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2014年9月23日 (火)

【終了報告】英雄伝説 閃の軌跡 20140506

Dscf42805/6 23:25、「英雄伝説 閃の軌跡」終了(プレイ期間:2014/01/03~2014/05/06)。

 クリアデータタイム:106時間45分
 リィンの最終レベル:Lv.65
 ラスボス直前情報:
 ・総戦闘回数 642回
 ・戦闘不能回数 41回
 ・敵撃破回数 2316回
 ・先制26回、優勢 131回、奇襲 218回、バックアタック 14回
 ・ランク:甲零級、総AP:437、獅子心四大章 獲得
 ・課外活動達成数:31、実習課題達成数:43

 前作「碧の軌跡」はプレイ開始から3ヶ月経ってようやくエンディングに辿り着き、次作ははそんなに期間を掛けない様に極力プレイを重ねよう…と思いつつ、「今はまだ"碧"が終わったばかりだし、"閃"のプレイ開始は少し間を置こうかな」と考えつつも「取り敢えずオープニングだけ」と"閃"を起動したら、結局そのままプレイを開始してしまいました(笑)。しかし! 結局仕事がピークを迎えて平日プレイがままならず、プレイ時間を稼げる週末ですらなかなか時間が取れない状況が続き、ようやくエンディングを迎えたがプレイ開始してから丸々4ヶ月という"碧"よりも酷い状況(汗)。恐らく、自分がプレイしたRPG歴において最も時間が掛かってしまった1本なのではないかと思います。それでも、エンディングまで到達出来たことは、ソフトにそれだけの力があったからなのだろうと思っています。

■ゲームとしての全体感

 今回、これまでPCからPSPへ移った時と同様、また新たな設計を施した「軌跡」のシリーズは、操作系を大きくコンシューマ機に寄せた「零」や「碧」から次の段階に進み、ドット絵からポリゴンモデルへの変更が行われました。これまでも背景はポリゴン表現がなされていたのでカメラワークのダイナミックさはありましたが、人物までポリゴンモデルになったことでキャラクターの頭身が上がり、描かれる街並みなども大きくなったことでより、世界への臨場感が増したと感じました。その反面、ドット絵で表現されていた職人芸的拘りが失われてしまったのは残念でした。特に、ポリゴンでの頭身の高いキャラクターとそれに合わせた世界表現としては現在の「テイルズオブ」シリーズを基準に見てしまうと、かなりモデリングの時代遅れ感は否めず(感覚的には「テイルズ オブ シンフォニア」レベル(=10年前))、街中やダンジョンでのオブジェクトとの当たり判定や敵シンボルとの距離感に難があって、少なからずプレイし易さを阻害した部分もあったので、今後この方向に進むのであるならば技術的な面でもっと研究を進めて欲しいな、と感じました。

 技術面と言えば、ローディングの長さはかなりのストレスを生みました。しかも、その点についてのパッチが当たった後でプレイ開始をしたのにも関わらず、ちょっと我慢出来ない長さでした(苦笑)。友人に聞いた話では新型プレイステーション3の場合はそこまで遅くないとのことなので、初期型に近いモデル固有の問題であるならば配慮して欲しい部分ではありますね…。また、その初期型だから多発するのか気になるのが「度重なるハング」…(汗)。ハングしないにしても、戦闘中のラッシュやイベント挿入などで一瞬止まったり、ローディング中に音が飛んだりループする状況が出てプレイしていて不安になることが多いというのは何とも悲しいです。実害が遭ったのは3回で、何れもボス戦中やボス戦後のイベント中(つまりセーブされていないので、苦労したボス戦を最初からやり直し…)。「碧」でも同じ様にハングに怯えてプレイしていたので、日本ファルコムのプログラミング技術への信頼感はかなり落ちました…。次回以降、少しでも不安が払拭されるような改善を希望します。

