「テイルズ オブ ゼスティリア」終了。取り敢えず、無事にやり切れて良かった(笑)。発売順としては最新作「テイルズ オブ ベルセリア」から戻った訳ですが、物語的には後の話ということでPS4からPS3になっても特別モチベーションに影響は無く、「ゼスティリア」発売当時の色々な雑音に影響されることも無く、自分なりの感想がしっかり持てたのも良かったです。褒められない部分が多すぎるけど(笑)。
- 本編プレイ
2015/09/15~2018/3/11
ラスボス前セーブ 66:29/スレイ Lv.80
- 隠しダンジョン(ザ・カリス)プレイ
2018/03/11~2018/05/06 (ザ・カリスVIIクリアまで:未完)
開始時 ラスボス討伐後直ぐ
ラストセーブ 87:44/スレイ Lv.103
- アリーシャアフターエピソード「瞳にうつるもの」プレイ
2018/03/25~2018/04/02
開始時 78:75/スレイ Lv.95
ラスト戦闘前セーブ 85:32/アリーシャ Lv.99
■発売日に購入してクリアに3年…
ソフトが発売されたのは2015年1月22日。「テイルズ オブ」の20周年を迎える年に発売された本作は、その宣伝なども含めて相当に力が入っている作品と感じ「折角だからしっかりプレイしたい」と思っていたこともあって、腰を据える時間的捻出が出来ずに時間が経ち(裏で「英雄伝説 閃の軌跡II」をプレイしていて、こちらもなかなか進まくてクリアに8ヶ月ほど掛かってしまったのも原因の1つ)、やっとプレイ開始したのは発売から既に8ヶ月ほど経過した頃でした。
本当なら「ゼスティリア」が発売された年に行われた「テイルズ オブ フェスティバル2015」に「ゼスティリア」のキャストも出演することから、少なからず触りだけでもプレイして参加するつもりだったのですが、プレイ中の「閃の軌跡II」が終わっていないことからそれもせず、ネタ的にしっかり消化出来なかった反省もあり、とにかく「閃の軌跡II」が終わってからちゃんと「ゼスティリア」はプレイしよう、そう思ってそこから3ヶ月が過ぎました。
ようやく「閃の軌跡II」をクリアし、発売から8ヶ月経ってようやくプレイ開始! しかし、いざプレイを始めてみると何だか色々と「うーん…」と思う部分があって気持ちが乗らずに放置してしまい、結局再開の糸口が見えたのは次作の「テイルズ オブ ベルセリア」が発売され(こちらも途中で放置)、そして「テイルズ オブ ゼスティリア」のTVアニメーション「~ザ・クロス」の放映が終了し(こちらは取り敢えず全話楽しんだ)、そこから気持ちが乗って放置していた「ベルセリア」をクリア(最初は「テイルズ オブ フェスティバル2017」への参加に向けて再開しただけなのに、最後はプラチナトロフィー獲得まで(笑))したところでようやく戻って来ました(苦笑)。
TVアニメ「~ザ・クロス」の感触が結構良かったことに加え、発売当初散々辛口意見がぶつけられていたゲーム版について自分もプレイを終えて答えを出したかったし、「ベルセリア」の世界から1000年経った世界をちゃんと見たいという思いも強かったことが、2年半前に止まったままの自分のプレイを再開するための背中を押してくれて、途中若干の放置を挟みつつも(苦笑)何とかクリアまで漕ぎ着けることが出来ました。
■先ずは全体感
随分と色々と言われている「ゼスティリア」ですが、プレイをし終えての感覚は「まぁ、これはこれで」と思うくらいの作品ではありました。ただ、20周年を迎える年にリリースされた作品として考えると、「挑戦」は認めるものの「完成度」は決して高くは無いな、と。寧ろ粗が目立ってしまい、そこが著しく作品の魅力を低下させている気がしてなりません。
