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2011年11月18日 (金)

アニメ「THE IDOLM@STER」#20 「約束」

 アニメ「アイドルマスター」初のシリアス回になるのではないか?と思えるくらいの、いつもとは雰囲気の異なる次回予告から1週間。これが失敗したらこれまで積み重ねて来た全てが台無しになる…。そういう意識からか、放映される当日は何となくそわそわしていた様に思える今回。観終わって感じたものは「感動した」とか「良かった」とか「泣ける」とか、そんな言葉では言い表せないものでした。私が以降に書いている稚拙な所感では伝わらないと思うので、こればかりは観た方々が感じたままの想いを大事にして欲しいと思います。一応、私は私なりに今の気持ちを残しておくために綴らせて頂きます。

 前回の感想でも書いた「2クール作品における20話の位置づけ」。後半の流れを決定付ける重要な使命を担った今回のエピソードですが、その計算された構成には胸を熱くさせられました。正味20分くらいの本編が短く思える感覚。アニメ「アイドルマスター」は度々(っていうかその殆どが)そんな感覚になりますが、静と動を上手くエピソード的に振り分けてくれるのでメリハリが付いて印象に残りやすく、本エピソードの力だけでない、全体としての流れも手伝った結果もたらされた感動がサブタイトル「約束」に集約されていた様に思えます。

 ナレーションで始まったと思いきや、真が悪意を持って書かれた掲載記事を読んでおり、その記事に混乱する765プロや周囲、群がるマスコミなどが映像として流れる中、場面音声ではない状況を語るドラマを展開。スケジュールボードから消される千早の出演、何も語らず暗い顔をしている千早…。観ているこちらも気持ちが沈んで行きます。もう見守るしかないだけに、ある意味歯がゆい気持ちで一杯でした。

 オープニングが無かった今回。アバンタイトル後に「CHANGE!!!!」が流れる感覚が想像出来なかったので、これは文句無しの選択。それに続くスポンサーコールが貴音というのも、最良の選択だった様に思えます。BGMも「蒼い鳥」のピアノアレンジでしたし、こういう時は儚げな印象の貴音の声が映えますね。

 黒井社長が行った卑劣な行為に「裏で汚いことをやっていたのはオッサンの方じゃないか」と抗議に行くジュピター(っていうか冬馬)。この辺りを描くということは、ゲーム本編とは違う流れに入るので最終回に向けてどうなって行くか楽しみな部分。ちょっと黒井社長が悪役に徹し過ぎなきらいもありますが、ジュピターが本当の意味でのライバルとして描かれてくれたら嬉しいです(「アイドル伝説えり子」で言う、大沢洋や阿木星吾の様な存在であって欲しい(笑))。

 そんなやり取りの裏では声が出なくなった千早を診察してもらう場面があり、「どこも悪くないので精神的なものではないか」という結果が伝えられ、「唄えなくなった以上、この仕事を続けるのは無意味」とアイドル活動を辞めると言う千早に、引き止める春香と赤羽根プロデューサー。しかし聴く耳を持たない千早…。その後、活動を休止している千早の代役を立てるでもなく放映される「生っすか!?サンデー」の千早の空席が寂しさを演出します。
 765プロのみんなを代表し、千早宅を訪れる春香。インターホンには出てくれたものの、扉は開かれず…。ドア越しに必死に説得を試みる春香。しかし辛辣な言葉を返され、みんなからのお見舞いの品を置いて帰路へ。千早のために何も出来ない自分に涙する春香を観るのは私も辛い。でも見守るしかない私は、二人に笑顔を取り戻して欲しいと願うばかり。

 その後、事務所脇で春香を待っていた千早の母親に託された弟の形見。千早に言われた「おせっかいはやめて」という言葉に傷いた春香が、赤羽根プロデューサーに相談する流れの中で、まさかのキャラメルのエピソード! 赤羽根プロデューサーのパーフェクトコミュニケーション振りはここでも健在。春香の決意も含めて、ここでのやり取りに目頭が熱くなりっぱなしでした。

 千早宅へ再度訪問する春香。「放っておいて!」と言われる春香でしたが、今度は簡単に引き下がらない。みんなの想いをキチンと千早に届ける為に。千早の笑顔と歌声を取り戻す為に! ここでの春香と千早のドア越しのやり取りや千早に宛てた手紙に記された言葉も、本当に胸に来るものがあり、その場面を彩るBGMに「まっすぐ」のストリングスアレンジを入れて来た時点でもう涙が溢れて零れそうでした。765プロのみんなで千早の為に創った1曲。弟の形見であるスケッチブック(お絵かき帳)に溢れる千早の笑顔。千早の胸に去来するものは…?

