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2017年5月 6日 (土)

「TOKYO GAMETAKT 2017」昼公演参加

 ゲームミュージックを親しみ続けて早幾年。今でもゲームミュージックを愛する人々の手によって生み出し続けられ、支え続けられていると思います。しかしながら、有名作品は誰もが知る曲として認知されることも多いですが、売上本数が振るわなくても名曲が実装されているゲームは沢山あり、それらが日の目を見ることは驚く程に少ないと感じています。何でもCD化されていた(売れるとは思えないものや、人気にあやかって適当に作られた商品もあった)時代からすれば、現在は完全にニッチ層に向けた商品になっています。

 そんな中、国民的RPGとして君臨し続ける「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」のシリーズは頻繁に「オーケストラコンサート」として開催され、多くの人にオーケストラを手軽に楽しんでもらったり、より臨場感を持って耳に届けられたりしています。しかしながら、オーストラコンサートも著名な楽団に演奏依頼をしたり、それなりの会場を押さえたりすると大きなコストが必要になるため、客の入りが見込みづらいマイナータイトルのコンサートが開催されることは殆ど無く、有志で開催しようにも奏者が集まらなかったり、求めているレベルでなかったりと実現する為の壁は沢山あり、これまで「様々なゲームミュージックをオーケストラで演奏する」といった志を持っていくかの団体が作られたりしたものの、やはりその実態として少なくとも自分にとっては満足の行く活動が出来ているとは思えませんでした(運営の事情で休止・解散したり、コンサート頻度があまりに少なかったり、演奏曲目に目新しさが無かったり…)。

 自分が最後にゲームミュージックのオーケストラ公演を聴きに行ったのは、2013年10月の「日本BGMフィルハーモニー管弦楽団」の旗揚げ公演。演奏曲目に「グランディアのテーマ」と「交響組曲アクトレイザー」という名前を見つけて参加した訳ですが、その方向性や実際に聴いた演奏に今後を期待していたものの、それ以降色々あって団体が分裂し(本当に残念ですが、立ち上げた市原雄亮氏の思想と熱意は大いに共感しています)、結局自分が好む方向性とはマッチしない形になってしまい(特に分裂した一方の団体であるJAGMOは琴線に触れずに)現在に至ります。

 それから3年半の中で、タイトルやシリーズで幾つかのオーケストラコンサートが開催されました。「テイルズ オブ」だったり「ファンタシースター」だったり「Nights」だったり…。結局タイミングが悪くてどれも足を運べていないのですが、足を運びたかったなと思える作品群ですし、企画自体がとても好みでした。しかし、昔から本当に「実現しないかな…」と思っていたのはゲームアーツ制作のRPG「ルナ」や「グランディア」の単独タイトルのオーケストラコンサートで、指揮や編曲は作曲者である岩垂徳行氏その人に。そんな公演を夢見ていました。「ルナ」も「グランディア」もシリーズが継続しているならまだしも、完全に失われてしまっている現状では夢を実現するのは難しいだろうな…と、特にその事について考えるタイミングも少なくなって行きました。

 そんな時に目にした「ゲームタクト2017」の開催と演奏曲目に「LUNAR ETERNAL BLUE」の文字。これは一種の衝撃でした。正に「…え? 本当に?!」と目を疑うという滅多に無い感覚に襲われたくらいです。他の演奏曲目が知らないものばかりだったので正直参加を迷ったものの、それは一瞬。「こんな機会、再び巡って来ることは無いかもしれない」、そう思ったらこの機会に出逢えるのもご縁だからとチケット手配を試み、Web先行でしっかり当選。晴れて当日の参加が確定しました。

Img_1520s  会場は大田区民ホール・アプリコ。蒲田駅から直ぐにある会場で、なかなか立派なホールです(完成してから18年ほどの比較的新しい会場)。開催当日の朝は「ルナ -ETERNAL BLUE-」関連のサウンドトラックを聴いて準備し、会場までの道中は耳のお供にもして気持ちを高めて行きました。少し早めに着けば、岩垂さんにご挨拶くらい出来ないかな…なんて思っていましたが、流石に今日は指揮も務める訳ですから、物販会場で売り子をしていたりすることはありませんでした…(笑)。
 パンフレットを購入して座席へ。着席すると8列目のど真ん中という、ステージ全体を見渡すのに丁度良いくらいで肉眼で十分に奏者も見える好位置ということに驚き、「これもルナが繋いだご縁かな」と感謝。それと「ルナ -ETERNAL BLUE-」だけがある意味目的ではありつつも、その後に更新された演奏予定曲の中にHiro師匠参加の「スペースハリアー」や古代祐三氏参加の「世界樹の迷宮メドレー」といった自分でも分かる、しかもそれぞれ作曲家として当時から親しんで来た作品に携わるお二方も加わっていて、普通に公演自体を楽しみに会場入りしていました。