 そういったゲームの本質的な部分ではない気になる箇所を除いて、「閃の軌跡」というゲームそのそものとしての所感を述べるとするならば、「色々と盛り上がる部分はあったし、ストーリー進行も悪くは無い。演出も良いとは思うけれど、各章がルーチンワークの様に感じてダラダラした印象も強く残った。最終の戦闘ブロックからエンディングまでの流れは100時間もプレイさせたゲームの区切りとしては最悪の部類(個人的にはPC88でプレイした「ガンダーラ」、セガサターンでプレイした「シャイニングウィズダム」に近しいと言っても良いくらい)。次に繋がるならば、次回予告くらいあれば印象も変わっただろうに…」というものです。

 結果的に100時間オーバーのプレイ時間は、ボリュームとして勿論満足した…というよりルーチンワーク的なものだったことからか、途中でお腹いっぱいになってしまった感覚がありました。それでも最後までプレイ出来たのは物語に何とか引っ張って貰えたからなのだとは思います。今回は「士官学院の生徒」ということがそもそもの縛りであったための弊害であるのは間違いなく、だからこそ良かった面(クラスメイトということでの衝突や育まれる友情、信頼へ繋がる描き方)と悪かった面(カリキュラムの流れからは逸脱出来ないこと)が他の軌跡シリーズと比べて顕著に感じられてしまうことで損をした面はあるかな、と感じています。
 それと今回、進行に日にちと時間が細かく設定されていて、季節的なものだけでなく「零の軌跡」「碧の軌跡」での背景的な動きも意識しやすい様になっているのは面白いな、と思いました。しかし、逆に今後首を絞めかねない要素にもなり得るので、気を付けて頂きたい部分ではありますね(既に時間軸的に合っていない部分があるかも…)。

■プレイ周り

 起動してから最初にバージョンアップの更新、そしてゲームのインストール。それらが長いのは最初だけだから良いとして、普通にゲームが起動するのが遅いのはどうにかならなかったのかな…と思います(プレイを開始するまでに、起動してから3分かかるなんて、インストールしてもこの状況というのには愕然としました)。更には頻繁にアクセスがあって、時折長いロードが挟まるのもちょっとどうにかして欲しかった。それでも、ゲーム中は比較的速く感じることもあったり、読み込む量のバランスが悪いのだな、と思いました(広いマップを一回で全部読んだりしている影響なのかな…。これもキャラクターの頭身が上がって世界が大きくなったことの弊害なのかも)。それでも起動直後が必ず3分ほど読み込むのはやはり問題。
 その他にもプレイ中に気分を害するという意味では、BGMが流れている最中にロードが発生すると、結構頻繁に音飛び(というより明らかにバグった時の様なある音が連続鳴っている症状)が出て、折角の気分が台無しになることも多かったです(このまま暴走するんじゃないかという不安も含めて)。戦闘中も斬ったり撃ったりする効果音が画面中の映像よりも遅れて鳴ったりすることも多々あって、これが初期型だけに起因するものだったとするならば、きちんと検証していないのかな…と思うと残念に思う部分ではありました。

■システム面

 ゲームシステム的にはこれまでの軌跡シリーズと大きな違いはないものの、だからこそのチュートリアル的演出が序章においては邪魔に感じてしまったのは贅沢かな(汗)。せめて要否を選択出来れば良かったのにと思いました。

 エニグマIIと似て非なる戦術オーブメント「アークス」は、これまでと異なりセットするクオーツが細かく分かれてしまったことで面倒が多くなり、利点(例えば攻撃3と攻撃2を一緒にセット出来る等、極端な特化型が作れる)よりも欠点(アーツ実装がクオーツそのものの内容に頼るしかない)が目に付くことが多かったです。属性値の合計で上位アーツが出現せず、既成のクオーツに左右されてしまうというのは良い面と悪い面があるためその使用感はプレイヤーに因るとは思うものの、クオーツの出現/入手タイミングでしか自分の意思を反映させられないことを考えると自由度が高そうで高くないな、と感じました。それでもクオーツの組み合わせはプレイヤー毎でかなりの個性が出ると思う反面、それが極端に難易度を左右する印象も残り、変なところで上級者用のシステムである様な気もしました。