 765プロの定例ライブということで、場所は新木場のSTUDIO COASTならぬSTUDIO BOOST(笑)。千早の出番が用意されたセットリストには「M-21 約束」(新曲)! もうこの時点で泣いている私。しかもライブ本編最後は「M-22 The world is all one!!」というのがまた…!
 もう直ぐ開幕、という状況に何とか間に合ってくれる千早。円陣を組んで春香が掛け声を言おうとする時に滑り込んだ千早に駆け寄る765プロの面々。ここで、春香だけが駆け寄らずに瞳を潤ませ、千早と顔を合わせるシーンには二人の想いが強く強く伝わって来て、もう私の涙が止まりません。千早を交えて、全員揃った765プロで再度円陣を組んで「765プロ、ファイトオー!」。

 ライブは順調に進んで竜宮小町の「M-20 SMOKY THRILL」が終了。そして、舞台上に進む千早。まさか千早が出て来ると思わなかった観客側にどよめき声。唄い始めようとする千早を襲う過去の悲しい思い出に、やはり声が出ない千早…。その状況に伴奏を止めさせようとする律子を余所にステージへ駆け出す春香。そして、続行を促す赤羽根プロデューサー!
 諦めかけた千早に、春香が、真と美希が、雪歩とやよいが、竜宮小町が、貴音と響と真美が順々にフォロー! そしてステージ上に揃う765プロオールスターズ。みんなが千早を想って、千早を信じて、創り上げた歌詞は本当に素直に綴られたものであり、千早が自ら掛けてしまっていた呪縛から解き放つ力を与えてくれます。みんなの想いを受け止めた千早の想いが重なり…、千早が声を取り戻します!! 大復活を遂げ高らかに唄い羽ばたく千早の声に宿ったパワーは、とても心に響くものがあり、その力強さには胸打たれっ放しでした。もう「約束」という歌が流れ始める前から泣いていたので自分でも良く分かりませんが、もうエンディングまで泣き続けていた様に思います(笑)。これは「アイドル伝説えり子」の39話「栄光への行進曲」に匹敵するものもありました。
 「約束」が流れ始めてからの細かい部分に至る演出は本当に丁寧で文句無し! 弟が向けてくれた笑顔、唄うことが楽しくて仕方なかった幼少の千早自身、思い出を悪しきものにしていた千早が笑顔に変わるまでの流れ、エンディングへの繋ぎ…。感想書きながら泣いている私(笑)。

 エンディングは「約束」のステージからそのまま突入。ライブ後の様子を映す各シーンも印象深いものがあり、場面場面で今の千早を見守る幼少の千早と弟の優(ゆう)が、「アイドルマスター2」のツバメの役割を果たしており、プロデューサーの役割を765プロのみんなが担っていると思います。そういった演出は個人的に違和感なく「アイドルマスター2」で得た感動を本編で描いてくれたと感じています。ステージで「約束」が流れ始めた時、敢えて作詞・作曲を表示しなかったのも観ている側への配慮として良かったですね(場面に集中出来ますから)。ちなみに、作詞:森由里子/作曲:中川浩二・小林啓樹/編曲:小林啓樹という、「蒼い鳥」「眠り姫」を作詞した、如月千早を知り尽くしたと言っても過言でない森由里子さんの詞に、「アイドルマスター2」で雪歩エンディングを飾った「First Step」の作曲陣で創り上げた「約束」は、感動して当然だった訳ですね(笑)。千早の母親である千草を演じたのが平松晶子さんであることもちょっと感慨深いものがありました。
 それと、黒井社長が仕掛けた事について、一時は困難を極めるものの結局は765プロの団結を強めて、最終的にはメディアやファンにもプラスに作用している様に思えますね(確実に逆効果だろう、と(笑))。