ただ、自分にとってプラスに働いたのは次作「ベルセリア」のプレイを終えていたこと。プラチナトロフィーを獲得したくらいにプレイした「ベルセリア」の”世界が進んだ結果”を目の当たりにすることになった「ゼスティリア」は、様々なものを感じられる要素があって、TVアニメ「~ザ・クロス」よりも地続きの世界を味わうことが出来ました(なので、ゲーム版の物語の方が個人的には好きかも)。
15周年記念作品「テイルズ オブ エクシリア」は素材は良いのに調理に失敗という感じのゲームでしたが(厳密には続編「エクシリア2」の存在もあって「エクシリア」の良さにも気付けたと言えるから、単なる調理の失敗だけでは無いのですが)、「ゼスティリア」は全く新しい発想で料理をしたけど本来目指したものには到達出来なかった何とも当初の志を貫けなかったゲームという感じでしょうか。これまでの「テイルズ オブ」を踏襲しつつ、「フィールド上でのシームレス(?)エンカウント」「術・特技・奥義の三すくみ」「神衣」などのチャレンジをした結果が全て「本来、シリーズが持っている爽快感や楽しさを殺してしまった」という印象で、全ては調整不足と言うか詰めが甘いと言うか…。これらは開発中に問題点として挙がってしかるべきだと思うレベルで”完成”としてしまったことは、かなり勿体ない気がします。良くある「発売日ありきでの開発切り上げ」がもたらした結果だとしたら、プレイする側からすれば納得できる理由ではないですからね…。その印象はストーリーにも少なからず影響を及ぼしている気もして、なかなかに難しいテーマを取り上げたことが更に完成させるのを難しくした感もあります。だからなのか「ゼスティリア」単体としてのキャラや世界の掘り下げや説明が足りない印象があり(自分は「ベルセリア」をプレイしていたから世界の成り立ちが分かっていたので端折られている印象はそこまで感じずに済みました)、更には世界のスケールが小さい(結局、二国間の対立構造でしかない)。見聞を広める”旅”という感じで出発したはずなのに、目先の問題(通れないから問題を解決せざるを得ない、迂回せざるを得ない)で二国をうろうろしているうちに根本原因であろう災禍の顕主を倒しに行った…的な、何とも導師と天族御一行がお使いしていた印象が強い。その割には実際に歩き回るフィールドはとても大きくて、セーブポイント間移動なる便利仕様があるのに、ガルドをぼったくられる始末(苦笑)。割引させる為にはその加護天族が守る範囲内で戦闘を行い、GRADEを稼ぐ必要があるので実質余程ガルドに余裕が無いと使う気になれない(貧乏性?)。だから実際に歩いてみると、行ける世界の小ささと序盤は都合よく色々と迂回させられていたと感じてしまった(遊ばせる側としては本来感じて欲しくない感覚のはずなのに)。
まぁ、細かいことは各お題で綴るとして、全体感としては「新たなシステムを模索したものの詰めが甘く、制作期間の関係で詰め切れなかった中途半端な仕上がりの作品」という印象が残りました。素材となった世界観やキャラクターは良いと思うだけに、納得行くまで開発出来たのであればどんな感じに仕上がったのかな…と思わずにはいられません(かと言ってTVアニメ「~ザ・クロス」の物語が正解だとは思っていません)。これがもし「納得の行く仕上がり」だと言うならば、携わったプロデューサーやディレクターには「ユーザがプレイして”楽しい”って感じると本当に思いましたか?」と改めて聞いてみたいですね。
■物語
導師として世界を巡るも、穢れに染まり始めた世界(天族への信仰心が失われ、加護天族が存在しなくなったことが原因)で、強い穢れに染まって憑魔と化した人を浄化して(戦って倒して)、各街に加護天族を配置して清浄化して次の街へ…という流れが基本と言えると思いますが、結局登場するのは二国であり、その二国の争いの現状に関して現場的思考と政治的思考とが交錯する中を、その時々で判断・行動する動機が「導師として」という事にも繋がらない感じがして、全体的にプレイヤーである自分の感情への揺さぶりが少ない印象でした。