 その他、新規に導入されたリンクの概念やフィールドを移動している際に突如始まるアクティブチャット、階段の上り下りが「テイルズ オブ エクシリア」的だったりするのも気になるところで(笑)、3D表現後発組だからこそ良いものは取り入れたのか、単なる真似なのか…。何れにせよ、取り入れるにしてももう少し本質的に良くして欲しいと感じたところは多いので(階段下りる時の操作、フィールド上のオブジェクトの当たり判定が大き過ぎるなど)次回以降に是非とも調整して欲しい部分です。描画部分に関しても、3Dの遠くのオブジェクトがポロポロと描画されるのも何とかして欲しかったかな…(セガサターン版の「デイトナUSA」みたいだった(爆))。

 それと、最後まで全然慣れなかったのは敵オブジェクトへの背後アタックによる先制。3段階の先制レベルがあるのは良かったですし、アタックするメンバー(武器)によって効き具合が違うというのも良いと思うのですが、3Dになって敵との距離感が分かり辛くなり、PS3のコントローラのアナログスティックの特性的な問題もあって敵への周り込みも上手く行かないことが多々あり、1回失敗して奇襲状態となり全滅したこともあります(苦笑)。慣れた様な慣れない様な…、そんな感じのプレイでした(敵に見つかった後、遠くまで逃げて引き返す際にバックアタック、という方法もやりましたが、思ったより上手く先制に繋がらない(そのままアタックしてしまったり、振り向かれたりする)ため、自ら周り込むプレイを多用していました)。

 敵を倒してもミラが手に入る訳でもなく、報酬としてミラを直接貰うことが殆ど出来ないシステムに最初は不安を覚えたりもしましたが、ミラに直結するセピス塊が換金出来ることで思ったよりもミラに困らない、かといって余裕過ぎる訳でもない適度なバランスで楽しむことが出来ました。もう少し装備類を買えたら助かった場面もあったかと思いますが、苦労した部分も含めて楽しんだと言う意味では丁度良かったのかも。

 苦労と言えば、先にも触れた3D化によるオブジェクトの当たり判定に関係しますが、細い道に限らず道の真ん中付近を歩かないと壁際のオブジェクトに引っ掛かったりして小回りが利かないことだったり、ノルド高原のちょっとした段差(下り)を馬に乗っても飛び越えられないのは結構なストレスでしたね。階段などもわざわざ自分で視点を背中側に向けて下に入れないとやり辛いし、大した高さでないなら飛び降りてくれても良いのに律儀に上り下りしなければならないのは苦痛でした。

 各章で特別実習に行く場合もパーティが入れ替わるために、クオーツの付け替えを強いられるのもかなり面倒でした。それだけならまだしも、作戦にて配置やリンクも直さなければならないし、同じパーティでもイベントシーンに登場するキャラを使っていない場合、シーンが終わった後にパーティが入れ替わった状態になっているのも最悪で、知らずに戦闘になってリンクが切れている状況だったり、装備が貧弱だったりと意図しない状況下に晒されるのは本当に迷惑でした。

 それでも、特別実習を終えて合流した他チームのメンバーは装備品が良いものに変わって来たりするのは良かったです(全く放置していたキャラですらそれなりの装備を持っていたりして、全ての面倒を見なくても何とか出来るバランスを取ってくれているのは楽でした。ミラに苦労しなかったのはこういった部分があるからでしょうね)。ちなみに、序盤は武器や防具が何処で売られているのかが全く気付いておらず(全て周ったはずなのですが…(笑))、序盤はボス戦でかなりシビアな戦いを要求されてしまい、「何だ今回のバランス、異様に辛い!」と思っていたら武器・防具が初期装備であることが原因であることを、売店で装備購入が出来たことに気付いて愕然としたりもしましたね(途中、一部の雑魚すら避けなければ進めないくらいに厳しい状況でしたから(笑))。

 各街を散策するのは極端に面倒に感じることもなく、直接指定してエリアなり場所なりに行けるのは、シリーズ中最もやり易かった印象がありました。エリア自体も狭いために然程周ることが面倒に感じなかったというのもあるかもしれません。

