豊嶋真千子さんを知ったのは「スーパーリアル麻雀PVI」の香山タマミ役。その後、「センチメンタルグラフティ」の杉原真奈美役を経て、音楽活動やラジオ番組に触れる機会があり、その飾らぬ人となりに惹かれて気に留める様になってから幾年。当時の声優さんの活動の中でも決して派手な方では無かったものの、そのファンとの距離感やお仕事への姿勢など、とても好感を持っていたとは言え、聴いていたラジオ番組が終わり、アニメ作品への参加も決して多いとは言えなかった豊嶋さんとの距離は疎遠になってしまうのが時代の流れ(最後に豊嶋さんを生で見たのは2004年12月26日に行われた下北沢でのライブでした)。それでも、豊嶋さんが地道に活動を続けているのはご本人運営のサイトにて確認は出来ていたので、常日頃からチェックする訳ではなかったものの、気が向いた時に足を運んではその日記に「変わらないなぁ」と微笑ましく思っていました。そういう意味では、明示的にファンを公言していなくとも、ずっと忘れないで心に留め続けていた私の中では稀有な存在と言える声優さんです。
そんな豊嶋さんのブログをたまたまチェックしにいった今年の春。すると「けっこうマジなアンケート!!」という投稿があり、豊嶋さんの誕生日である12/28が土曜日ということを受けて何かイベントを企画したい旨が書かれており、「絶対とは言えないが極力参加する!」と表明させて頂いてから約5ヶ月。正式にイベント開催が決定し、私もチケット販売に間に合うタイミングで知ることが出来て晴れてチケット確保。後は当日の参加を確定させるだけとなりました。よくよく考えると、事前にイベント開催を知れたこと、開催決定を知れたこと、そしてチケット販売タイミングを逸しなかったことなど、私としては不思議な”縁”を感じてしまいます。
そうこうしているうちに、イベントの日が近づいて来ました。少しずつ豊嶋さんから情報が解禁され、トークコーナー用のメール募集はまだ良かったのですが(当時書いた感想が自分のサイト上に残っていたので、とても書きやすかったです。こんな時のために残すって大切だな、と実感)、「予習しておいて」と知らされた楽曲に度肝を抜かれました。割と豊嶋さんの歌う楽曲群は漏らさず手にしている自負があった私なのですが、昼の部、夜の部共に予習曲が手元に無いどころか存在すら知らないという事実…(汗)。とにかくCDを探し集めて(まさか「夏祭りこども音頭ベスト」なんて手にすることになるとは(笑))、何とか当日に間に合わすことが出来ました。
そうして迎えた当日。楽しみである事は間違いないものの、微妙な緊張感もある何だか不思議な感覚。一番近いのは久し振りに参加するクラス会的感覚かな?(笑) 特に昼の部は当時の「ラジオ」が中心になるために、それ程熱心なリスナーではなかった私としてはどのくらい楽しめるかが未知数だったので、その点は唯一不安な点でもありました。
会場となる御茶ノ水KAKADOは初めて行く場所ではあるのですが、以前出向していた勤め先や客先が目と鼻の先にあったこともあって、良く知っている場所。開場30分近く前に到着するとそれほど人が居なかったのですが、場所の関係で散らされていた様子。物販をどうしようか考え、取り敢えず保留して神田明神近くの公園で小休止した後にまた会場へ戻ると、丁度入場待機列が形成され始めたところだったのでそのまま列に。
会場に入ると小さなライブステージがあり、掻き集めて来た丸椅子や箱椅子が並んでいました。座席数として10人5列+立ち見10人の60名でギッシリな会場は、最近ではなかなか味わえなくなった距離感。そのスペースの中に壁際は物販コーナー、後方にバーカウンターという、本当に小さなライブハウスでした。
開演時間14:00丁度に場内暗転、アナウンスが流れて我らが豊嶋さん(以下、敬意と親愛を込めて「まちりん」で統一(笑))の入場! 2階に繋がる階段から降りて来たまちりんは、ふんわりとした紺色のワンピースに身を包んでいました。私としては9年振りに見る”生”のまちりんは、より大人っぽく綺麗に映ってちょっとドキドキしました。挨拶するまでは緊張が見て取れたまちりんですが、温かく迎えられて和んだ空気にプラスして懐かしい顔ぶれにも出会えたからか一安心といった様子でした。
間もなく始まるトークコーナー。事前募集していた「思い出」「わたしの今」「ラジオあるある」の3コーナーが主軸なのですが、これが予想していたよりも凝ったコーナーになっていて、これは参加した皆さん驚いたのでは?と。
普通に届いたメールを中心にトークが展開するのかと思いきや、今回メールをくれた人が当時ラジオ番組宛てに送ってくれたハガキも併せてプレイバックするという、読まれた側の気恥ずかしさが伴うものではあっても(当時中学生だったリスナーも、今や30歳くらいですから、気恥ずかしいのは当然ですよね(笑))、その時間の経過すらもコーナーの味付けにしてしまう企画力に感心しました。何より、当時のハガキがちゃんと保存されているだけでなく、その人のハガキを探したというのが恐れ入りましたね。ちなみに、私もありがたい事に採用して頂きましたが、当時は然程ハガキを送っていなかったので助かりました(笑)。