 座席に着いて間もなく「プレトーク」ということで、坂本英城氏、大久保博氏、光田康典氏の3名がステージ脇に登場し、間もなく開演なので慌ただしい楽屋のことや開催準備のこと、作曲当時の背景やオーケストラアレンジについてのこと等を色々聞かせてくれました。開演までの待ち時間にこういうトークがあると、待ち時間も楽しく過ごせるので嬉しい配慮。大久保さんは「エースコンバット」の関係でナムコ初のニューヨーク出張をしたエピソード、光田さんはスタジオ録音とホール録音について(特にホール録音のメリットとして、奏者のテンションが変わる事を挙げられていて納得)興味深い話が聞けて良かったです。終盤にHiro師匠と古代祐三さんが出て来て注意事項の案内を運んで来てちょっとだけトーク。

 あっと言う間に開演ブザーが鳴り、奏者の皆さんがステージに入場。全員がスタンバイ状態になって改めて感じたのはオーケストラ編成の大きさ。思っていた以上に大きな編成で、会場もしっかりした音響効果を発揮するホールであることからも「オーケストラを聴きに来た」という感覚が急激に増しました。

 コンサートミストレスの方が登場し、チューニングを終えたところで司会の森本未来さんと溝口謙吾さんが登場して挨拶、そして指揮を担当する後藤正樹さんが登場してコンサートスタート!

Img_1574s  本編は途中15分の休憩を挟む2部構成で、最後はアンコールで2曲。パンフレットに演奏曲目と順番が載っていて、アンコール曲は明記されていなかったもののサイト上の演奏予定タイトルには記載があったので、本当の意味でのサプライズは演奏そのものにあるという構成でした。
 ステージ正面上部にはスクリーンが設置され、演奏タイトルのゲーム画面(PV的なものや演奏シーンに合ったプレイ画面、デモ画面等タイトル毎に異なる)が映し出されたり、奏者を映したりして良い感じの演出効果を生み出していたと思います。
 奏者はプロ、アマ問わずのプレイヤーで、ゲーム音楽への熱意と演奏技術を併せ持つ人たちが選ばれていると思いますが、演奏はどれもしっかりしたものでそれぞれ聴き応えがあって胸を打つものでした。だから知らない楽曲でも、オリジナル楽曲が持つシーンを彩る力が伝わって来て(スクリーン上のゲーム映像も予想以上に効果的に働いていた)満額楽しむことが出来ました。やはり、ゲーム音楽は作品に力を与え、その時々のシーンを強烈に心に刻み込んでくれるんだな、と改めて感じました。
 奏者の中には作曲者自ら参加している方もいらっしゃり(Hiro師匠は「スペースハリアー」でピアノ参加、なるけみちこさんはパーカッション、谷岡久美さんはコーラス等)、時には指揮者としても活躍されている姿は新鮮さもあって、イベントのテーマである「みんな、ともだち」というのが体現されたステージでもあるんだな、と。プロの楽団が雇われて演奏するのとは違う良さが垣間見えた気がします。曲間のMCも少なめで(ちょっと短かすぎる気も。折角作曲者自らコメント出来る時間なのですから、もう少しお話しが聞きたかった…)、感覚的には「題名のない音楽会」の様な空間でした(笑)。
 曲によってはボーカルも付いたり(霜月はるかさんは自身の曲で指揮とボーカルを担当。ボーカル中は、オーケストラアレンジを担当した岩垂さんが指揮代行していました)、男女混声の合唱隊(15人くらい?)も配置されたり、弦楽五重奏があったりして(ここにパーカッションとして加わった作曲者のなるけみちこさんは、演奏終了後「私は居なくて良かったんじゃない?」とコメントされていましたが、こういう枠にとらわれないスタイルがこの「ゲームタクト」の特色なのではないかと感じるし、音楽とは本来そういう自由度が良いと思うので不要なんて思いません!)色々な音楽を楽しめたことも特筆したいところです。何より、ボーカルとして今回の昼公演では、霜月はるかさん、河野暁子さん、SAK.さん、サラ・オレインさんといった、直接歌声を聴くのが初めての方々の熱量の高いボーカルが聴けたことは貴重な体験となりました。こんなにも素晴らしい歌声でゲーム音楽に貢献してくださっていたんですね…。