 その他では、ゲームと直接関係ない部分で「表示領域」について、初プレイ時黒枠付で表示されたので「何、このPSPをテレビに繋いだ時みたいな画面は。これが標準なの?」と思ったら、テレビが「ゲームダイレクト」の表示になっていたことが原因でした。にしても、PS3のゲームをプレイした中で特にそんな意識をした事がないので最初は驚きました(笑)。PSVitaとの共有の関係で720pだったのかもしれませんね。

■戦闘

 今回はこれまでのシリーズと比べて序盤から「バランスがシビア」と感じました。先に述べた装備の問題(笑)ではなく、キチンと準備して挑んだボスでも武器だけでどうにかなる敵が少なく、的確にアーツを使わないと泥沼の戦闘になることに加え、全滅の危機に陥ることも多いバランスです。アーツやクラフトで補えない部分はキチンとアイテム類も持ち合わせていないと状況を打開できずに、終わらない戦闘を続けるか全滅するか…といった感じです。逆にキチンと戦略がはまれば、そこまで極端なバランスにならずにあっさり…という場合もあるので、平均して見れば良いバランスなのかもしれませんが、初めて出会うボスでそんな戦略が立てられる筈もなく、まったくもって効くアーツを所持しておらずに物理ダメージも殆ど与えられない、という敵が来た場合は戦闘のやり直し(リセットすれば…と言っても起動に3分掛かるし…)となることもありました(苦笑)。
 個人的に今回最悪だったのはカトンボとパンダと鳥の化け物…。先に述べた先制アタックを狙って失敗した際、敵に囲まれた時に全滅させられた連中です。本当にもう嫌でした(怒)。その最悪加減を加速させたのは、レベルアップでEPが回復しないこと。アイテムに頼らざるを得ず、探索なども含めて遠出する時は色々と面倒に思うことが多かったです。その代わりと言っては何ですが、CPの回復手段がこれまでよりも格段に多くなりました(何せ釣りで回復するくらい(笑))。過去作では、ボス戦への道中でシャイニングポムが出現して、CPを簡単に半分くらい奪って行くことに怒り心頭でしたが、今回は回復手段も多くあったためにそういった怒りが湧くことはありませんでした…っていうか、シャイニングポムと出くわした記憶がないくらいです(笑)。更にその代わりと言っては何ですが(汗)、上位属性エリアでの戦闘ではCPが100回復することもあれば、満タンでも0になるものもあるというのがまた最悪で、ターン的に運が悪いとSクラフト撃つ気で居たのに0になって撃てなくなったこともあります(苦笑)。そこでこれまでシリーズをやっていてある意味初めて知った「Sブレイク」の効果(爆)。ターン的にCP0になってしまうキャラが居るならば、それが分かった時点で「Sブレイク」で割り込めばある意味で回避出来ることを理解するに至りました。これまで「Sブレイク」は「Sクラフト発動予約」的なものと理解していて、「即発動」ではなく「味方のターンで発動」だと思っていたので、これまでのシリーズでは特に使って来なかった仕様。もしかして、これまで要らぬ苦労をして戦い抜いて来たのでは…?(笑) それはそれとしても、CP0とVANISHを喰らったら、CPとEPが共にすっからかんとなり、何も出来ないに等しいキャラが出てしまうという仕様はかなり最悪。回復系の範囲モノのアーツやクラフトが少ない感じがして(特に使用可能になるのは後半だったりするから余計に)、その点もアイテムに頼るしかなくなっていた原因でしょうね。だからなのか、今回は料理を他シリーズに比べると多用した気がします。使い勝手の良い料理(トマト系やジュース、ティー類)は、常時一定数切らさない様にしていたくらいです。
 CP0やVANISHに次いで最悪だったのはHP50%回復。ボス戦でこれがボスに回ってしまうと、ただでさえ疲弊している状況には詰み確定となります(苦笑)。1度、状況的に厳しいながらもこちらが優勢を保っていたボス戦で、HP50%を取られてSPDダウンも重ねられて0アーツで強大な威力のアーツを喰らって全滅した経験は、その後のプレイに活かせた気がします(笑)。
 各種影響を軽減するアクセサリー群も重要ではありますが、今回は自分で買わないとならないタイミングがそれなりにあって(これまでのシリーズは大抵いつの間にか持っていて、それで必要メンバー分補えるものだったのに、今回は明らかに不足。それでもまぁ…と適当な装備でボスに挑んだら、石化・混乱・凍結・火傷などの状態変化が消しても消しても延々と付加され続ける悪循環になることもしばしば。そういった”詰み”もあったりする状況も「バランスがシビア」と感じた要因です。ある意味で「属性」や「耐性」が極端なので、その辺りは戦略的自由度は低いと言える気がします。
 そんな状況を乗り越えて戦ったり倒したりしたボスが、ソフトの暴走のために費やした時間や勝利した苦労が水の泡になるのはやはり許せません(怒)。ラッシュやボス戦後のデモシーンなどでフリーズが繰り返されたため、プレイ中は別の意味で肝を冷やしていましたね…。

