合わせていたらしく、重要なのは「報告・連絡・相談」という、まさかアニメを観ていて聴く台詞だとは思っていなかったので、笑ってしまいました。この辺りに流れていたBGMが「Colorful Days」のオルゴールアレンジなのが良い感じです。これまた新曲ですね。じいやからの手紙、一族の喜びの声などが嬉しいと語る貴音と、見上げる月。やはり貴音は静かに空を見上げるシーンが似合います。
そして…。千早の楽屋に届けられていた週刊誌と黒い薔薇。黒井社長が起こしたアクションは、千早の秘密を明るみに出してしまうという卑劣な行為だった…! ここで週刊誌の表紙に出ていた言葉は、これまでのエピソードで少しずつ発信されていたもの。とうとう、千早のメインストーリーが出る日が来るのか…と観ていたら、千早が「蒼い鳥」を唄うシーンが流れて来て…声が出ない!?という演出で引き。もう、美希の「うそつき(><)」を超える状況が来てしまいました。あぁ、本当に来週なんだ…。そう思うと今からドキドキして来ました(笑)。にしても、千早の声が出なくなる切っ掛けをどの様に作るのかな?と思っていたので、この辺りのシナリオ運びもお見事。本当に大事に作っていることを感じます。
エンディングを飾るのは「風花」。千早の引きになってしまったので貴音のエピソードである印象が薄れてしまうかな…と思っていただけに、この月から舞い降りた天女をイメージするエンディングビジュアルの綺麗さは、逆に印象深いものがありました。千早の引きも受け止められた様に感じる「風花」という歌のイメージも、その魅力をプラスに働かせてくれた様に思いました。
スポンサーコールは律子、「NO Make!」の案内文は美希。もう本編内容には関係ない当番制になっているみたいですね。
今回の「NO Make!」(PW:HIMITSU)は、「ダブルリボンと唐揚げ(貴音/春香/真美)」「1日署長、その後(貴音/律子)」「響の秘密?(貴音/響/やよい)」の3本。本編に続き、出ずっぱりの貴音。ここでも全くブレない貴音を取り巻く周囲が楽しく描かれたショートエピソードになっていて、貴音を尾行する春香と真美、本当の警察署長以上の統率力を見せつける貴音に謎が深まる律子、秘密が多い貴音に対し、自分は秘密は無い!と高らかに謳う響が、日々成長具合を測るやよいに体重計に乗ることを促され…といった、どれも貴音の魅力を促進してくれること請け合いです(笑)。
次回はとうとう千早のメインエピソードになる「約束」(もうこのタイトルだけで泣けて来ている自分)。今回は、オルゴールアレンジの「蒼い鳥」をBGMに千早が語るだけの次回予告という、これまでで唯一のシリアス予告。これまでに積み重ねた千早に対する数々の伏線、演出が全て昇華するエピソードになるはず。これが失敗してしまっては台無しですから、きっと気合を入れて作ってくれたフィルムになっていると信じています。こちらも、ハンカチを用意して放映に臨む所存です!
それにしても、私が今までに観た2クール作品で20話というポジションには名エピソードが多い様な気がしており(「羽ひらくとき(アキハバラ電脳組)」「ともだち(魔法少女プリティサミー)」「ともだち(バトルアスリーテス大運動会)」など…って、偏ってますね(笑))、そういうことからも来週の20話は名作確定を予感させてくれています。
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コメント
最初の寝起きのシーンで、月ではなく普通にお嬢様だったのか!?と驚きました。
パジャマの貴音は良いものですね。
照れる仕草?で、もうお腹いっぱいですねこれは。
961プロはアニメでは陰湿さが凄いことになってますね。というか、これが本来の悪役なのかもしれませんが。 その影響か、純粋な羅刹君は不満が溜まってきているようです・・・。
そういえば、短かったですが、ちゃんとステージシーンを入れてもらってましたね。貴音もちょっとありましたが、ステージは短いものの、動きが魅力的でしたね。
カメラマンについて、腑に落ちない点もありましたが、貴音を「不思議ちゃん」なレベルに落ち着かせ、人物背景が安定したように思えました。
しかし、響・貴音は途中参戦なので曲が少ないため、響にはあったので、貴音にもオリジナル曲が来てほしかったですね。
千早については・・・何も言うまい・・・。
貴音の締め方を見たら、ツバメの件の慣例は全部無くしそうですが・・・。
投稿: トウカ | 2011年11月12日 (土) 02時59分
>トウカさん
貴音好きの私としても(笑)かなり満足のエピソードでした。特にエンディングは、ともすれば千早の演出に持って行かれてしまう可能性もあったのに、そうならなかったのは貴音のキャラクター性だけでなく、「風花」の持っている力と1枚1枚のカットの力かな、と。
それはそうと、私も貴音の新曲が来ることを疑わなかったので、そういう意味では残念な部分もあります。まぁ、16話は新曲があった反面、本編が少々残念だったため、満足行くエピソードである今回とはバランスという意味では取れているのかもしれませんが…。どこかで、貴音の魅力を高める1曲が来てくれることを祈りましょう。
千早のメインエピソードに関しては、恐らくツバメの演出は無いかな…と思います。プロデューサーと1対1である訳でないアニメですから、そこに代わる効果をどう演出してくれるかに期待したいと思います。ここまで来たら見守るしかありません。特に思い入れが強いと思われるトウカさんの御眼鏡に適うエピソードになってくれると良いですね。
投稿: こうたろ | 2011年11月12日 (土) 10時20分