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2013年4月 9日 (火)

「THE IDOLM@STER ANIM@TION MASTER 生っすかSPECIAL 弦楽四重奏 初恋組曲」と「お願い!シンデレラ」

Dscf4064 昨年、「日本レコード大賞2012」において企画賞を受賞した「生っすかSPECIAL」の「受賞記念盤」として、シリーズ初の連作として楽しませてくれた「初恋」が弦楽四重奏で再び私たちの耳を楽しませてくれることとなり、発売日を迎えました。同時にモバゲーにて好評サービス中の「シンデレラガールズ」の主題歌「お願い!シンデレラ」も発売され、「アイドルマスター」を取り巻く音楽環境は常に話題が尽きません。もう8年目を迎えている中で、乱造と感じることなく新鮮さがあるのも凄いことで、私自身今でも飽きずにアイマス曲を新旧問わず回せている事に改めて驚かされます。

 じっくり聴く「初恋組曲」は後回しにして、先に「お願い!シンデレラ」から聴くことに。

 「お願い!シンデレラ」は、代表9人版、キュート版、クール版、パッション版、あんきら版の5バージョンが収録され、それに「あんきら劇場」というドラマパート(19分)とカラオケトラックを含めて44分もの大ボリューム。
 楽曲としては「シンデレラガールズ」の主題歌という位置づけもあって、「シンデレラガールズの”READY!!”」の様な仕上がり。作・編曲が内田哲也氏であることもあって「キミはメロディ」の雰囲気も感じられました(特にDメロの掛け合い部分)。歌詞にもキュート、クール、パッションを盛り込み、しっかりと作品とのリンクもされている高い完成度だと思います。
 自分として驚いたのは「全員の声が識別出来た」ということ(笑)。全員歌唱版もそうですが、キュート、クール、パッション各3名ずつの歌唱はより明確に識別出来て、シングル15枚聴き込んで、ちゃんと残っているのだな…と思うと同時に、メンバーによっては明確に歌唱力のレベルアップも感じられて「流石はアイマスコンテンツ!」と思いました。全員、キュート、クール、パッションと4曲連続で聴いた中ではパッションが好みでしたね。
 続くドラマパート「あんきら劇場」はきらりが杏の家に遊びに来るという、これまでは個別のイメージしかなかった「シンデレラガールズ」のアイドル達の掛け合いが聴けたのはとても新鮮に思いました(「劇場」の4コマでの掛け合いが声が付いて更に違和感無く受け留められた)。このドラマパートの前に流れた4曲がTVの模様であることが分かり、出られなかった杏ときらりがテレビを観ているという構成も然ることながら、「TVに出る練習」ということで自己紹介やトークコーナーを、だらだらの杏とテンションMAXのきらりのコンビネーションで進行する流れはかなり楽しいものになっていました。掛け合いの結果、きらりのテンションの高さが魅力的に感じたり、「うまいぞー」や「杏ちゃんが立ったー」などの小ネタも放り込まれ、最後は「あんきら」というユニットを結成して唄うは「お願い!シンデレラ」という構成も完璧。何より、「省エネver.」と銘打たれていたものが「ハピ☆ハピver.」に変わっただけのことはある、最高と思える仕上がりに感動しました(笑)。もう最初に聴いた4曲が飛ぶくらいに「ハピ☆ハピver.」は素晴らしかったです。もう、これでこの曲のライブにおけるコールは確定しましたね。いつかライブで聴いてみたいナンバーです(明日の噴水広場は行けませんから…)。その時は「にょわにょわにょわにょわ」って言うのかな?(笑)

 そんな上がったテンションをクールダウンさせる様に「初恋組曲」へ。

 その前に付属のブックレットに目を通したのですが、坂上陽三氏、石原章弘氏、中川浩二氏、内田哲也氏、高田龍一氏、yuraさん、松尾祐輔氏のライナーが各2ページ載っており、「アイドルマスター」というコンテンツへの関わり方や想い出など、これまで聞けなかった様な内容も含めてそれぞれが感じている”生の声”が読めた様に思えます。「レコード大賞受賞記念盤」として、価値のある内容だと思いました。
 その他、弦楽四重奏のアレンジについてや、原曲の収録時の話など、作曲を手掛けた高田龍一氏のコメントも興味深く読むことが出来、私自身が聴いていた中で感じたことが高田氏の意図した通りだったりすることに驚かされたり、とても楽しめたブックレットでした。弦楽四重奏で使用した第一章のスコアが載っているのも貴重だと思います。

 CDは2枚組で、弦楽四重奏で組曲となった「初恋」と、オリジナル版の「初恋」のカラオケトラック(五章全て)、オリジナル版でユニット歌唱したものを全てソロ化したもの(第一章は美希、貴音、響、第二章は亜美、伊織、あずさ、第三章はやよい、律子、第四章は春香、真、真美、第五章は千早、雪歩)を収録。2時間を超えるボリュームで、聴き応えは十分です。

 メインとなる弦楽四重奏は、「初恋」の五章に亘る楽曲を第一ヴァイオリン、第二ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロで構成し直し、序章と終章を付けて組曲化したもので、想像以上にしっかりとした組曲として聴けるものに仕上がっていました。もっとアレンジが大きく施されたものを想像していたのですが、驚くほどに原曲の歌唱付のイメージと同じ印象を残し(各章の長さも殆ど同じ)、声とは違うメロディの持ち味を表現してくれたと思います。三章や四章は柔らかさが増したことで、私の中では印象が好転した曲でした。
 各楽器が受け持つパート、メロディの表現方法、モチーフの取り入れ方を楽しむことが出来たことに加え、繊細な音を深く聴けたことも満足度に繋がっていると思います。今回のCDは、「MASTER SONIC 64bit PROCESSING / 96kHz/24bit RECORDING」と「Blu-spec CD2」で収録されており、弦を擦る音や弾く音、ハイハットの響き、歌唱に至っては息遣いなど、かなり繊細な表現まで聴くことが出来たと思います(カラオケトラックやソロ・リミックスも、「生っすかSPECIAL」に収録されたものと違うと感じられるくらいでした)。
 ソロ・リミックスは、ユニット歌唱では感じられなかった各々が表現する歌の表情をより強く感じることが出来ました。特に第一章では美希、第二章では亜美、第三章ではやよい、第四章では春香、第五章では雪歩が、より強く印象に残りました。より好みに聴けたのは、第一章の貴音、第二章の伊織、第五章の千早でしたね。

 今回、こうしてアニメのサウンドトラックではない楽曲が弦楽四重奏という形でリリースされたことは個人的にとても嬉しく思います。「歌」が主役とも言える「アイドルマスター」の中で「曲」がクローズアップされ、多くの人に弦楽四重奏というものを聴いてもらえる機会となり、そして関わったスタッフの想いもパッケージとしてまとめられたこの「初恋組曲」は、「アイドルマスター」の歴史の中で大切にしたい1枚となった。そんな風に思います。どのくらいの人の胸に響くものになるかは分かりませんが、私の中では”一生モノ”の1枚となりました(ちなみに聴き終えた時の感覚が「プレプリマ」を聴いた時に似ていました(笑))。

 同日に発売されたCDは、全く趣の違うもの同士ではありますが、それぞれの方向における最高の仕上がりだと感じられたのは良かったです。興味があれば、手に取って欲しい2枚です。

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