「海賊戦隊ゴーカイジャーvs宇宙刑事ギャバン」と「ドットハック セカイの向こう」
恒例だった春の劇場作品鑑賞(と言っても「ケロロ軍曹」と「ドラえもん」の2作だった訳ですが)。2012年は例年より一足先のタイミングとなった今回の劇場映画梯子、観て来たのは「海賊戦隊ゴーカイジャーvs宇宙刑事ギャバン」と「ドットハック セカイの向こう」の2本。どちらも、個人的には付き合いの長いコンテンツであり、興味の強いものでありました。観に行くタイミングが上手く出来たので、足を運んで来ました。
最初は朝一番で「ゴーカイジャーvsギャバン」を鑑賞。朝一番だと言うのに、私からすればそこそこ人は居た気がしますが、大人の比重が高かったというのが今回の作品の特徴を現している気がしました(笑)。
スーパー戦隊のVシネマとして毎年のお祭りとして確立した「vsシリーズ」。私は25周年の時に作られた「百獣戦隊ガオレンジャーvsスーパー戦隊」を観たのが切っ掛けでスーパー戦隊シリーズの視聴を復活させた経緯があるので、この「vsシリーズ」には思い入れの様なものがあります。数年前からこのシリーズを劇場公開する様になり、劇場の大きなスクリーンで大迫力の映像を堪能出来るのは視聴者側にとっても嬉しい限り。新旧の戦隊がぶつかり合いながらも最後は力を合わせて戦うという基本フォーマットである「vsシリーズ」は、35周年記念作品である「海賊戦隊ゴーカイジャー」において「199戦隊ヒーロー大決戦」がその位置付けとも言える感じだったので、「vsシリーズとしてはどうするのだろう?」と思っていたところ飛び込んで来た情報が「vs宇宙刑事ギャバン」という心が震える夢のコラボレーション! 30周年を迎える「宇宙刑事ギャバン」ですから、これ以上無いタイミングでした。
そんな大きい期待を持って鑑賞した本編は、75分という時間を全く感じさせない、サービス精神に溢れたギッシリと内容の詰まった最高の作品に仕上がっていました。「宇宙刑事ギャバン」という作品を知っている層には、当時の熱さがそのまま体験出来る細かい配慮がなされ、使用されるBGMや主題歌は最高のタイミングで流され、マーベラスとギャバンとの関係性や「あばよ涙、よろしく勇気」というギャバンを象徴する主題歌のフレーズも上手く使った脚本、ギャバンを演じる大葉健二氏が演じたバトルケニア(曙四郎)とデンジブルー(青梅大五郎)の共演(それを「宇宙刑事シャイダー」の最終回モチーフに繋ぐ演出)、新調された素晴らしい出来のコンバットスーツ、現役から30年経っても魅せる大葉健二氏のアクション、完全CGで蘇るドルギラン、蒸着の解説、魔空監獄の捉われていた面子(笑)、エンディングテーマは松原剛志氏と串田アキラ氏の共演など、もう本当に全てが見所と言っても過言では無いと思います。そして、何もギャバンばかりが凄かった訳でなく、ゴーカイジャーの面々も素晴らしい立ち回りを演じてくれたと思います。テレビ以上に素晴らしいアクションシーンは、正に劇場クオリティ。監獄最上階でのゴーカイレッドとギャバンブートレグとの一騎撃ちは特に素晴らしかったです(後は、ゴーカイグリーンが格好悪く高いところから落ちるところ。スタントとしてこれは逆に凄いと思いました)。
私は大葉健二氏が蒸着ポーズをとってギャバンになるシーン(勿論、BGMは「チェイス!ギャバン」)から蒸着プロセスの解説を経て、名乗りを上げた後に戦闘開始する時に流れた主題歌「宇宙刑事ギャバン」までの流れで、ちょっと目頭が熱くなって危うく涙が零れそうでした(笑)。ギャバンがギャバンブートレグを倒すくだりも、凄く印象に残っています。本当に良い作品に仕上がっていたと思うので、興味のある方は劇場で観られるうちに足を運んでみては如何でしょうか。私は、帰宅して早速Blu-rayを予約させて頂きました!(笑)
次に観たのは「ドットハック」。「ゴーカイジャー」を観終えてから「ドットハック」までの間は6時間くらいあり、そこはアイマスの「H@PPY SWEETキャンペーン」のために空けていました(笑)。それは別の話なので、続けて「ドットハック」の所感を。
「.hack」という作品はPS2でのゲームとアニメ「.hack //SIGN」から始まり、アニメやゲーム、小説といった色々なメディアで何かしら付き合い続けて来たコンテンツで、気が付けばもう10年になります。ずっと何かしら関わり続けて来た作品ではありますが、ここに来てフル3Dの映画が公開されるということに「何で今?」と感じたものの、その意味は観て見れば分かるだろうと足を運びました(それだけ興味を持っていたということですね(笑))。
私にとって3Dメガネを着用しての劇場映画は初めてだったのですが、特別着けている違和感はありませんでした(スクリーンから少し視界を外すとメガネのフレームが見えることはちょっと気持ち悪かったかな?)。ただ、集中して観ている(観られる)分には問題無いかな、と思います。映像が立体的に観えた様な気はするものの、その効果がどのくらいあったのかのは観終った直後でも分かりませんでしたが、「.hack」の世界観としてFMDを着用しているのと同調させる為の感触と考えれば納得出来る部分はありますね(「The World」にログインした直後の接続中画面は臨場感がありました。最初に「マク・アヌ」(?)が視界一杯に広がった時の感動は、そらと同調していたのではないかと)。
物語としては、例えば「時をかける少女」とか「サマーウォーズ」的とでも言いましょうか(主人公のそらの声が「サマーウォーズ」のヒロインと同じだから、という訳ではなく)、中学生の何の変哲も無い日常風景とクラスメイト同士の交流、ほのかな恋心が見え隠れする描写を中心としつつ、「The World」を巡るアウラとCC社との攻防に巻き込まれて、ネットワークトラブルによる世界的混乱と意識不明者が発生してしまうことに対し、リアルとネットで人の繋がりと、事件解決・状況打破に向けて一致団結をする流れは正に「.hack」。最初のALTIMIT OSが登場し、ハロルドが創った「フラグメント」をベースにした「The World」から続く歴史の中で、カイトとブラックローズ、シューゴとレナ、ハセヲとオーヴァン、トキオと彩花が、それぞれの時代に関わって来た「The World」を巡る物語の最も近年となる今回は、より強く「人との繋がり」をテーマにした作品に仕上がっている様に感じました。111分という時間を感じさせない展開は、「The World」のゲームの仕様として「それってどうよ?」的なことも無くはないものの(笑)、逆にネットワークに依存する社会への警鐘と、閉鎖的になりつつある社会における「人との繋がりの意味」を改めて問われた様に思えて、予想以上に楽しむことが出来ました。メディアが発売された時、自宅では3D視聴環境は無いものの、もう一度作品として観てみたいと思います。
ということで、2つの作品はどちらも予想以上に楽しむことが出来て良かったです。全く毛色の違う作品2本ではありますが、どちらも長い付き合いのある作品の劇場版として、自分の中にある各作品への理解と思いも問い直せたことも良い機会になったな、と感じています。やはり、劇場で作品を観るというのは良いものですね。
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