■前置き
木戸衣吹さん(以下いぶちゃん)と山崎エリイさん(以下エリイさん)の二人から成るユニット「every▼ing!」。いぶちゃんは「アイドルマスター ミリオンライブ!」の矢吹可奈役として知り、2013年12月に行われた「ミリラジ」の公開録音イベントの映像(2014年6月発売)で、しっかりと胸に刻まれ、エリイさんはいぶちゃんを目にする時に傍らに居る(つまり雑誌等で見かけたevery▼ing!の記事)印象的なお嬢さんという形で知り、Pyxis(豊田萌絵さんと伊藤美来さんから成るユニット)が出演するということで参加した「メゾン・ド・イーコエ」のイベント(2015年9月)にて、しっかりと胸に刻まれたという、それぞれバラバラのタイミングで知って気に掛け続けているお二人。
そんな出会い(?)ということもあり、お二人は何となく気に掛けているけれども、何か行動で明示的に応援している訳では無い(でも心の中では大好きという部類(笑))、という何とも不思議な存在。だからなのか、every▼ing!の活動は知っているけれども特に追ってもいないし、「アイドルマスター」界隈で手一杯なので増やせないなーという感じでずっと過ごしていました。
2016年3月、「チケットは獲ったものの他イベントとブッキングしてしまい、そちらを優先するから代わりに行かないか?」と急に振られたevery▼ing!の1stライブ「高校卒業記念 -Fantasia Show 2016 ~LESSON 1 はじまるストーリー~」への参加。”高校卒業記念”というワードに惹かれ、少なからずお二人のことは好きなので参加してみることに。歌を全く知らない為、リリースされている主だった楽曲を聴き込んで当日に臨み、参加者が暴れ放題な環境にはちょっと驚かされたものの、いぶちゃんやエリイさんのステージには十分楽しませて貰うことが出来ました。また参加したいかと問われると何とも言えない気持ちでしたが(笑)、聴き込んだ楽曲は「いい曲多いな」と思えるくらいに気に入ってはいました。
少しは意識をする様になったevery▼ing!の活動で、1stアルバムの発売や1stフォトブックの発売を知り「今回はそのお祭りに乗ってみるか!」と1stアルバムの発売記念イベント参加券を確保し、初めてのリリースイベントへ。間近で初めてお会いするいぶちゃんとエリイさんにかなりドキドキしながら、2年間の集大成と言える良いアルバムの完成を直接お祝いすることが出来た嬉しさを鮮明に覚えています…が、トーク短め、歌1曲のみ披露、お渡し会を含めて30分満たないイベントであった寂しさも強烈に印象に残る結果となり、自分の中では少し燻った気持ちが残っていました(苦笑)。
そして、そのタイミングで2ndライブは告知されていたものの、その当日は「アイドルマスター SideM」の2ndライブと被っていた為に参加が出来ず、お二人が参加したホリプロスカウトキャラバンの決勝の地である品川ステラボールでのライブという、凱旋ライブを見守ることが出来ずに残念に思っていた矢先の「every▼ing!活動休止」という驚きの報が…!