結局、主人公であるスレイや行動を共にする天族や従士が見分を広げて成長するタイプの物語では無かったし、仲間と共に試練を乗り越えて行くタイプの物語でも無かった様に思います。世界の在りように直面し、その時々の気持ちで進んではいるのですが、それぞれが行動を共にする原理が割と薄く(ある場面を乗り越えるために取り敢えず一緒になったら、そのままずっと一緒だった感じ?)、「テイルズ オブ」ではお約束の決選前夜のイベントはドラマチックに盛り上げてくれはしたのですが、それは演出の上手さであって胸に響いて来るものが大きかった訳では無かったことからも「そこに至る過程の見せ方、掘り下げ方が不足している」と感じます。
根幹を成す「穢れ」と「浄化」についてや「人間」と「天族」の関係性、そして「導師」の役割といったものが説明不足なだけでなく、ゲーム中に発生するイベント毎にさらりと「え…?」と感じる発言を伴うものがあったり、描写としても「それはちょっと…」と思うものがあったりと、重たい話をしている割にはパーティが明るかったりすることもあって、プレイヤーの捉え方によっては緊張感が無いだけでなく気持ち悪く感じることがあるかもしれないと思いました。特にパーティ内に加わるロゼが元々暗殺を生業としていながら穢れていない、という描写に於いて「悪と認識した奴だけ殺るという”世界のため”という純粋な想いだから」というのは、あまりにも感情面を端折り過ぎ。更にはずっと近くにデゼルが居たから、神衣の素養もあったというのは都合よく設定された様にも感じてしまいました。また、天族でありながら穢れずに災禍の顕主に心酔していたサイモンの描写や最初の敵として出て来たルナールの存在も、その行動原理が物語の構成パーツとして足りない気がします。最も掘り下げられて描かれたのはアリーシャで、物語が”ボーイミーツガール”的にスタートしたのに、結局一緒に行動した時間が序盤だけで、政治家として孤軍奮闘する道を選んだ…というか選ばせたというか、世界の行く末を案じて彼女にしか出来ない戦いをするのは良いものの、物語として「最初の出会い」は全然大事にされていない感じがしたのは残念ではありました。
ローランスとハイランドの二国の緊張がピークに達して全面戦争に突入した際、ドラゴンが現れて戦場が混乱状態になっているところにスレイが駆け付け、両国の代表とも言えるアリーシャとセルゲイも協力してドラゴン討伐したことで戦争が休戦、和平に向かって行く流れは、その前段階も含めて色々と短絡的に物事が動きすぎていると感じたものの、穢れた権力者の実行スピードと導師の浄化対応のスピードが絶妙ならば可能なのかな…くらいに思うことで気になりませんでした(笑)。
結局「穢れ」というのは単純に考えて「負の感情」だと思いますが、どう考えても「人の道」とは言えない行為を純粋に行う場合は穢れない、世界にとっては「穢れを生む」ことが問題だから、浄化の名の元、その存在を消す。穢れだけを消すつもりが、殺めてしまった場合は「力不足だった」と言うだけで特に迷うことなく次へ進む。浄化する力を持つ導師が、諸悪の根源として描かれた災禍の顕主であるヘルダルフを浄化するという旅であった今回、その図式は比較的序盤から示されたままで、ヘルダルフがどうして災禍の顕主となってしまったかの断片を見せられ、自分の出生の秘密(?)にも辿り着いた。そして現在の導師のスレイが出した答えが「殺すことで浄化する」というのは、全然物語としてスレイに試練的要素が無かっただけに(唯一あったとするなら、ヘルダルフとの最終決戦に於いて育ての親であるジイジ(天族ゼンライ)がスレイに穢れを生ませる為にヘルダルフに取り込まれ盾にされたことかな…)、色々と重い話を積んで来た割には、出した結論が「旅して出したものとは思えない」と感じたのは自分だけでしょうか…(汗)。
