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2011年12月 2日 (金)

アニメ「THE IDOLM@STER」#22 「聖夜の夜に」

 前回ある意味”最終回”と言っても良い様な流れを受け、提示された「アイドルとは?」というテーマ。アニメ「アイドルマスター」の物語としての着地に向けたエピソードがいよいよ始まりました。残る4話で何を語ってくれるのか。私は、これまで積み重ねて来た21本ものエピソードの出来よりも、残る4話の方が大事だと思っているので、これを如何にまとめ上げるか。放映開始当初に想像していたよりも遥かに高い質の作品としてここまで積み上げて来てくれただけに、失敗して欲しくない訳で…。そんな想いで観た22話。

 街頭の巨大スクリーンにて放映される美希のCM。バックに流れるのは「relations」。冬の街を歩く春香が信号待ちしている中で見上げたそのCMを観て思うのは…。という感じで始まった今回、春香にスポットが当たるのは間違いなさそうです。

 これまでに色々ありましたが、765プロ所属のアイドル達はそれぞれ忙しく活躍するまでになりました。彼女たちの努力や魅力も然ることながら、何だかんだ言って赤羽根プロデューサーの陰ながらの働きも感じられるというのが、これまで積み重ねて来た演出群が成功している証かな、と思います。ゲームで自分の分身となるプロデューサーとは役割的に異なるものの、それでも自分の分身として時には目線を借りられることに改めて感心します。

 そんな頑張る赤羽根プロデューサーですが、小銭が零れ落ちてしまう様な穴の空いた財布を使っており、飲み物の差し入れをしてくれる際にその光景を目の当たりにした千早に「私たちのプロデューサーなんですから」と言われる始末。一緒に居た春香もそんなやり取りに笑顔。

 控室で765プロの2nd.ライブに当たるニューイヤーライブのポスターが披露され、指でハート型を作ったアイドル達が勢揃いして良い仕上がり。副題には「いつまでも、どこまでも!」とあり、それを見て胸が熱くなる自分に驚きましたが(笑)、こうしたちょっとした言葉選びにしても沢山の想いが込められているのを感じてしまうからなのでしょうね。

 赤羽根プロデューサーはその新春ライブのレッスンには付いていてあげられないと言いますが、千早は「自分達で出来ることは自分達でやります!」と返します。そんな頼もしくなったアイドル達に、無理をしない様に釘を刺す赤羽根プロデューサー。その忠告の中でクリスマスが近い事に気付いた春香が、パーティを開こうと持ちかけるものの、千早に「今年は残念だけれども無理なんじゃないか」と返され、状況的なことを改めて考えて察した春香の表情が曇ります。そんな春香の気持ちを察した赤羽根プロデューサーが「仕事優先だが、来れる者だけで開こう!」と宣言。その提案にパアッと明るい表情を浮かべる春香。今回のエピソードは、春香の喜怒哀楽の表情が沢山出て来そうですね。

 テレビ番組のリハーサルで「inferno」を唄う千早。その表情はこれまでの険しい顔をした千早の歌い方ではなく、真摯に向き合いながらも楽しく歌い上げる様が見て取れ、それを観る春香と赤羽根プロデューサーも、目を合わせて微笑みあう姿には、これまでを見守って来た私達も自然と笑みが零れます。
 リハーサルを終えた千早が、忙しそうなプロデューサーを案ずるシーン、クリスマスパーティの話をする千早の表情など、本当に優しい笑みを浮かべて話し、これまでの様に人に対して壁を作っている感じはしないという点も印象深いですね。21本掛けて描いて来た千早は、22話でも着実に前へ上へ歩んでいるんだなぁ…と。そんな場面を彩る「Colorful Days」のピアノアレンジ(ここに来てまだ出る新劇伴!)もしっかり溶け込んでいました。

 クリスマスパーティについて、他のメンバー達に電話(美希にはメールという細かい演出!)する春香。しかし、みんな忙しくて行けるかどうか分からない…という返事。それを聞いて分かってはいても寂しい気持ちになる春香。でも、春香よりも前に赤羽根プロデューサーがみんなに連絡を入れていた事が分かり、気持ちが明るくなる春香。少し沈んでいた表情を明るく正し、一人ダンスレッスンへ。そんな春香に舞い込む朗報。