 全体感としてざっくり書きましたが、各楽曲それぞれに良さがある中でやはり残しておきたいのは『「LUNAR2 ETERNAL BLUE」メドレー』についてです。

 岩垂さんがスコアを持って登場し、指揮台の上に立って構えた瞬間から僕は完全に「LUNAR -ETERNAL BLUE-」の世界に入り込んでいました。最初の一音目が鳴った時、もう頭の中には「私は、青き星のルーシア。この世界は危機に瀕しています。私をアルテナに会わせてください」という声が響いていました。メインの旋律を奏でる木管楽器、下支えするストリングス、優しく包むブラス…。メインスクリーンに映し出される「LUNAR2」のオープニング映像も手伝って、完全にその当時の感動が蘇っていました。
 メインテーマをそのまま終えるのかと思いきや途中で切り、「ゾファー出現」へ。男性コーラスが不安を掻き立て、世界の危機が身に迫っている感覚に襲われます。そんな中で「明日へのフィールド」に続き、若き冒険者たちがそれぞれの理由を胸に共に戦う姿が浮かび上がります。そして始まる「激闘~Battle No.2~」は、正にヒイロ、ルーシア、ロンファ、ジーン、レミーナ、レオ、ルビィのそれぞれの魂を感じる熱量が生み出されて拳を強く握ってしまいました。もうアルテナが居なくなってしまった世界に一人取り残されたと絶望するルーシアの隙を突いたゾファーに敢然と立ち向かうヒイロたちに、多くの感情を揺さぶられるルーシア。そういった人間の想いの強さとゾファーの力がぶつかり合う最終戦闘「ゾファー vs ルーシア」は、自分がヒイロたちの想いに感情を重ねた時の気持ちを完璧に取り戻してくれました。辛くも勝利を収めたヒイロを待ち受けていた「別れ」。そして、想いを貫いたヒイロが救ったもう一つの世界。凍てついた青き星の雲が晴れ光が差す「ETERNAL BLUE -永遠の想い-」が、冒険の日々を癒しこれからの未来を明るく照らす様に、聴き手の心を優しく包んでくれました。まさかの男女混声による歌唱まで来るなんて思わなかったので、この時点で僕は涙が溢れてしまいました。
 最後の一音を聴き終え、心からの拍手(本当はスタンディングオベーションしたい気持ちでいっぱいでした)を贈りました。指揮をする岩垂さんがとてもカッコ良くて、奏者もしっかりと岩垂さんに応えてくれて、自分の中にあった「岩垂さん指揮でルナの曲のオーケストラ演奏が聴きたい」という夢の1つが叶った喜びと感動で胸いっぱいでした。この時間は本当に宝物です。にしても、演奏会で涙を流したのも随分久し振りだな…と思ったら、オーケストラでなく吹奏楽、しかも素人の演奏(「響け!ユーフォニアム」スペシャルイベント)で感動して泣いたことが2015年10月にありました(笑)。

 別会場(小ホール)で「レジェンドコンポーザーズ」という垂涎のイベントをやっていたのですが、有料観覧ということで泣く泣く断念(っていうか当日券はあったのかしら…?)。今回は目的が「LUNAR2 -ETERNAL BLUE- メドレー」だったので、そちらを見届けられただけでも大満足でしたから悔いはありません!

 次回開催されるのであれば内容関係無しに参加しても良いかな?と思えるほど、とても価値のあるイベント(演奏会)でありました。本当に素晴らしい演奏と沢山の作曲者様、奏者様、歌姫様との出会いをありがとうございました!

■付録:演奏曲目(記述が無いものは、指揮:後藤正樹(敬称略))

  1. GATE OF STEINER(『STEINS;GATE』より)
  2. Theme from THOUSAND MEMORIES(『サウザンドメモリーズ』より)
    ※指揮:いとうけいすけ
  3. 猛獣たちとお姫様メドレー(『猛獣たちとお姫様』より)
    ※指揮・ヴォーカル:霜月はるか/サポート:岩垂徳行
  4. MAIN THEME ~SPACE HARRIER~(『SPACE HARRIER』より)
    ※ピアノ:Hiro
  5. Awakening(『ファイナルファンタジーXI』より)
  6. High Sky(『TERRA BATTLE』より)
    ※ヴォーカル:河野暁子
  7. モンスターストライクシンフォニー 第6楽章~爆絶~ ゲームタクトバージョン(『モンスターストライク』より)
    ※指揮:桑原理一郎

    (休憩)
  8. 今あたしがつむぐ日々(弦楽四重奏)(『ノーラと刻の工房 霧の森の魔女』より)
    ※パーカッション:なるけみちこ
  9. Blue Skies(『エースコンバット04 シャッタードスカイ』より)
    ※ヴォーカル:SAK.
  10. 『LUNAR2 ETERNAL BLUE』メドレー(『LUNAR2 ETERNAL BLUE』より)
    ※指揮:岩垂徳行
  11. 文豪とアルケミスト(『文豪とアルケミスト』より)
    ※指揮:坂本英城
  12. 「世界樹の迷宮」メドレー2017 ~迷宮I 翠緑ノ樹海~迷宮V 遺都シンジュク~(『世界樹の迷宮』より)
    ※指揮:古代祐三
  13. Beyond the Sky(『ゼノブレイド』より)
    ※ヴォーカル:サラ・オレイン

    (アンコール)
  14. 閃光(『ファイナルファンタジーXIII』より)
  15. Glory(『予言者育成学園 Fortune Tellers Academy』より)
    ※ヴォーカル:サラ・オレイン/指揮:坂本英城

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