まぁ、それでも細かいことを気にせず起きたことを1つ1つ切り取って楽しむ分には、ドラマチックには描いているし、これはこれでこの作品の個性なんだと思えば、作品自体否定するほどではないかな、と思います(単に好みに合わなかっただけと自分は済ませられる)。
そういった細かいシナリオ部分を抜いても思っている以上にこじんまりとした世界であったことは「ベルセリア」をプレイした後だからこそ、「あれ?行ける場所これだけ?」と思ってしまいました。中央にグレイブガント盆地があって、その左右にローランスとハイランドの国があり、それぞれの国に大きなフィールドが3つずつあるくらいの広さで、そこを事あるごとに行ったり来たりするシナリオで、ストーリー上迂回せざるを得ない流れもあったりして、本当にプレイ時間を引き延ばされているだけに感じてしまうくらいでした。
そんな不満ばかり目立つ「ゼスティリア」において、やはり「ベルセリア」をプレイしたからこそ繋がっている(物語として回収出来ている)箇所は「おぉ」と思うものが多くあり、その点は楽しめたと思います。ロゼの秘奥義がランゲツ流であったり、語り部としてのメーヴィンの存在であったり、ムルジムが登場したり、ノルミン天族のフェニックスがエドナをちゃんと見守っていたり、アイゼンとザビーダの約束に対する結末が体験出来たり、各地に「ベルセリア」の世界を感じられるものが残っていたり(ローグリンやアルトリウスの玉座は1000年の歴史を感じられたし、カースランド島(ドラゴン化したシルバの亡骸がそのまま残っていた)からザ・カリス(隠しダンジョン)はほぼそのままだし、マオテラスの現状も含めて「ベルセリア」を先にプレイしていることでプラスに転じた要素は多いと思います。「ゼスティリア」制作時に既に「ベルセリア」の骨格は出来ていたのかな?と思う程の内容に驚かされもしました。
ただ、エドナとアイゼンの関係が先に語られた「ゼスティリア」に於いて「ドラゴンになった兄を救う方法を探す」ということで行動を共にする様になったエドナが、「アイゼンを救ってやるには殺すしかない」という結論を出したスレイや最初からそれを約束していたザビーダの言葉に「方法は無いと思っていた」と言わせてしまうシナリオは、結果が同じでももう少し何とかして欲しかったかな…。
■システム
全体的に挑戦し過ぎて色々と問題があるシステムだったと思います。特にバトルがエンカウントした地形そのままで始まるのは、試み自体は否定しないけれど完成したものは酷いものでした。その全てと言っても過言では無い「カメラワーク」の酷さはプレイヤーが100%感じるものだと思います。これが何故テストプレイで駄目出しされなかったのか不思議でなりません。だだっ広い場所で戦闘するには大きな問題にならないですが(それでも苦笑モノだけど)、狭いところだとカメラがどういうロジックでこのアングルを見せているのか等、操作している側が現状を把握できないほどに劣悪なカメラワークです(その間は、スティックもボタンも適当に操作するしかありません)。
で、そのLMBSですが今回は”神衣”という、人間と天族が1つになって特殊な能力を得るシステムで、一見色々と出来そうな気がしたのですが結果としては戦略を狭めて単調なバトルになっただけで、面白いとは言えないものでした。パーティは人間2人に天族4人で、バトル中は人間2人に天族2人しか出られない為、神衣をすると戦闘参加者は実質2人になってしまいます。しかも、神衣中は連続技は3段+秘奥義の4段が最大で、必ず仕切り直さなければならないので爽快感がありません。融合した天族の属性によって地水火風の技と見た目が変わるのは最初のうちは多彩で楽しい感じはあるのですが、後半は敵も強くて神衣になることが前提のバランスなので常に2人しか戦闘に参加していない感じが寂しく、更にはより多くの敵を攻撃出来る技を放つことに終始しがち(敵が一斉に呪文を唱え始めるとどうにもならない為)。なので、エンカウントしたら取り敢えず敵の詳細を見て、弱点属性の天族と神衣、後は全体攻撃等をただ放ち続ける(または距離を保って遠方からチクチク技を放ってダメージを与え続ける)”作業”となります。