 今回の20話、「エンディングは新曲」「春香が千早の立ち直るキッカケとなる」というのは予想していた通りなですが、私のチンケな予想(笑)を遥かに上回る完成度のエピソードでした。色々ある中、これだけの内容に纏め上げてくださったスタッフの皆様には本当に拍手を贈りたいです。感動してしまったのですから、それが全てですよね(笑)。それはそうと、定例ライブの最後は映されませんでしたが、「約束」の後に唄われたであろう「The world is all one!!」はとても感動的だったでしょうね(5周年記念の浅倉さんが登場した時の事を重ねてしまった)。
 また、今回のエピソードはどうしても千早が主役であると捉えがちですが、千早と春香、そして765プロのみんなの絆がもたらした(どれか欠けても達し得なかった)感動であることを決して忘れてはならないと思います。
 それと、スポンサーコールは貴音であることを先に述べましたが、最初と最後で台詞の感じが違うというのがまた素晴らしく、本当に細かいところまで気を遣われた回でした(ここまで完璧だと感じたのは「アキハバラ電脳組」の20話「羽ひらくとき」くらいしか思いつかない)。ちなみに「NO Make!」の案内文は律子でした。

 今回「NO Make!(PW:CHIHAYA)」は「千早のために!」で3編。(1)は春香/伊織/真/響で、千早に何が出来るかを模索している面々の中で、春香が歌を贈ることを思い付くエピソード、(2)は美希/あずさ/貴音で、春香から連絡を貰った美希が大喜びし、あずさや貴音が連絡の内容を聞いて喜ぶエピソード(まさか「I'm so feel!」のネタが入るとは)、(3)は雪歩/やよい/亜美/真美で、千早のことを思って食が進まないやよいが泣き出して、一緒に泣き出す雪歩のところに亜美・真美から春香のメールについてのお知らせが来て…のエピソード。どれも、本編をより素敵に彩るショートエピソードで、これまた必聴!でした。

 次回は「まるで花が咲くように」。千早のエピソードのエピローグ的なものなのか、予告だけでは何とも言えませんが、もう大きな山を一つ越えたはずなので(笑)、このまま最終回に向けて走り抜いてもらうだけです! いよいよクライマックスへ!!

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コメント

 目を腫らしっぱなしの24分間でした。
立ち直る事は分かりきっているにも関わらず、春香と千早のやり取りにハラハラしっ放しでした。
そして、千早だけの事だけを流すのではなく、春香の悩みをうまく絡ませ、見事にパーフェクトを叩き出すPという今後の話で重要になりそうな部分も見られて、見事な流れに感じました。

春香さんの真っ直ぐなところは、『メインヒロイン』というだけありますね!
BGMのアレンジも素晴しい。

ライブの最後に千早が間に合い、新曲で締めという流れかと思っていたのですが、割と早めに来る千早。
新曲の後に皆で歌って終わりか?と思うも、声が出ない千早・・・。
ただ見る事しか出来ない自分たちというのは辛いです・・・。ずっと「春香さん早く来て!」と願うばかりでした。

そして、待望の春香さん!と思いきや、765proアイドル全員!
もう、涙が止まりませんでした。。。
そして、歌を歌うことを楽しむ為に声を取り戻す歌姫。

否が応でもハードルの上がる千早回でしたが、完全にハードルの遥か上を飛んでいったという感じでした。


美希・千早 とメインヒロインの回が終わりましたが、終わり掛けにもう一度(?)春香回が来そうな感じがしています。
(小鳥さん回もあるかも?)

投稿: トウカ | 2011年11月19日 (土) 05時00分

>トウカさん

 20話は多くの方に好意的に迎えられた様で、ホッと一息でした。トウカさんのコメントに目を通してもグッと来たくらいに、私も印象に残った名エピソードの1つとして今後も刻まれて行くと感じています。

 今回は本当に構成の妙があったと思います。ある程度の予想に沿った、ある意味「王道」とも取れる展開の良さとも言いましょうか、敢えて小難しくしたり、素直に描かない様にすることが作品の話題作りに作用する風潮もある昨今、ど真ん中を貫いてくれた今回のエピソードは本当に拍手を贈りたいです。

 ゲームでは描きたくても描けなかった見せ方で、千早と春香、そして765プロのみんなとの繋がり、絆というものを描いてくれた今回のアニメは「アイドルマスター」としての魅力を一段上げてくれた様に思います。

 春香は支える側面で描かれることばかりなので、最後に1回本当の「春香」を主軸にしたエピソードで締めて欲しいですね。アニメ版は高木社長と黒井社長との過去をもう一歩踏み入れる(そこに小鳥さんのエピソードが絡む)必要があると思っているので、残り5話に期待!

 作品として無事に着地することを祈っています。

投稿: こうたろ | 2011年11月20日 (日) 11時40分

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