「中村繪里子ワールドミュージックフェスティバル ら▼ら★ら♪なかむランド ~Love▼Laugh★Live♪~」参加
「アイドルマスター」の天海春香役である中村繪里子さん。その中村さんがソロアーティストとして活動を始めた2012年。興味はあったものの参加出来なかった1stライブ、参加出来たものの気後れして乗り切れなかった2ndライブ、初めて全力で楽しんで感動を覚えた3rdライブ、変わらない良さと進化の両立を実感した4thライブ。途中、3rdと4thの間に「えりコン~コンにちは2014~」を加えて、3つのライブと1つのイベントに参加し、気が付けば中村さんのソロ活動を応援する様になって2年半も経っていました。”も”と表現はしたものの、寧ろ短く感じるくらいの感覚。それぞれに強い印象を残す「なかむランド」とは中村さんのソロ活動を統括する名称で、「Love」「Laugh」「Live」という3つの”L”を根幹にもったステージが展開。他でもない中村さん本人だからこそ創れる空間として唯一無二のライブステージになっている…と私は思っています(笑)。
「なかむランド」の3rdライブで初の試みとなったアコースティックアレンジされた楽曲の披露。その「約束の木の下で」「君に逢いたくて」の2曲は、原曲もアコースティック的だったので極端に印象が変わるものでは無かったものの、Blu-ray発売記念イベントとなった「えりコン」で披露されたアコースティックアレンジの「ハルカな場所へ」「Luminous」「ココカラ」の3曲は、原曲と違う顔を見せてくれたことにとても感動しました。そんなアコースティックをベースにした「なかむランド」が開催される。そんな情報を聞いて楽しみにしない訳がありません! 「旧譜のアコースティックアレンジはどんな風になるのかな」「ライブ前に新曲がリリースされるかな」など、想像を膨らませて開催日が近づくのを待っていたのですが、CDのリリースが無い(つまり旧譜だけで構成される)だけでなく、いつの間にか「アコースティックライブ」の正式タイトルが「ワールドミュージックフェスティバル」となっていて、単なるアコースティックライブであろうと思っていたものから物凄く広がった印象でライブがどんなものになるのか想像出来なくなりました(笑)。ある意味、そんなところも「なかむランド」らしくもあります。これまでは「なかむランド」を遊園地として見立て、楽曲披露のブロックをアトラクションと称し、メリハリのあるステージ(植木さんとのトークパートだけクダグダだけど(笑))が展開されていましたが、今回の5thはどの様なライブになるのでしょうか。もう、何から何まで想像出来ない今回のライブへ向けて、気持ちは期待とか不安とかではなくて「純粋なワクワク感」だけしかありませんでした。他のライブではちょっと味わえない感覚かも。
そんなこんなで迎えた当日。特別物販を気張る気もないので、開場10分前くらいに現地に着けば良いかな?と行動開始。会場となる相模女子大学グリーンホールは初めて足を運びますが、中村さんのたっての希望で選ばれたらしいこの会場。それがどんな意味を持つのかは開演してからのお楽しみということで。開場が15分近く押したものの無事入場。必要なものを物販で購入(今回はパンフとえりぽっくるのクリーナーを選択)し座席へ。飲み物が心許なかったものの、「アコースティックがメインならそれ程汗も掻かないだろうし大丈夫かな」と。
席に着いて間もなく、場内アナウンスが。これまでは遊園地ベースだったので、園内放送風味で諸注意を案内していたアナウンスが、今回は「ワールド」というだけあって、航空会社の機内アナウンス風に変化。「ERI航空」の乗客と化した観客席は、これから始まるステージが楽しみで楽しみで仕方がない、そんな空気に包まれていたように感じます。
開演直前のアナウンスは管制塔とのやり取りに変化し、田村睦心さんと思しき声の主が場内のスタッフにフライトの許可を与えるような流れが芸が細かい! そして始まるオープニング映像は、凝りに凝って完全にERI航空のジャンボジェット機(55便)がフライトし、世界を巡る様がCGで描かれて、遊び心にも溢れた演出が今日のライブも楽しいものになることを約束してくれている様でした。
ステージが始まると、バンドメンバーがいつもの「ぽっくるず」の面々ではないことが分かり、どんなステージが始まるのか全く想像できません。ただ1つ分かることは「”なかむランド”の本質は変わらないだろう」ということだけ。場内にはフライト中の客室アナウンスが流れ、機長である中村さん(笑)から最初の目的地に向けて順調に飛行しているとのご報告。バンドメンバーをはじめ、舞台上のメンバーは客室乗務員、観客である私たちはファーストクラスの乗客であるという設定で、今日は世界各国を巡る旅を存分にお楽しみください!的な挨拶を経て、メインスクリーンにERI航空55便が世界を飛び回る映像が。そのジェット機が最初に訪れた国の国旗がスクリーンに映し出されます。…イギリス!