ボス戦などは操作していないもう片方の人間+天族にも頑張ってもらいたいところですが、AIが作戦を無視しているのではないか?と思うくらいに役立たずで(苦笑)、神衣じゃないと危ないのに個別に戦っているし、死にそうでもアイテム使わないし(こっちを助けてもくれない)、自分が神衣して一人で戦っているシーンも多かったです(戦闘不能になった天族は退場して自動的に回復するので、その点は時間さえ稼げればアイテムで復活させなくても満タンになったら勝手に復活するのは良い)。術を妨害して欲しいのに全然出来ていないし、敵がちっとも減らないし、本当にAIの駄目さ加減はシリーズ随一じゃないかと思うくらいに酷い。
雑魚戦は神衣でなくても大丈夫な場合もありますが、ゲージを溜める為には常に神衣でいては駄目だったりするので、必然的に個別に戦う必要が出て来ます。その際、特技、奥義、術というのが三すくみの関係で定義されていて、有効な攻撃を通すにはその辺りを考慮して攻撃を選ばなければならなかったり、色々効果的に行うにしてもいちいち敵のパラメータ等を確認し、それに合わせて技を出すという”作業”となってしまうのでプレイしていてあまり爽快感が無く楽しくない(^^;; しかも、敵は硬いし攻撃にイラつくし(敵が一斉に術を詠唱始めた時、こちらの技や術で防げない場合、一斉に放たれて瀕死になったり、気絶して追い打ち喰らって瀕死になる)、敵が集中的に一人を狙ったり、動きの速いやつがウロウロと動き回って捕まえられず全然戦えなかったり、ちょっかい出されてこちらの硬直時間が長いし、状態異常がウザいし(異常を解除しないと回復出来ないし)、そうかと思えば、神衣で全体技を放ってそれが弱点突いていた場合は単調に技繰り返すだけで終わったりする。バランスとして苦痛を感じても良かったと思うことは殆どありません(苦笑)。
RPGを構成する「フィールド移動」「戦闘」への文句が多い今作、最初に目立ったマイナスポイントとして「戦闘時のカメラワークが悪い」という点や、「武器強化のシステムが良く分からない」という点、そして「(到達時点で)開けられない宝箱が点在する」(後で探しに行く気になれない/そもそも何処にあったか分かるようなシステムになっていない)、いちいち加護天族にグレード奉納しないとフィールドが便利にならない(だだっ広いフィールド移動の一助として「セーブポイント間移動」があるのに金を取る…)、無駄に広いフィールドとそれをしょっちゅう往復させる時間稼ぎ的シナリオ都合(中途半端に自由度が高いので、やれることがいきなり増える割には敵が強い/先に攻略すべき場所がある等で攻略出来ないなどだだっ広いマップに於ける無駄足が多く、結局行ったり来たりが物凄く発生し、面倒だからとセーブポイント間移動を使おうとするも結構なガルドを取られてしまうので結局歩く羽目に。しかも通常のスピードだと遅いので、戦闘を適宜続けて速駆けを使わないとやっていられないけれど、戦闘が面倒だから避けたいのにフィールド移動中で敵に見つかると延々と追われ、逃げられずに戦闘に突入してしまうこともある(苦笑))、普通の敵だと思ってエンカウントすると変異憑魔で全滅させられたり、スキットはセーブポイントか宿屋宿泊でしか発生しないので、序盤は気付かない他、道中の旅感も薄いし、初戦闘の敵の場合は特長などの説明が戦闘中に(しかも緊張感なく)行われるし、チュートリアルとか上手く配置されていれば、システム的な理解を深めてもう少しストレス無く楽しめたかもしれないのに、本当に仕上げが甘い。まぁ、これだけイライラが積み重なった中で、プレイ時間が比較的短めだったのでどうにかエンディングまで到達出来た、という感じです(苦笑)。
