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2012年4月28日 (土)

乙女企画クロジ☆第10回公演『異説 金瓶梅』

Dscf3447 「能登麻美子さんが客演される」ということで観に行った乙女企画クロジ☆第9回公演「エ ン ガ ワ ノ ク ラ ゲ」。結果として能登さん云々関係なく、純粋にお芝居として完成度の高い内容、出演される皆さんの個性溢れる演技、独特の世界観と言うか空気感の溢れる舞台はとても感銘を受け、これからは行けるなら必ず観に行こうと決めていました。

 劇団の第10回という記念すべき公演が決定し、その公演を間もなくに控えた2011年3月11日、東日本大震災の発生にて断腸の思いで公演の延期が決まり、仕方が無いこととは言えとても寂しく思いました。

 この1年、それぞれの人が色々な思いで1年という時間を重ねて来たと思いますが、クロジ☆の皆さんは公演間もないということで1度完成していた舞台を気持ちや環境的なものも含めて1年間維持するというのは容易いことではかったでしょう。観客である私自身、ずっと気に掛けながら1年を待った訳ではありませんが、観に行く当日はちょっと昨年のことを色々考える切っ掛けにもなって、単純に「お芝居を観に行く」という感覚とは違う不思議気分でありました。

 早めに現地に入って昼食をとり、会場であるシアターサンモールへ到着したのは開場時間丁度の13:30。丁度入場列が作られ始めたくらいだったので、そのまま列の最後尾へ。

 シアターサンモールに来たのは初めてでしたが、お芝居を観るには丁度良い感じの空間でした。場内に入るや、目に飛び込んでくる照明の落ちたステージに浮かび上がるセットと、そこに映し出される「乙女企画クロジ☆」のロゴ。前回の第9回公演の時はもっと小さなステージであったこともあって、第10回という記念する公演への気合を感じることが出来ました。場内に入ってからの雰囲気作りも観劇の上では重要な要素だと思っているので、嫌でも期待が高まります。

 開演5分前の着席ブザーが鳴り、定刻14:00を少し過ぎたところで開演。無粋な開演ブザーなどはなく、場内に流れていた音楽が少しずつボリュームを上げ、そのまま流れる様に冒頭へ繋いで行く導入はお見事でした。

 舞台に照明が射し、セットの全貌が明らかになり、どんな場面がこのステージで展開されるのか想像しながらプロローグの観劇。そして、プロローグが終わって舞台上に映し出される公演タイトル「異説 金瓶梅」。もうこの時点で、完全に舞台に飲まれている自分が分かりました(笑)。

 物語は簡単に言ってしまうと、一人のあまりに魅力的過ぎる好色男子を取り巻く女性達と男性達の愛憎劇。主人公は、極々普通の、しかしあまり幸せとは言えない日常に不満を持っている女性。その娘に気まぐれ的に声を掛けた好色男子との関係が、その娘の日常だけでなく、人生をも一変させてしまう。そして、その娘の行動が、取り巻く全ての人の人生をも変えて行った先に待つ結末とは。その時々の強い感情に突き動かされて取った行動の本質。「本当は何がしたかったんだろう」…初めて自分で強く理解した本質は「死にたくない」という生存本能という皮肉…。

 この物語を時に激しく、生々しく、時折扇情的に…、そんな緊張感が続く中でちょっとした笑いを誘う演技を入れたり、個性豊かに強烈に演じきった(というより、そのものの人格になっていたと感じた)出演者の皆さんで完成した舞台は本当に素晴らしかったです。2時間20分にも及ぶ上演時間を全く感じさせない、人間関係の難しい物語を観ていれば分かる様に、そして集中させる舞台構成。舞台を隅々まで使った場面展開、同一セット内で効率的且つ効果的に考えられていた場面転換、音と光の演出など第10回という記念に相応しい仕上がりに、中止を決めてからの1年の頑張りに胸が熱くなる思いでした。なので、カーテンコールの際、会場から惜しみない拍手が贈られて皆さんが清々しい笑顔で登場した時は、ちょっと目頭が熱くなりました。

 今回、クロジ☆の公演が初めての友人も一緒だったのですが、舞台の完成度に驚いていたくらいです。その友人曰く「正直、文化祭みたいな舞台も多くある中、この舞台は客演云々関係無しに次も来たいと思えるものがあった」という感想を頂き、興味を持って頂けただけでなく、思いを共にする仲間が出来たことは誘った側として、とても嬉しく思います。でも、そう感じてもらえたのは、勿論「乙女企画クロジ☆」の主宰である福圓美里さん、松崎亜希子さんや関わった全ての役者さん、スタッフさんの力が1つになった舞台であるからこそ。こういった所感的なものを残すことしか私には出来ませんが、それでも輪を広げて行く力に少しでもなれれば嬉しいです。

 今回は、前回買えなかったパンフレットだけでなく、昨年上演する予定だった「異説 金瓶梅」の台本や、第9回公演のDVDと台本も購入することが出来たことも良かったです。ここで昨年版の「金瓶梅」の台本を少しだけ読んでみたのですが、冒頭もラストも大幅に演出が違っており、この1年でどれだけ手直ししたのか、より良い舞台にしようと愚直に頑張って来たのかを感じ取れ、パンフレットに書かれた役者さんそれぞれの想いにも触れられ、ここでもまた胸が熱くなったことも付け加えておきます。

 既に次回公演も決まり、年内にまた新しいステージで逢えると分かって嬉しい限り。次回も絶対に行きたい!

 素敵な時間を本当にありがとうございました!(千秋楽まではまだ公演が残っているけれど(笑))

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