元々、女子高生ユニットということでデビューしたevery▼ing!は、高校卒業と同時に活動を終える予定だったらしいのですが、多くの支持があったことから活動を続けることにしたそうです。そして、二人が20歳という節目を迎える2017年に卒業コンサートを以って活動休止を決めたとのこと。
自分は寂しいとか残念とかいう感情が湧き上がる前に、その事実をそのまま受け止めるだけでしたが、何とも言えない気持ちではありました。
every▼ing!の活動休止前にエリイさんがソロデビューを果たし、間もなく1stシングルも発売されるという流れがあって、私自身も今更every▼ing!のFCに入会し、エリイさんの1stソロライブや1stシングル発売記念イベントに参加するなど活動休止の寂しさを紛らわすかの様にエリイさんのソロ活動を追った4月・5月。そして、詳細が発表されたevery▼ing!卒業に向けてのツアーと最後の卒業公演の発表が。
卒業ツアーの中に「青森公演」があって、自分の中に「every▼ing!としてこれが最後のいぶちゃん地元凱旋」という、力強い”参加する理由”が生まれてしまい、ほぼ迷わず参加を決めて申し込んで無事当選。当日の移動や宿泊などの計画も速攻でプランニングするなど、自分としても結構本気の取り組み(笑)。何と言っても、自分の故郷でもある青森で自分が(心の中で本質的に)大好きないぶちゃんを迎えられる(声援を贈り見守ることが出来る)ことにテンションが上がっていたことに尽きます。
こうした流れで、まさかの「遠征してevery▼ing!のライブに参加する」という行動に辿り着きました(笑)。
■ライブ当日(開演前)
ライブ参加をメインにしているのは勿論ですが、折角行くなら現地での観光だったり美味しいものを食べるということも満喫出来るに越したことは無い!ということで、昼前に現地入りするプランで行動開始。
帰省する際は単なる通過駅に過ぎなかった青森駅で初下車(笑)。昼飯はここで!と決めていたお店に行って、美味しいホタテをしっかり堪能した後は物販開始まで時間があるので、周辺の青函連絡船展示や公園から眺める青森湾などプチ観光し、先に取り敢えずホテルにチェックイン(その途中にアニメイト青森店を偶然発見(笑))。少し休憩して、身支度を整えて(ロッカー使わずとも良い状態)再度会場へ向かい物販列へ並びました。定刻通り始まった物販は、そこそこスムーズに流れて(先行イベントに参加しないのであればもっと早く済んだことを後々知る訳ですが…)30分ほどで終了。ちなみに「もっと早く済んだ」とは、ライブ前に行われるイベントへの参加条件はCDを予約(内金全額)するだけの先着順なのですが、引取がアニメイト青森店のみということで、イベントに参加出来ても商品を受け取れない覚悟がある人(地元や近隣の人、または友人などに引取代行が頼める人)だけが参加するものなので、参加するつもりが無くて物販に並んでいる人は待たずに先に進めたことを順番が回って来た時に知った、ということです(苦笑)。
物販ミッションを終え、開場までは1時間半ほどあるということもあり、軽く食事を…ということで、これまた決めていたラーメンを食べに。とても美味しく頂いた後はライブ会場周辺に戻り、公園で休憩しつつのんびり海を眺めて過ごすことに(この間に購入したライブTシャツに着替えたり)。とても贅沢な時間を過ごし、心身気力を充実させた上で会場入り!
中に入ると思ったより広い(水戸ライトハウスくらいの会場を覚悟していた)ので、揉みくちゃにならずに済むかな…と、開演までの時間を気持ちゆったりで過ごせました。入場整理番号としては真ん中より少し前くらいかな…という感じでしたが、取り敢えず場所を確保した中央付近は終始圧迫されることなく開演時間を迎えました(会場後方は余裕があるくらいだったので、詰めさせられることもなかったです)。
■ライブ当日(開演後)
開演すると入場音楽として青森ねぶた祭の囃子が聴こえて来て、即座に観客側もそのノリに対応し「ラッセーラー、ラッセーラー!」と合いの手入れる流れになったのは、流石と言うか。1stライブの時にも感じていましたが、好き嫌いは別として、割と統率されたコールに驚かされるのがevery▼ing!の公演の特色なのかも、と感じている中にいぶちゃんとエリイさんが登場。もう既に「ライブ」と言うよりもイベント寄りであることが分かる、緩い開幕。
いぶちゃんの「ただいまー!」が聞けたことも、エリイさんの「初青森なんです!」に立ち会えたのも、ここまで来た意義や価値を満足させてくれるもので、とても嬉しくなりました。