■アリーシャの扱い
アリーシャは本当に微々たる期間のパーティメンバーだったのが勿体なかった(ロゼとのヒロイン論争は正直どうでも良い。発売前に期待させる部分からの落胆が評価の差になった事故みたいなものかな…と)。政治を取ったアリーシャの戦い方も理解出来るので(Xbox360版ヴェスペリアのフレンみたいに、別の道を歩んでも一緒に戦っている感は好き)、個人的には「ザ・クロス」よりも好きな点もあります。ただ、停戦後に急速にローランスとハイランドが和平に動き始めた中で、様子を見に行くサブエピソードは、結局声も掛けずに最終決戦へ赴く流れになってしまい「もう彼女は大丈夫。決戦は俺たちで」的な扱い方は「もう少し描き方があったんじゃないかな」とは思いました(苦笑)。
それを埋めるべく、ダウンロードコンテンツとして配信(しかも有料…(-_-)。無料期間にDLしたので構わなけど…)された「アリーシャアフターエピソード」は、エンディング後の”アリーシャ視点の物語”でありつつ、ロゼとの関係を”仲間”として補完する救済措置的側面も見て取れるもので、そのやり方として気持ち晴れやか…という印象ではありませんでしたが、ロゼという年の近い女の子の存在がアリーシャの年相応の反応を引き出し、「ゼスティリア」としての物語の結末として描かれているのは良かったと思っています。だからこそこれは有料コンテンツとして配信するのではなく、本編終了後に皆が等しくプレイ可能なものにすべきだったのではないかと(DLではなく最初から組み込まれているべきだった)。
サクッと終わるくらいの内容かと思いきや、結構しんどい攻略を強いられる羽目になり(特にラストダンジョンは敵が多いし強いしフロア数沢山あるしボスと思しき敵の前にセーブ出来ない(クイックセーブは出来るけど))…(汗)。通路が狭い部屋の入口とかでエンカウントするとカメラワークは最悪だし、不用意にデンジャラスエンカウントなんて起きようものなら逃げるしかないし(まともに戦闘出来ない)、本編攻略中の悪いところが凝縮されてプレイ中にキレた印象も強く、物語はまぁ良いとしてもゲームとしては結構なストレスを感じてプレイしていましたね…(^^;; アリーシャが神衣出来ないため、ゲームバランスとしてもかなり悪いことが原因かも。
尚、アフターエピソードのクリア後セーブは、始める時に使用したセーブデータのセーブ位置に戻るので、どのタイミングで始めても損はしないです(使用したり取得したりしたアイテム、各キャラの成長・経験はそのまま継続し、クリア時点の状態で戻って来ます。アリーシャのレベルがそのままスレイのレベルになります)。
■隠しダンジョン(ザ・カリス)
クリア後、対ヘルダルフ最終戦の手前の扉前に出現する転送ポイントから行ける様になるカースランド島。「ベルセリア」でも出て来たこの場所は、ドラゴン化した聖隷1号シルバと戦った場所でその跡が残っていたりして歴史を感じてしまう訳ですが、マップは基本的に同じで、島の各先端部分にある塔を1つずつ攻略するだけの様なので然程時間が掛からないだろう…と思っていたらこれが大間違い(苦笑)。