すると、「君に逢いたくて」とスクリーンに表示されるものの、知っている様で知らないアレンジが流れて来ました。「ブリティッシュロックVer.」として表記されたそれは、イギリスど真ん中とでも言えば良いのでしょうか(笑)。登場する中村さんの出で立ちも白のブラウスにネクタイ、キュロットスカートという纏め方で、「イギリス」の雰囲気でステージを衣裳でも纏め上げます。続くは「Rocket Smile」も同様のブリティッシュロックVer.で駆け抜けて、「どこがアコースティックライブだ!(嬉)」というノリノリのスタートダッシュに、汗を掻く気全く無かったのに「熱いライブになりそう!」とギアを入れ替え、”音楽と共に世界を巡る旅”に出掛ける準備が自分の中でようやく整った感じです。これまで参加した「なかむランド」の延長で想像していた今回の「ワールドツアー」は、既に想像を超えた内容で押し寄せて来ていてワクワクが止まらなくなっていました。単純にステージを積み重ねるだけでも嬉しいのに、こうした企画を実現させるだけの中村さんのパワーと協力してくれるスタッフのパワーや繋がりを感じ、形に捉われないのが「なかむランド」の神髄なんだな…とこの時点で漠然と感じていましたが、それはこのライブが進むにつれて確信に変わって行きました。
2曲でイギリスを終えて、その後に続く各国も2~3曲を重ねて移動するスタイルで、その都度メインスクリーン上のERI航空55便に気持ちを乗せて飛ぶ時間が「次はどの国に行くんだろう」というワクワクを募らせ良い具合にメリハリとして機能し、国旗がスクリーンにドンと表示される度に沸く場内の空気からしても効果的に機能した演出であることを感じました。その国を代表する音楽スタイルに合わせてアレンジが施された各楽曲は、中村さんの歌として良く知るものであるのに新鮮で、そして「この国なら、アレンジにこういうフレーズが入って欲しいなぁ」と思うような部分も随所に散りばめられ(イギリスのロック、ジャマイカのレゲエ、スペインのフラメンコ、フランスのシャンソン、イタリアのカンツォーネ、ブラジルのサンバやボサノヴァ、アメリカのカントリーやハードロック等、「これこれ!」という楽しさがあった)、楽曲の隅から隅まで楽しめるようになっているのも感じ、それをその国を象徴するような衣裳に身を包んだ中村さんが渾身の力を込めて全身で表現するのですから、楽しめない訳がありません。時にはゲスト奏者やダンサーも加えて表現する世界は、副題として付けられた「ワールドミュージックフェスティバル」の印象そのもので、当初の「アコースティックライブ」をも内包した今回のライブは、参加前に想像していた内容を完全に凌駕していました…というより、完全に別物でした(笑)。
にしても、今回誰もが「特筆したい!」と思っているであろう、「ごった煮的要素で構成されているのに、ちゃんと”なかむランド”として成立している!」という点(決して、ダンサーの踊りが結構激しくて、派手に揺れる胸元に目が行った件ではありません(爆))。中国では二胡、ブラジルではサンバダンサー(楽器じゃないですが(笑))、アイルランドではヴァイオリン、までは個々の個性を出す形で演出されていたものの、アンコールに入ってから投入されたゲスト奏者が担当するのは和太鼓! ということで、中国、ブラジル、アイルランドも含めた全員を招き入れて「お祭り」アレンジがなされた我らがテーマソング「ら▼ら★ら♪なかむランド」が披露された時には本当に衝撃的でした。「なんだコレ!(笑)}的な感覚と「スゲェ!」が混じった気持ちで、もう「楽し過ぎる!」という言葉が恐らく最適解なんだろうと。ステージ上の雰囲気で言えば、NHK紅白歌合戦の白組のトリで北島三郎さんが「まつり」を歌っている時のようだと言えば伝わりますかね? もうそれくらいにワチャワチャしていて、なのにちゃんと「なかむランド」で。今回のライブは、全体でこそライブの体(てい)ではありましたが、皆で楽しんだ「お祭り」だったというのが一番しっくり来る感想なのかもしれません。ある意味欲張りな中村さんが今やれる事を全部盛り込んで実現させた、これまでの「遊園地」とは違うなかむランドの形。決して独りよがりで構想したものではなく、「皆で楽しいものを!」「喜んでもらえるものを!」「何より自分が最も楽しいと感じるものを!」といったメッセージをステージから強く感じることが出来た今回。通り一辺倒で企画されるライブ的発想からは到底辿り着かないエリアだったように思います。元々私自身が「唯一無二」として感じたからこそ、「アイマスの声優さんの個人活動は極力追わない」と決めていながらも中村さんのライブだけは追っている訳ですが、これは想像を超え過ぎでした(笑)。勿論、褒め言葉です。