 戦闘と言えば、絶対に外せない今回の「閃の軌跡」において最後にいきなりねじ込まれた「騎神戦」というモード。何だか迫力も戦略性も爽快感も無い「味気のないジャンケン」みたいな戦闘で、その割にはそこそこシビア(最終戦は1度負けました…)。もう少しどうにかならなかったのかな…というのが正直なところです。続編でも導入されるみたいなので(苦笑)、もう少し面白くなる様にして欲しいですね。ちなみに、ラストの騎神戦でも殴る場所を選択した後の動作デモにて暴走し、手前の戦闘やデモシーンなど全てやり直しになりましたから、最後の最後まで印象が悪かったです(苦笑)。何となくですが、戦闘で負けた時に「リトライ」をしてプレイをすると暴走している様な気もします。負けるなってことなんですかねぇ…(汗)。

■映像や演出

 導入部が「碧の軌跡」におけるとある場面を帝国側から描いたところから始まり、その5ヶ月前に戻ってゲームが始まるのは上手いですね。更には登場キャラを印象付けるのもお見事で、序章のラストにオープニングが流れ、普通に起動時に観ているものと印象が変わって観える(大多数知っている状態になる)というのもワクワクに一枚噛んだ演出となっているのはお見事。
 章立てとしての分け方はこれまでのシリーズ同様で、それぞれの中で描かれる登場キャラクターの想いや思惑などは印象的なイベントを経て、きちんとプレイヤー側に積まれて行きますし、布石の置き方と回収の仕方はこれまでのシリーズと同じ感覚で「物語を楽しむ力」として機能していると思います。特にメインキャストは最初からほぼ顔ぶれが揃っていて、段々と個々が掘り下げられて仲間同士通じ合って行く様を体験出来るのは、先に「弱点」として挙げた学生生活としてシナリオが進むからこそと考えれば、これが「閃の軌跡」の持ち味なんだなと感じられます。クラスメイトの殆どについて、その家族とも顔を合わせる展開が現在のエレボニア帝国の状況を浮き彫りにし、それぞれの立場がある中で1つのクラスとして纏まって行くトールズ士官学院特科クラスVII組は、とても想い入れが強くなって行きました(私の中では「家族」とも感じられた「零」「碧」の特務支援課の方が思い入れは強いですが)。中でも主役であるリィンは、私の中ではプレイした歴代RPGの主人公の中でも割と魅力的・印象的に映りました。家族系のエピソードは、アリサ、ガイウス、ライラ、マキアス、ユーシス、エリオットといったクラスメイトそれぞれで実習を通じて用意されていたのも良かったです(エマ、フィー、ミリアムは多少の周辺事情は描かれたものの、謎は謎のままで終わっている部分も多いので、続編に期待!といったところでしょうか)。「ゲーム進行」という視点で見るとルーチンワーク的な側面が際立ってしまったシステムではありましたが、「シナリオ進行」という視点で見ると、信頼や絆を積み重ねて行く中でそれぞれの置かれた立場や想いに触れることは必要であり、それが「特別実習」という形でシナリオに無理なく組み込まれていたことを考えると、一概に「学院生活に沿った流れ」を否定出来ないのが、このゲームの一長一短であるだけに評価が難しいところではあります。
 にしても、最後の急展開は怒涛の如く押し寄せるイベントで盛り上がったものの、そのまま雪崩れ込んでしまうエンディングはRPGとして100時間遊ばせたゲームのラストとして最悪の部類ではないかと感じてしまいました(汗)。次回予告でもあればまだ良かったと思うのですが、ラストバトルもいきなり仕様が変わった騎神戦でテンションが下げられてしまったところにこの結末なので余計に印象が悪かったです(灰の騎神ヴァリマールを呼ぶところまでは、「.hack //G.U.」でハセヲがスケイスを呼んだ時に似ていて気持ちは盛り上がったのに…)。あからさまに「途中」であり、続編ありきなのは構わないですが、一つの区切りとしてせめて「事件の解決」的なものは欲しかったです(終わり方として「闇の血族」を思い出しましたが、あちらは次回予告が素晴らしかったので印象帳消し…よりも好印象だった(爆))。