 何と、春香にミュージカルのメインキャストへのオファーが! しかも、一緒に美希も!! そして「主役と準主役、どちらに決まるかはこれから」というプロデューサーの言葉に、私は「これは、『アイドル伝説えり子』におけるロックンルーツへの流れ! しかも、えり子が春香で麗が美希か!!こんな展開が用意されるとは!!!確かにロックンルーツはクリスマス近辺だった!」と一人興奮状態(笑)。どこまで「アイドル伝説えり子」の方向性を踏襲する気だ!と勝手に盛り上がります。「そう言えば、以前から春香は「美希って凄いよね」と言っていたよな」と、伏線までも張られていたことを思い出し、妄想はもう止まりません(爆)。

 日が変わって朝の事務所。出社した春香を迎える小鳥さんから渡されたのは「春の嵐」というミュージカルの台本。しかも、「主役、おめでとう」…って、アレ? 美希との主役を賭けた対決は? 本気の勝負は?? と私の思い描いていた「えり子」的な展開はCM開けに音を立てて崩れて行きました(爆)。随分短い盛り上がりでしたが、そこは心で補完することにします(笑)。
 にしても、事務所にあるスケジュールボードは、もう竜宮小町のスペースを圧倒する量の書き込みがなされ、今やみんなが波に乗って仕事をしている様を客観的にも表しており、こういう小さな演出の積み重ねが実は少ない台詞を補っているのだなぁ…と感じる部分でもありました。

 そんな春香だけでなく、千早も海外レコーディングが決まり、より大きなステップをそれぞれが踏もうとしている。それでも、どんなに大きな仕事を請けても、自分の原点は765プロの輪の中にあると千早が言い、それは春香も強く思っている。直接逢う機会は減ってしまったものの、他のみんなもそう思っている。だから、みんなが揃う機会であるクリスマスパーティの大切さを、視聴者である私達が良く知っている…、なんて観ていたら…

 「My Wish(作詞・作曲:Asu/編曲:関淳二郎)」という、予想もしない新曲投入!!

 クリスマスで華やかな街中を映しながら、CMに出ずっぱりの美希、クリスマスライブ中の竜宮小町、それを見守る律子、映画の主題歌「Little Match Girl」を唄うことになった雪歩、サンタに扮して家庭に笑顔を届けるやよいと真美、新春特番ではねつき勝負中の真と響、東京スカイツリーの展望台で子供達と聖歌を合唱する貴音が次々と「My Wish」をバックに流れ、色々な思いが込み上げて来て目頭を熱くする私。何だか、この作品は私の涙腺の刺激箇所を知り尽くしている様な演出を入れ過ぎだと思います(笑)。

 一番クリスマスパーティを楽しみにしていた春香が、収録が押していて時間に間に合わないと事務所に連絡を入れるも、小鳥さんからまだ誰も来ていないことを告げられ「やっぱり難しいのかな…」と、また表情を曇らせる春香。そこにまさかの…

 「あったかな雪」! そして、事務所へ急ぐ春香。途中ケーキを調達するシーンでは、ホールかショートにするか迷ってホールを選択! 更に急ぐ春香がお店のショーウィンドウで見つけたのは…財布! 冒頭にあったプロデューサーの財布の話はここに活きて来る訳ですね。

 春香が到着する頃には竜宮小町、雪歩、美希以外は全員揃っており、その影には赤羽プロデューサーの尽力があったとのこと。間もなく全員が揃って、改めてパーティへ! 雪歩の誕生日をお祝いしたり、みんなが買って来たホールケーキを食したり…、全員が集まれたのは「みんなでいることを大切に思う人が居るから」と春香とプロデューサーを見つめる千早の優しい言葉には、これまでの沢山のエピソードが蘇り、改めて765プロのアイドル全員が好きでいる自分の根幹にあるものが何かを再確認出来た様に思います。そして、パーティ中に映し出された、真のクマと伊織のシャルル、そしてハム蔵が一緒に居るシーンにも優しさが溢れていたことも特筆したい点です。パーティシーンのバックに「The world is all one!!」のストリングスアレンジ(これまた新劇伴!)が流れていたことも、私の中には大きな感動を残しました。
 今回、プロデューサーは最低限しか画面に出ていないのにとても存在感がある描写がなされていたと感じ、それぞれの会話や、これまでの演出で確実に投影されていたことにちょっと感動。

 さぁ、春香がプロデューサーさんにプレゼントを渡すシーンが来る!…と思ったら、社長からの大発表。美希が「シャイニングアイドル賞(初耳)新人部門」を受賞したとのことで、一同から驚きの声。その受賞を美希が赤羽根プロデューサーへのクリスマスプレゼントにする、と言い出した。「えっ、それじゃ春香がプレゼントを渡すタイミングが無くなるじゃないか…!」と思ったら、本当に渡せなくなってしまった春香(涙)。となると、このアイテムは次回以降、確実に最高の場面で使われるという証。それを楽しみにするしか!

