アイデア No.352 2012年5月号
もう今では「ビデオゲーム」という言葉自体も廃れてしまっている感がありますが、「パソコン」が一般的になる前に「マイコン」と呼ばれていた時代、アーケードゲームの勃興期からずっと付き合い続けて来た私にとっては特別な思いのある「ビデオゲーム」。そんなビデオゲームを「デザイン」という面で特集した雑誌が発売されました。偶数月10日に誠文堂新光社から発刊されている「idea アイデア」のNo.352(2012年5月号)をご紹介します。
巻頭から148ページにも渡り、ナムコ、カプコン、セガのアーケード作品、コンシューマー作品のロゴ、フライヤー、ゲームで使用された独自フォント(8x8で再現されたもの)、セガに関してはコンシューマ機のロゴや体感ゲーム機の筐体デザイン等が掲載され、ゲーム誌では考えられない切り口での特集と、ナムコでは”Mr.ドットマン”こと小野浩氏をはじめ指田稔氏、カプコンの岡野正衛氏、高木康行氏、セガの長井才三氏、染屋直樹氏らデザイナーのインタビューもあって、視覚だけでなく読み物としても興味深い誌面構成になっています。
シリーズやカテゴリーを揃えてページ構成をしているために、遷移が見て取れると同時に時代も感じられたりして、良く見知ったロゴですら新たな感覚で見られたり興味深いものがありました。ちなみに、「アイドルマスター」のロゴも載っていました(笑)。
余計な解説などは入れず、バシッとロゴを大きく沢山並べた誌面は、ロゴが持つ”その当時の空気感”を雄弁に語ってくれており、ライターの主観や間違った知識による解説も多い昨今のゲーム記事では感じられない真摯さが伝わって来ました。更にゲーム誌ではまず見ないであろう文章表現であったり、デザイン専門誌ならではの視点は沢山の驚きを味わうことが出来ました。
巻末付録として旧ナムコ社長室クリエイティブセンターイラストレーションファイルとして、NGの裏表紙やプレイシティキャロットなどでも掲示されていた実に当時のナムコらしいイラスト集も見られて、ここにもデザイン専門誌らしいチョイスにちょっと感動。
定価こそ3,150円と決して安い本ではありませんが、この価値が分かる人には高いとは感じられないと思います。今の時代だからこそ纏められた内容や視点というのも今しか無い価値だと思うので、”歴史の通過点”として手元に置いておくのをオススメしたい雑誌です。ネット通販や直販でも売り切れている本ということで入手し辛い様ですが、専門書を取り扱う様な大きい書店に行けばまだあるかもしれません。気になる人は急ぎ確保を!
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