 何だか褒めた箇所が少ない感じなので、好きな箇所をざっとピックアップしますと、外せないのは最後の学院攻防戦での教官達の強さ(若かりし頃の二つ名だったり戦績が明らかに)は背筋に来ましたね。そのタイミングで同時に明らかになるシャロンの本業やミスティのクロチルダ以外の正体。この辺りは一気にオープンにし過ぎ(「オレ、全部持ってるぜ」的)だと思うものの、その驚きが大きいほどに気持ちは盛り上がるので、演出的にはタイミングとしても文句無しでしょうね。そして、颯爽と登場した高速巡洋艦「カレイジャス」がツァイス中央工房の技術が入った「アルセイユ」二番艦だということ。これからの旗艦として続編では活躍を期待しますが、頼むから艦隊戦みたいな戦闘システムは用意しないで欲しいです(苦笑)。ノルドでの夜、アリサと夜空を見上げるシーンも印象深いものがありましたね。クロウの位置付けについては、最初からクラスに編入される理由に無理を感じていたこともあって、一人だけ「クラスメイト」感を持てなかったことがラストの展開で「やっぱり」と思えてしまうのは脚本的にもう少し捻っても良かった気がします…って、褒めから脱線してしまいましたね(笑)。他にも細かい部分で言えば、エリオットの楽団友達とのやり取りだったり、フィーが花を育てるエピソードだったり(「テイルズ オブ グレイセス」のソフィにもありましたが)、エピソードは細かく詰まっていて、全てが少しずつ詰まれて行くのは、これまでのシリーズ同様楽しめました(今回はかなり丁寧に遊んだ感じがしますが、行ける範囲が限られていたこともあって、全部周るのもそれ程苦でなかったことも理由として挙げられると思います)。個人的には、「零・碧」の様な推理をするシステムが楽しかったので、捜査官でなくなったとは言え、物事を整理する時にシステムとして残してくれても良かったかな?と思いました。

■音楽

 「英雄伝説」における「軌跡」シリーズも「空」「零・碧」「閃」と楽曲的にも沢山の楽曲が投入されて来たと思いますが、「零・碧」からメインをコンシューマに移してから少し雰囲気が変わったと感じました(最初に耳に入って来た時点で「おっ」と思う印象のものが多くなった感じ)。それでも、シリーズとして積み重ねて来た色としては変わらず、その時々を彩る楽曲が用意されていたと感じる今回の「閃」に関しては、あまりに馴染み過ぎてしまったために「強烈に印象を残す」というよりも「そのシーンを最大限邪魔せずに印象付ける」という感じで終わってしまった感があります(曲はどれもしっかり印象に残っていながら口ずさめない感じ)。主題歌「明日への鼓動」がシリーズ屈指の盛り上げをしてくれたと感じるだけに、その点は少々勿体無い感じがします。その中でもやはり「明日を掴むために」「全てを賭して今、ここに立つ」の2曲がシーンの盛り上げもあって印象に残っています(「零の軌跡」の最後の山場に流れた「Inevitable Struggle」から「Get Over The Barrier! -Roaring Version-」と同じ印象です)。ファルコムの楽曲はやはり、ヴァイオリンやギターのソロ、ブラスとストリングスのメリハリがあってこそだと思うので、「ここぞ!」という時以外にも印象に残る楽曲が欲しいところです。収録曲数が多いのが今のゲームの常識になっていますが、少ない曲数で的確に場面を演出する方向でも構わないと思っています(1曲メインとなるテーマがあって、それを多彩にアレンジするくらいでOK)。