その他では、コーナーの初め、BGMが指定場所と違う使われ方をしたので、まちりんがそれを駄目出しして卓上ベルを鳴らしたりする様も当時を彷彿させるプロデューサー感があって、そういう変わらぬお姿を見ることが出来たのはとても嬉しかったです。更には、1名様への抽選プレゼント(声優グランプリ誌上で限定通販されたまちりんのテレカ2枚組)を選ぶ際、引いた1枚が白紙だったという、なかなか狙ってやれない事をやってのけてしまうという、まちりんに対して誰もが「流石、持ってますねぇ!」と思った瞬間にも立ち会えたことも嬉しかったです(笑)。
結局、メールの量からも「トークコーナーは短くなるかも…」といった危惧もあった様ですが、気が付けば時間が足りなくなりそうで巻いたりしたくらいでしたし、十分楽しめる量だったと思います。
トークコーナーが終わるとミニライブのコーナーへ。ラジオ番組のテーマソングを中心に披露した中、予習依頼のあった「TV Game Radiond」も勿論披露。ちょっとした振り付けレクチャーもあって、皆で楽しみました(まちりん曰く、「予想以上にみんながやってくれて嬉しかった」とのことです)。まちりんの歌で私のベスト3に入る「Earthly Paradise」もアコースティックVer.で披露してくださったのも感動的でしたが、まちりんの歌声が、割と音頭向きだな、と思ったりしたのも新たな発見でした(笑)。
まちりん初となるチェキ会は、終始和やかな雰囲気で進行。「撮影に使うファーを家に忘れて来た」と言っていたまちりんですが、結局何かしらの手段でファーが間に合った様で、ちゃんと予定通りの恰好で写真に納まることが出来たみたいです。撮影の前後でまちりんと直接話すタイミングがあって、思い思いのトークも楽しんでいた様です。私は大した話は出来ませんでしたが、とても温かな時間でした(チェキの写りはもう少し何とかしたかったかな…(苦笑))。
昼の部が終わってから夜の部まで2時間ちょっとの間が出来てしまったので、近場のファミレスにて時間潰し。会場に戻る頃には外は真っ暗。15分前くらいに到着すると、既に入場待機列が形成されていたので、そのまま列に合流。間もなく入場となりました。
昼の部よりは20番くらい早い番号なので、もっとステージ近くに寄れるかな?と思ったら、何故か全く同じ場所。元々ステージに近いこともあって特にそこに不満を持つことはありませんでしたが、オールスタンディングだと思っていたら昼の部と全く同じ椅子配置であることに少し動揺(笑)。ということは比較的静かめのライブになるのかな? 何が唄われるのか、どんなステージになるのか、ペンライトは使うべきか否か、そんなことで頭が一杯でした。
昼と違って5分押しくらいで始まった夜の部は、開幕ナレーションは昼と同様ながらも白いドレスに身を纏った天使が如く輝くまちりんの眩しさに、昼とは違ったドキドキが生まれていました。総立ちになるかと思いきや、昔の様に乗って良いものか、取り敢えず座ったまま乗るべきか…、周囲もそれを模索している様に感じられましたが、1曲目から私自身の予想以上に盛り上がれていた様に思いました。身体が自然に動き、自然に入れられるコールやハンドクラップ。9年前に参加したライブと違うのはペンライトの文化が育っていたことと、私自身のライブに対する姿勢。特に後者は大きな違いであり、周囲と一体となってその場を創る喜びに、会場の大小は関係ありませんでした。
2曲目からはまちりんの合図もあって結局総立ち。ここからだんだんと当時っぽくなっていく気持ち良さを感じました。これは周囲も同じ様子で、コールを入れると「みんな覚えてるなぁ!」と嬉しそうに笑っている人も多く見受けられました。それが更に楽しさを加速して行き、知らないうちにブランクなんか無かった様な、しかも9年前の文化を感じさせつつ、今のスタイルも組み込まれたハイブリッドなステージは、懐かしさと嬉しさと楽しさと新鮮さが同居したようなふわふわした感覚の空間でした。
アルコールが入った上に気持ちが乗ったからか、ともすれば度が過ぎて迷惑に感じるかな?と思う人も居ましたが、その楽しさが独りよがりでないことや、皆で楽しみたいと思う気持ちがその根幹にあるからこその久し振りに弾けられたという感覚が伝播したからなのでしょう。不思議と全然迷惑に感じることもなく、寧ろこちらも楽しさを引っ張ってもらった感覚すらあるくらいでした。この感覚は、同窓会的な集まりである今回ならではの感覚でしょうね。古巣、と言うほどその空間に懐かしさを覚えるものが無い私ですら、古き良き時代を垣間見た気がします。それは、その会場の空気を生み出す大元であるまちりんの歌声と、楽曲そのものにあったのは間違いありません。