ボックスからお題を引いてトークするというのを基本とし、そのメインテーマは「これまでのevery▼ing!での活動の想い出」といったもので、天の声(マネージャーさん?)とのやり取りは終始リラックスして行われていました。トークの中で「二人の成長」というのが何度か触れられましたが、結成してからの約3年で沢山の経験を重ねたんだなぁ…と勝手に親心。ホリプロスカウトキャラバン参加当時、二人は13歳だったのですから当然の気持ちですよね(笑)。every▼ing!結成後に全国39ヶ所を巡るリリースイベントツアーを敢行したことや、当時のMVの撮影にまつわる思い出、ホリプロスカウトキャラバンの申込の切っ掛けなど、お題を守りつつ比較的自由にトーク。この光景を見守りながら、「今回の卒業ツアーは正に”卒業旅行”という位置づけで、これまでのevery▼ing!を振り返り、普段会いに行けない場所へ感謝を伝えに行くための公演なんだな」と理解。フルライブでない、どちらかと言えばリリースイベントにも似た構成ではありますが、それならそれで目一杯楽しむだけ。
前半のライブコーナーは、every▼ing!を一気にメジャーに押し上げた「カラフルストーリー」と「ケサランパサラン」で始まり、1stアルバムのリード曲「ちゅるちゅるちゅちゅちゅ」と最終シングルのカップリング曲「パラレルアドベンチャー」の初披露(実際はツアー初日の北海道が初ですが)など、トークでまったりしていた空間が瞬く間に凄まじいエネルギーと統率で爆発して驚かされました(汗)。ホリプロルールを守ってなのか、恐れていた後ろからの押し寄せ等は全くなく、終始自分の立ち位置が侵されることなく、自分なりに楽しむことが出来たのは良かったです。他現場では敬遠されるであろうコールも、これだけの人数が発して揃っていたら(しかも、ステージ上のお二人はどちらかと言えば受け入れている感じなので)”この現場での文化”として受け入れるしかありません…っていうか、ある意味で完全アウェーなんでしょう(笑)。でも、応援している気持ちには変わりないし、ライブを楽しんでいる気持ちも変わらない。それを表現する手段が違うだけであり、それぞれの楽しみ方を受け止めてくれる空間ではあったかな、と思えるのが不思議。
そして青森公演限定のカバー曲コーナーへ。北海道公演ではいぶちゃんがYUIの「CHE.R.RY」、エリイさんがDream5の「学園天国」(って、Dream5もフィンガー5のカバーだろう!ってツッコミ入れたくなる(笑))だったとのことで、果たして青森では??
ということで、いぶちゃんに「頑張って!」と見送られて一人残ったエリイさんが背中を向けてサングラスをかけ、戦闘準備完了。流れ始めたのは…氣志團の「One Night Carnival!」(笑)。真面目にパフォーマンスしているギャップがかなり面白くて、当のエリイさんも時折恥ずかしさがこみ上げて来ている様子もありましたが、トランス状態は完璧でした。選曲理由は、エリイさんの地元である千葉の星!ということでした。
そんな体を張ったパフォーマンスに次のいぶちゃんがどう応えるのか…と思ったら、こちらは青森の星!…って吉幾三くらいしか思いつかないなぁ…って、本当に来た「俺ら東京さ行ぐだ」!! 歌詞の内容がいぶちゃんの時代に全く合っていないのがまた面白くて、「♪俺らこんな村嫌だー」といぶちゃんが唄うと、すかさず観客側が「俺もー!」というコールを入れるフットワークは驚き…、いやお見事。千葉と青森の星同士の対決をしかと目撃出来て大満足。この対決は、本当にこの青森公演だけのプレミアムな時間でしょう。こういうノリがevery▼ing!の持ち味とも言えそうですね。
前半のライブコーナー、カバー曲コーナーを終えた後は、前日の北海道公演で訪れた札幌で購入して来たお土産を還元するクイズ大会。抽選ボックスから入場整理番号を引いて、その人に回答権が与えられ、正解したらお土産ゲット、外れたらevery▼ing!のもの(笑)、というルールで進行。「二人が出演するレーカンでの役名は?」「二人はそれぞれスニーカー派?ヒール派?」「宝くじに高額当選したらどうする?」「二人の誕生日は?」などの出題があって、内容によっては自分も答えられたものがあったものの、回答権を得られなかったので残念! お二人のゆるーい進行を楽しみつつ、見事正解した皆さんには心からの拍手を。あ、いぶちゃんが自身の誕生日を「力道山と一緒ーっ!」と言っていたのが強烈に印象に残りました(笑)。
