marble 「Growing Up 2013~笑顔のループ~」東京公演
私が割としっかり応援を続けられ、しかも活動も精力的に行ってくれているという結構自分の中では稀有な存在とも言えるアーティスト「marble」。”オーガニックポップユニット”と名乗る彼らが放つ、その独自の世界観や音楽性を持つ楽曲は私の中でも唯一無二の存在。marbleの大きめのライブには極力欠かさず参加を願い、足を運べている私ではありますが、約年1回というペースで貴重なライブ体験が出来るというのは、自分の中の”ライブ感”にメリハリを付ける意味でもとても意義のあることと思っています。「Growing Up 2013~笑顔のループ~」という副題に込められた意味を感じられるライブになることを楽しみに当日を迎えました。
会場となるのは昨年の5周年ライブ「つながる手と手」と同じTFMホール。ライブハウスというよりは小規模のコンサートホールという感じのステージは、音響も独特なものを感じていて、marbleの音楽性にはとてもマッチしていると昨年感じただけに(昨年は音響に関して若干調整不足な点も垣間見えましたが)、より進化したステージを体験出来る喜びは開演前から溢れていました。というのも、座席が前から2列目という好位置で、ちょっと左に寄ってはいるものの、ステージ上の皆さんのパフォーマンスを余す事無く堪能出来るであろうことから来るワクワクがそうさせていました(笑)。
開演の20分前になって、ステージ上に1人のアーティストが登場。アツミサオリさんと自己紹介したその方が、marble登場前にステージを盛り上げてくださりました。アコースティックギターでの引き語る「夢色の恋」、それに加えてハーモニカも入れた「愛」の2曲は、どちらも知らない歌ではあったものの、アツミサオリさんの上手い客席との言葉のキャッチボールが功を奏してなかなかに楽しめました。ここで改めて「アーティストは星の数ほど居るのだなぁ…。その中でメジャーな活動が出来ている人は本当に少ないのだな…」と感じました。どんなに高い音楽性や世界観を持っていて、どれほど素晴らしい歌唱力を備えていても、人との繋がりやタイミングや様々な事象の結果が全て。アツミさんには今後も頑張って欲しいと思いました。
気が付けば開演3分前。すると、オケが流れ始めてステージが始まるような演出が。照明が落とされたステージ上に1人の女性のシルエット…。「定刻前に始まる!?」とちょっと思ったのも束の間、流れていたオケの前奏が終わると同時に後奏となり、現れたのは儀武ゆう子さん(笑)。まるでこれから唄うかの様な登場だったものの、結局前説のために登場したとのこと。諸々のやり取りの中で、「marbleを呼び込む合言葉、みんなで言ってみよう!せーのっ!」と儀武さんが音頭を取るも、客席側は「…」(汗)。どこまでが段取りなのか分からない中(笑)、結局呼び込む掛け声は急遽「えいえいおー!」を3回に決定し、客席一体の「えいえいおー!」コールが響いた後、登場したのは菊池さん。アコースティックギターを構え、チューニングしている中にまた影が1つ。勿論、miccoさんの登場です。しかし、登場したのはmarbleのお二人。そして、静かに「Growing Up 2013~笑顔のループ~」が開演しました。
「えいえいおー!」で呼び込んだにしては、物凄い雰囲気の異なる開幕となった今回。1曲目はまさかのmarble二人だけのアコースティックライブで開幕。選曲されたのは「nora」。そして、次は演奏者が1名追加となり、グランドピアノの演奏が始まります。その今回のライブ用に書き下ろされたであろう編曲されたメロディから始まったのは、ピアノの持ち味を全面に押し出した「芽生えドライブ」。更に続くのはベースとドラムの奏者がまた追加となって「流星レコード」を披露。1曲ずつ、セッションメンバーが加わりながら、演奏が賑やかになって行くという演出は、なかなかステキでした。ある意味「marbleならでは」とも言える、とても贅沢な開幕3曲でした。その後も「smile」、そしてまさかのウクレレ披露のmiccoさんが弾き語る「風が吹く」と続き、既に大満足状態の私でした(笑)。
その後もアコースティックな雰囲気を主体にライブが進みつつ、それでも会場を包む自然と体を揺らす音の波。爽やかで疾走感のあるナンバーなどは手拍子を加えることもありますが、スタンディングしたりコールを入れたりせずとも、この楽しさは何だ!?という気持ち良さがあるのがmarbleライブの真骨頂。今回は座席が前の方だったことから、ステージ上の皆さんが心底楽しそうに演奏をしているのがしっかりと見られましたし、客席側も心底気持ち良くコンサートを楽しんでいるのが見て取れました(皆さん、体が揺れていましたから)。今回は、菊池さんのギターパフォーマンス&コーラスを間近で観られたことは本当に良かったですし(意外と華奢で小柄に見えました)、miccoさんが客席全てに目を配って歌っている姿を間近で観られたことも本当に良かったです(今回は髪を切ってボブに。とてもキュートでした)。
ライブも後半戦に突入。ここで、miccoさんから「もっと皆さんと楽しみたい」ということでスタンディング発令(笑)。ここからmarbleの”コンサート”から”ライブ”に変わります! このメリハリ、個人的には大好きです。客席側もこれは徹底しており、”コンサート”の時は最後の一音が終わるまで拍手をしたりせず、でも”ライブ”となると一体感とノリを優先するので、楽曲のラストで拍手や声援が飛び交う状態になります。これが自然としっかり出来ているmarbleファン(いわゆる「マブダチ」)には本当に感心させられます。