 そして、みんなが楽しんでいる傍らで真と伊織と春香が、千早と春香が、それぞれ夏の旅行で話したことや、変えて行くことと変えずにいたいものについて改めて語るシーンが。ちゃんと積み重ねた経過があるからこそ活きるシーンで、地味ながらも大切なシーン。こういうシーンにしっかり尺を取っているからこそ、アニメ「アイドルマスター」はここに辿り着けている。それを強く感じさせる素敵な演出でした。

 そして、社長の手品と渡せなかった春香のプレゼントを映してエンディングへ。これもまさかの新曲「Happy Christmas(作詞:貝田由里子/作曲:椎名豪/編曲:Fuming)」。サンタコスでクリスマスパレードする765プロのみんなが凄く生き生きしていて、歌のイメージも併せてとても可愛らしい仕上がり。星の流れの行き着く先が765プロであり、その先頭を春香が歩くイメージも素敵でした。また新たな「アイマス」におけるクリスマスソングが出来上がった訳ですね。貝田由里子さんと椎名豪氏という「隣に…」タッグというのも、ちょっと面白いアプローチだと感じました。

 スポンサーコールはやよい、「NO Make!」の案内文は春香。
 今回の「NO Make!(PW:MERRY)は、「竜宮小町のプレゼント選び(伊織/亜美/あずさ)」「クリスマスは家族と一緒に(真/響/やよい)」「クリスマスバースデイ(雪歩/千早/真美)」の3本。デパートでの伊織のプレゼント選び方、やよいにとっては事務所のみんなも家族であること、以前より優しい気持ちを持つに至った千早がクリスマスの夜にとった行動、など本編の合間を彩るちょっと良い話に溢れた3本です。特に千早のエピソードにおける小さなエピローグとも言える「クリスマスバースデイ」は聴いて欲しい一幕ですね。

 次回は「私」。そのサブタイトルだけでもグッと来てしまうのに、何と舛成孝二監督の絵コンテ担当回! もう今から異様なテンションの上がり具合です(笑)。何より、予告のフィルムにおいて、舞台上で美希と春香がミュージカルの稽古にて指導を受けるシーンがあり、「おぉ、まさにロックンルーツだ!」とまだ「アイドル伝説えり子」の流れを捨て切れない自分(爆)。それはまぁ私だけの楽しみとして(笑)、何より春香のエピソードとしてのクライマックス、一番大事なエピソードになると思うので、背筋を伸ばして一瞬たりとも目を離さずに観ようと思います!

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コメント

楽しいだけのクリスマスを描くのではなく、仲間との繋がりやこれからの繋がりを気にしていく回になり、「主役」「準主役」を競い合う展開になりそうな事からも、春香が本当に輝くための前置きのように感じました。
 春香さんは基本的に自信が持てない子(元気とやる気で補っている感じ)だと感じているので、最後には「自分らしく」を大切に、笑顔を見せてくれたらな、と思います。


少し、春香さんが気がかりな回でした。

投稿: トウカ | 2011年12月 3日 (土) 03時57分

>トウカさん

 これまで頑張って来た春香が、本当に自分というものを持って大きく羽ばたくエピソードが始まりましたよね。前向きで笑顔の裏側にある、必要以上に気負って空回りしてしまう春香。私は敢えて春香が感情を爆発させる様な場面があって良いと思っているので、キチンと自分と向き合って心から本当の意味で笑える春香になって欲しいです。そういう心情描写を舛成孝二氏は描き切ってくれると思うので、来週は本当に楽しみです(私にとっては、20話以上に楽しみ!)。

 春香のことを「アイドルマスター」のファンは口に出さずとも、みんな魂で好きだと思うので(笑)、更に好きになれる様なエピソードになってくれると信じています。

投稿: こうたろ | 2011年12月 3日 (土) 09時46分

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