ライブ前にまちりんの楽曲を全部集めて(集めたつもりで)ずっと聴いていたのですが、そこで感じた「最近の楽曲には無い素直さ」「歌唱技術では補えない、気持ちが入ることで形となった表現」など、心が動かされる瞬間がありました(本質的に時代を超える良さがあると感じる)。近年ここに近しいものを感じたのは中村繪里子さんの歌やステージであり、思えばお仕事に対する姿勢や思いが結構似ているな、と感じます。中村さんの歌に感じた「良さ」は、以前まちりんの歌に感じていたそれと同じなんだな、と気付いた時に自分の中にストンと落ちるものがあり、それがまちりんに繋がったのがとても嬉しかったです。
話が逸れましたが(汗)、まちりんのステージでのパフォーマンスは勿論ブランクがあったのは間違いないのですが、その中では想像以上の仕上がりで、声の伸び(前半よりも後半の方が良くなっていた)、安定感、何よりもなかなかに凝った振り付けは、「みんなに楽しんでもらいたい」というまちりんの気配りの賜物であり、歌詞飛びがあったりするのも関係なく(笑)、そんなところも含めて今も変わらぬ”等身大の豊嶋真千子像”が眼前に広がっていたことが(本当に良い歳の重ね方をしたな、と感じられる)最高の喜びでした。
途中、課題曲であるシアワセ大将のクラップ指導があったり、サプライズのバースディケーキ登場&ローソクの火吹き消しもあったり(特別指示があった訳でないのに、自然と合唱した「ハッピーバースディ」の一体感)、リリースされた楽曲の当時をちょっと振り返ったり(初めて作詞した「自分のいちばん」、発売イベントのサンシャイン60噴水広場、Radish Roxsがあまり売れなかったこと、GIRLS BEでの桑島さん、「シアワセ大将」の水樹さんと有島さん等)、大宮ソニックでの「センチメンタルグラフティ」を彷彿とさせた「想い出を止めたままで...」の披露(ラストの溜めは、オケでは無理でしたが…)や、癒しの空間となった「Steeple Angel」など、名曲のオンパレードとなった夜の部は、アンコールも含めた2時間弱のライブとして、最高の時間を共有することが出来たと思います。知らない楽曲も2曲くらいありましたが、場の雰囲気とノリだけで気後れすることなく楽しめてしまったくらいですから(笑)。
昼、夜と参加して「またこんなイベントが催されたら良いな」という気持ちが確かに残っていたので、その証として保留していたグッズを購入(まちりんオススメの白の3点セット)。丸々1日参加となった「Machirin's Paradise!」も閉幕となりました。
最後の「私はマチコ」で弾けるまちりん(今更ながら「私はマチコ」をまちりんが引き継げた奇跡に感謝!)、アンコールの選曲の想いを語りながら思わず涙ぐむまちりん、アンコールが終わった後、退場するまちりんを見送る鳴り止まない温かな拍手とみんなの満面の笑顔に胸が一杯になって大泣きするまちりん…。開催するに当たって色々な事があったと思いますが、こうして大成功と言える内容でエンディングを迎えられたことは本当に良かったです。偏に、まちりんが歩んで来た結果が為し得たことであり、全てはまちりんの”感謝を忘れない姿勢”が繋いだ笑顔なんだと思います。まちりんの涙を見て、これまで決して熱心に応援して来たとは言えない私でも、誇らしく思えたくらいです。これからも私に出来ることは少ないでしょうけれど、こうした催しやブログやTwitterへのコメントなども含めて、ずっと気に掛けて行こうと改めて思えた今回のイベント、参加出来て本当に良かったです。こうした時間がまた共有出来ることを祈っています。
参加した皆様、携わったスタッフの皆様、そしてこうして企画から開催まで漕ぎ着けてくださった豊嶋さん、本当にお疲れ様でした&最高の時間をありがとうございました! 次回もまた笑顔でお逢いしましょう!
■付録:覚えていないけれど(汗)記憶の(曲も足りない)セットリストからまちりんが公式発表してくれたので訂正したセットリスト(笑)
○昼の部
- SURVIVAL GAME
- あの場所から
- TV Game Radiond
- Earthly Paradise (アコースティックVer.)
○夜の部
- ami
- ロックンプリンセス
- 自分のいちばん
- Set Me Free
- Way to go!
- Let's go
- 風の見える日
- 想い出を止めたままで...
- シアワセ大将
- Steeple Angel~とんがり天使~
- 知ってたよ
- Way to Love
- GIRLS BE...
- LOVE SHAKER
- 私はマチコ
(アンコール)
- only destiny
- 未来へ吹く風
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