”ライブ”モード開幕は「puzzle」から。そして「残像キセキ」「夢ぐも」「青空loop」の流れはとても気持ち良く、特に「夢ぐも」は初めて聴いた時の印象をぶち壊すほどのライブでの楽しさと熱さがありました。かなり好きになりました。そして、定番のタオルアクション「青空loop」ですが、珍しく唄っている途中でmiccoさんが色々なコメントを挟んでいた(「暑い」とか「腕が疲れた」とか「左手じゃやりにくい」といったことを歌の合間に言っていた)のが印象的でした。
そして、近年marbleの傑作曲「Lingering Fizz」でmiccoさんが会場闊歩タイムに突入! この曲はmiccoさんが会場へタイブしているがの如く全エリア踏破し(なので、ステージ上にmiccoさんは不在が基本。しかも、小さい方なのでどこに居るのか全く分からなくなる)、みんなで歌うことで一体感は最高潮。ゴキゲンなサウンドもとても気持ち良く、今回はマイクを向けられる可能性もあった席だったので恐れていたのですが(笑)、そんなドキドキも含めて楽しい空間が一気に完成しました。
続く「いつか明ける空へ」は、終盤の「ラララ…」のところを、miccoさん、菊池さん、バンドメンバー、客席全体、会場全員という流れで一緒に歌うのも印象的で、手を振るmiccoさんがかなり適当なので、客席側が全然合わせられなかったのが別の意味で印象深かったです(笑)。菊池さんのコーラスソロ、メチャメチャ格好良かったです!
ラストのMCでは、「未来スコープ」のアルバムに込めた思いや、その主題曲「未来スコープ」の意味をmiccoさんが語ってくれて、とても温かい気持ちになれました。marbleが今尚、こうしてステキなライブの空間が作れている根幹に触れられた様に思えます。その意味を感じながら聴く「未来スコープ」は格別でした。
アンコール要求は定番になった様で「L・O・V・E、ラブリー micco! C・U・T・E キューティー 達也!」の繰り返し(笑)。そして、然程待たせることなく、菊池さんだけ登場。徐々に呼び込まれるバンドメンバー。全員一斉に出て来なくても、準備の出来たメンバーが早めに出て場を繋ぐというのはアリだな、と今回のステージに参加して強く思った次第(笑)。ここで雑談しながら、miccoさんの登場を待つ全員…って、出て来たのは儀武さん(笑)。呼ばなきゃ来ない?!ということで、「えいえいおー!」。このぐだぐだ感&儀武さんのノリには賛否あるかもしれませんが、これがmarbleライブなんですよね(笑)。ちなみに、アンコールは2曲歌ってくださったのですが、トークも含めて要した時間は40分だったことを付け加えておきたいと思います(爆)。ライブ中、何回かあったMCでのmiccoさんと菊池さんとのマイペースなやり取りは勿論健在で、特にモリアオガエルの話から展開した即興ソング(バンド演奏付)は傑作でした(笑)。
開演から2時間50分。「Growing Up 2013~笑顔のループ~」東京公演、ツアー最終日が終了しました。終始、聴き手も奏者も笑顔で居られた、そんなステキなコンサート&ライブだったと思います。初めて参加した「旋律の彼方 Vol.1」から4年半。もうmarbleとしてのライブを確立し、安定したステージングを安心して楽しめる様になったと思います。構成も色々と考えてあり、特に「コンサート&ライブ」形式はメリハリがあって良いと思います。今後、また色々と楽しませる仕掛けに出逢えたら…とも思うので、進化するステージに期待したいところです。
今回、特に聴けて嬉しかったのは「芽生えドライブ」と「凛」のピアノアレンジと「夢ぐも」。これまでmarbleのライブは同じ歌でもアレンジが色々と異なっていたりするので、そんな違いも楽しめるのも醍醐味と言えるかもしれませんね。
客席に常に視線を配ってくれるmiccoさん、自らは多く語らずともギターとコーラスで心を鷲掴みにする菊池さん、サポートするバンドメンバーの皆さん、そして温かなステージを一緒に創り上げるスタッフの皆さん。それが客席と一体になって完成するmarbleのライブは、自分の中でも唯一無二のステージです。こうして、今後も機会を逃さずに参加出来たら嬉しいですね。次回は「enjoint marble」ということで、11/4にmarbleに縁のあるアーティストの皆さんとジョイントライブを楽しむステージの開催が決まったと発表されたので、そちらも内容次第では参加しようと思っています。
参加された皆様、このステージに携わった皆様、お疲れ様&ありがとうございました!
■付録:セットリスト
- nora
- 芽生えドライブ
- 流星レコード
- smile
- 風が吹く
MC - 未来シルエット
- catchlight
- fluffy
- 水彩キャンディー
MC - 凛
- 永遠の記憶
MC - puzzle
- 残像キセキ
- 夢ぐも
- 青空loop
MC - Lingaring Fizz
- いつか明ける空へ
- ハミングバード
MC - 未来スコープ
(アンコール)
- ビードロ模様 (「あの夏で待ってる」ED・カバー)
- 時の華
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