ライブ後半戦はラストシングル「笑顔でサンキュー!」の披露と、これまでシングルで発売された表題曲の三連荘。「ゆめいろ学院校歌」「Shining Sky」「DREAM FLIGHT」と続くセットリストに会場は前半以上にハイテンション! 他現場では萎える「咲クラ」や「イエッタイガー」なんて当たり前で(大多数がやっている)、自分としては初体験の「ガチ恋口上」という、曲の間奏部分にこちら側の気持ちを伝える台詞をギリギリまで叫ぶという文化が炸裂。もう、相当数の観客がこれを言っているんだから、もう”文化”として捉えるだけでした(汗)。「一緒に楽しむ」という点では、同じようにコールしたりクラップ入れたりはしていないので相容れないながらも、自分なりに楽しめたのは特筆したい点かもしれません。
最後が大盛り上がり確定の「ゆめいろ学院校歌」でなく「DREAM FLIGHT」というのは意外でしたが、卒業旅行ということで「次の地へ夢を乗せて飛び立つ」と受け止めると「なるほど」と感じられました。「笑顔でサンキュー!」は発売前ということもあって、フルコーラスを聴くのは初めてとなりましたが、その歌詞の内容や振付が本当に活動の集大成であり、活動を終えるというのが表現されているのも感じて寂しさも感じました。これまで明示的に応援して来た訳でないevery▼ing!ですが、青森まで遠征してこの光景を見守った今感じているこの気持ちはきっと本心。青森公演に参加したことは、その気持ちの全てを卒業コンサートで決着させるための良い弾みにもなったと思います。
アンコールも無く、二人から最後の挨拶を頂いてライブは終了。全身汗だく…にはならなかったものの、自分としては満足度の高い公演でした。それは偏に、いぶちゃんとエリイさんが終始楽しそうで、本当に可愛らしかったことに尽きます! 青森に来たという特別感もあって、1時間半のステージではありましたが、時間以上の充実感・満足度を得られて良かったです。
予想よりも早く終わったこともあり、意気揚々と打ち上げする為の居酒屋へ足を向けたものの、候補に挙げていた店舗がどこも満席…(涙)。30分くらいウロウロして、仕方がないのでチェーン店らしき目に入ったお店に入って海鮮と田酒を堪能! そして、近くの温泉を経由して宿泊先へ。取り敢えずの青森遠征を完遂することが出来ました。
■総括
圧倒的な文化の違いを体感した、というのが1つ。咲クラなんか可愛い方で、イエッタイガーやガチ恋口上など、参加者の大合唱が響き渡る会場はしっかり揃っているし圧倒されるレベルで、正直良いな(一緒にやりたい)とは全く思わなかったものの、素直に「凄い」とは思いました。こういう現場はそれこそ参加したくない(自分の楽しみを奪われるのが嫌)というのが本音ですが、今回は自分の楽しむ範囲を極端に邪魔される訳では無かったのが本当に良かったです。ホリプロルールが適用される前に参加した1stライブの時はかなりやんちゃな現場で、好き放題に暴れている輩(前方へ掻き分け突入、リフト等が常態化)が散見されましたから、そういう意味では今回の現場は平和と言って差し支えないくらいに邪魔はされませんでした(近くに好き放題に動いて飛び跳ねている奴が居たので、こちらに影響を及ぼして来た場合は相応のアクションを取るつもりではいましたけれど(笑)。会場にゆとりがあったのが救いでした)。自分に合った現場とは全く思わないものの、今日参加したレベルなら問題無いと感じられる(楽しめる)精神力は、これまでに参加したオールスタンディングライブの経験で培われた様です。でも、やっぱり楽曲の間奏における演者のパフォーマンスの邪魔でしかない、ガチ恋口上とかは必要とは思わないし、走るクラップは雑音でしかないし、(要は地下アイドルの分化が最先端の如く取り入れたライブは)個人的には好みとは言えない現場でした(汗)。
で・も! (全力全開とは言えないものの)普通に十分に楽しめたステージは、楽曲の持つ力に加えて、いぶちゃんとエリイさんの二人の可愛らしさが全て。ステージの中央付近に居たのですが、肉眼で二人の表情がしっかり見えるくらいに近かったし、視界も割と良好、ぎゅうぎゅうに詰まった会場でも無かったので、そういった環境もプラスに働いてくれました。改めて、千葉の星と青森の星の共演を青森の地まで来て見守れて良かったと思います(^^)。
次は卒業コンサート。最後のevery▼ing!のステージをしっかり見守りたいと思います。
■付録:セットリスト
- ケサランパサラン
- カラフルストーリー
- ちゅるちゅるちゅちゅちゅ
- パラレルアドベンチャー
【カバー曲コーナー】
- One Night Carnival (山崎:氣志團)
- 俺ら東京さ行ぐだ (木戸:吉幾三)
- 笑顔でサンキュー!
- ゆめいろ学院校歌
- Shining Sky
- DREAM FLIGHT
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