もう1つの特筆事項は中国ステージ(って書くと格闘ゲームとかみたい(笑))の途中、中村さんの想いを綴った「”あなた”への手紙」の朗読で、心の揺さぶりが凄まじかったことでしょう。でも、中村さんの持つ”言葉の力”というのを生で感じることが出来たこの時間は、中村さんからの感謝の言葉が強く強く伝わって来て、「こちらこそだよ!」と聴き手である観客席側の皆が思ったことでしょう。各MCパートでのついつい話し込んじゃうトークも健在でしたが、本当に根底にあるのが”感謝”と”喜び”であることが伝わるので、観客側としても「トークライブ」としての素敵な時間。今回のMCでは、誰もがフェイントを喰らったのでは?と思った本編最終曲前MCの「新しい国に名前付けました」と言われて、心の中で「”なかむランド”だ!」と呟いた直後、中村さんの口から「”Happiness”と」と紡がれて、「あ、あれー?(汗)」と思ったのが特に印象に残りました…って、これは私だけじゃないですよね?(笑)
今回、イギリスからジャマイカ、スペイン、フランス、中国、イタリア、ブラジル、アメリカ、アイルランドと各国周って、アンコールで日本(特に明記はされていなかったのですが、和太鼓出てお祭りアレンジだったので「日本」ということで)を訪れ、意外なアレンジだったり、ど真ん中的アレンジだったりを披露してくれた訳ですが、このステージが実現したのは中村さんの熱烈なラブコールを受け止めてくれた黒須克彦さんの協力あってこそとのこと。アレンジだけでなく、構成やプロデュースも担当してくれて、ステージを支えてくれたミュージシャンの方々の声掛けも含めて素晴らしいステージを創り上げるのにお力添えくださって感謝しています。勿論、最高のパフォーマンスを披露してくださったミュージシャンやダンサーの方々にも。そして、何よりそれがこういう形で結実したのは、間違いなく中村さんの持つ”人間力”の成せる業なのだと感じることが出来て、本当に凄い人だな…と改めて思いました。密度の濃い約3時間半のステージは、他のライブとはまた違った幸福感と満足感に満ち溢れ、参加した全員がキラッキラの笑顔で帰路に着く姿を目にして、本当に旅行の帰りみたいに見えたのが不思議な感覚でした(笑)。
本当に唯一無二のステージが体験出来た今日の光景はその感覚も含めて忘れないでしょう。そんな空間を創り上げた全ての方達に心からの感謝の気持ちを込めて、ありがとうございました&お疲れ様でした!
■付録:参加メンバー(敬称略)とセットリスト
Gtr:山本陽介
B:工藤嶺
Key:野崎洋一
Dr:北村望
Per:大串友紀
Cho:ENA
Vn:地行美穂
二胡:里地帰
和太鼓:MORIMITSU
サンバダンサー:朱織
ダンサー:ゆい、桃子
アレンジ・構成・プロデュース:黒須克彦
- 【イギリス】 君に逢いたくて (ブリティッシュロックver.)
- 【イギリス】 Rocket Smile (ブリティッシュロックver.)
- 【ジャマイカ】 Neutral (レゲエver.)
- 【ジャマイカ】 Bye-bye Good-bye (スカver.)
- 【スペイン】 CRIMSON (スパニッシュver.)
- 【スペイン】 Ever Growing (スパニッシュver.)
- 【フランス】 プレイヤ (シャンソンver.)
- 【フランス】 てのひらのLOVE&PEACE (フレンチポップver.)
- 【中国】 星屑スナイパー(inst.) (二胡ver.)
[”あなた”への手紙] - 【中国】 花 (二胡ver.)
- 【イタリア】 雨音 (カンツォーネver.)
- 【イタリア】 約束の木の下で (カンツォーネver.)
- 【ブラジル】 見えない星 (サンバver.)
- 【ブラジル】 ホシノシズク (サンバver.)
- 【ブラジル】 キミノツバサ (ボサノヴァver.)
- 【アメリカ】 Jewelry Smile (カントリーver.)
- 【アメリカ】 ハルカな場所へ (アメリカンハードロックver.)
- 【アメリカ】 now's the time (アメリカンハードロックver.)
- 【アメリカ】 Rustic Smile (モータウンver.)
- 【アイルランド】 milky way (ケルトver.)
- 【アイルランド】 Happiness (ケルトver.)
- 【日本】 ら▼ら★ら♪なかむランド (お祭りver.)
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