■キャラクター

 「軌跡」シリーズに登場するキャラクターたちはとても魅力的であり、それは「閃」でも受け継がれています。「零・碧」での特務支援課ほどではないにしても、今回の特科クラスVII組のクラスメイトたちもそれぞれ気に入ってはいますが、今回何と言ってもトワ会長が素敵すぎです! 「空」のメイベル市長に肉薄するほどの魅力を持ち合わせたキャラクターが登場するとは…という感じでした(笑)。その他にも、エリオットのお姉さんであるフィオナやアルフィン皇女もとても魅力的でした。エリゼは少々あざとさがあるのと、クロチルダは…まさかの展開だし(汗)。
 そういった本質的な魅力ではなく、ゲーム中の表現として見ると今回の「閃」はポリゴン描画のキャラは頑張っていると思うものの、まだまだ発展途上な感じがします(「テイルズ オブ」と比べるとかなり遅れている感じがある)。個人的にはドット絵での(「碧の軌跡」までの)表現の方が好みではありました。それでも、トワ会長を気に入った理由の中には少なからずポリゴン表現のキャラクターがあった訳ですから、今後技術が向上したらもっと魅力的に描いてもらえるのかと思うと今後が楽しみです(笑)。
 ちなみに、私が1回のプレイで絆レベルのトロフィーを獲得したのはトワ会長、フィー、ユーシス、ミリアムの4名。学院際の時にトワ会長ばかりでなくサラ教官ももう1回お誘いしていれば、サラ教官もトロフィー獲得出来たみたいだったので、勿体無いことをしたかも…。にしても、何故ユーシス?という感じではありますが(笑)、男性キャラの中ではユーシスが一番気に入っていて、絆ポイントアップの際にトワ会長、フィー、サラ教官、ミリアムを漏らさない様にして余った時はユーシスを選んでいたら結果的にこうなった、という感じですね。
 それはそうと、劇中においてリィンが変にしゃべらない(声が付かない)時があるのは「?」でした。リィンはプレイヤーキャラだからということで、必要以上に前に出ないようにしているならまだしも、声が付かないだけでしゃべってはいる時点で、他のキャラとの掛け合いが必要な時に唯一声が出ていない場面が結構あって、それは違和感でしかありませんでした(「テイルズ オブ エクシリア2」のルドガーですら違和感があったくらいですから)。しゃべるなら他のキャラと同じ様にしゃべる、しゃべらないなら他のキャラもしゃべらない方が良いと思います(フルボイスなら問題はなくなるのでしょうけれど)。

■最後に

 プレイ途中から気になったことをメモしてプレイ終了後に感想としてまとめましたが、プレイを終えてから4ヶ月半も経ってしまい、書いては間を開けてまた書いて…を繰り返したら、何とも中途半端な所感になってしまった部分も多いかと思いますが、それでも何かは書き残しておきたいと思って仕上げたものです。昨年末からずっと色々と忙しく、ブログを書く余裕が本当に無くなってしまったのですが、気が付けばもう数日後には続編の発売を迎えるという時期に…(汗)。直ぐに始めることは出来ないとは思いますが、年明けには「テイルズ オブ ゼスティリア」も控えていますし、何とかそれまでにはプレイし終えられたら良いな…と思っています。プレイ中はもう暴走に怯えることなく、ロードの遅さに辟易することなく、騎神戦がじゃんけん運バトルでなくなる様に、トワ会長の行く先に幸多いことを祈って(笑)、この雑多に綴った所感を締め括ろうと思います。

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