塔は8つあってそれぞれ2層になっており、1つ1つはそれ程広くなくマップも難しくないものの、配置されている雑魚が非常に強い。クリア直後のレベル80くらいでは4つ目が限界で、細々とやり残したサブエピソードを寄り道し、レベルが5つくらい上がって何とか5つ目をクリア。しかし、6つ目はどうにもならず、途中「アリーシャ・アフターエピソード」に寄り道して、レベルが10くらい上がって6つ目、7つ目のクリアに漕ぎ着けたものの、最後の8つ目はどうにもらなず…。基本、経験値稼ぎとか作業なので嫌いだし(そもそも効率良く稼げるところも無いし)、この「ゼスティリア」の戦闘はやらずに済むならやりたくない程なので余計に辛い。敵の強さで特に酷いのは天響術。詠唱が速く、出現した敵が一斉に唱えた場合、こちらがそれを止められない場合(敵が分散している中、こちらの天響術に対する鋼体とか持たれていると止められない)、一斉に喰らって瀕死か戦闘不能なんていうのが普通にあって、1戦闘毎にクイックセーブしないと攻略している最中に全滅してやり直しという地獄を味わいます…。この「ザ・カリス」に限らず、本編中でも嫌だなと思った敵が最強になって登場している訳ですから本当に最悪。アフターエピソードでもラストダンジョンは強い敵ばかりで、しかもアリーシャは神衣が出来ないから辛い戦闘ばかりというストレス続きでしたから、ずっとそれが継続するこの「ザ・カリス」は正直楽しくない(苦笑)。
いつものお楽しみ要素としての”外界から来る「テイルズ オブ」シリーズの誰か”は、今回ソフィとジェイド。個別に撃破はしたものの、最後は二人がかりでの戦闘になるんだろうな…と(結局、8つ目は雑魚戦で全滅してしまう為到達していない現状…)。クリアまで漕ぎ付きたかったけれど、多分もうやらない(^^;;
■役者陣とアニメ
キャストの顔ぶれはいつもの「テイルズ オブ」同様、新人、中堅、ベテランが上手くチームを組んでいる感じで、それぞれとても個性的に機能していたと思います。今となっては、松来未祐さんが魂を吹き込んでくれたライラの存在、そしてそれを見事に受け継いでくれた「ザ・クロス」の下屋則子さんに感謝の想いでいっぱいです。
決戦前イベントはかなりドラマチックに作られていた(過去「テイルズ オブ」の中でもトップレベルの盛り上がりと思えた)ものの、それ以外は「なかよしパーティ感」の漫才的やり取りが強く、全体的にスレイの意志が希薄に感じるくらいあっさりしていた感覚も残り、逆に天族御一行は良くしゃべっていたこともあって、スレイが言い成り的に受け止められてしまう部分はもう少し上手く演出出来たんじゃないかな、と(その点「ザ・クロス」の方が上手だったかな)。
全体的に各キャラの掘り下げが足りないと感じ(途中退場してしまうデゼルなんかは特に)、「ベルセリア」をプレイしているからこそザビーダの言動に納得出来ている部分があると感じるくらいなので、「ゼスティリア」単体では色々と分かり辛い作りになっていたかな…と。その最たる部分は、ヘルダルフの過去を見せられるムービーが順不同でポツポツ攻略の中で流れる為、結構印象に残り辛いこと。クオリティは流石のユーフォーテーブルですが、もっと「ここだ!」という時に流れた方が効果的だったんじゃないかと。
■音楽
ここ最近の「テイルズ オブ」の中ではとても耳に残るものがありました。特にグレイブガント盆地と試練神殿の楽曲は特筆したいくらい。でも、作品を代表するメロディとして「これ」という1曲が存在しない感じなので、そこは残念(ベルセリアには「ベルベットのテーマ」があった)。
オープニング主題歌もSuperflyを起用したのは良いものの、物語が暗めなことを反映したからなのかアニメーションも含めて結構煮え切らない感じの仕上がりだったので、好みが分かれそう。ゲームをプレイしてエンディングを迎える頃には慣れましたが、自分はこの主題歌を「好き」とは言えないかも…(^^;;
■その他
世界観や出て来る名前等も含めて、ベルセリアをプレイしていたからこそ、その後の世界がどうなったのか、という視点(地理的なもの遺跡、かつて仲間であった者が辿り着いたものや子孫なども含めた世界全体)で細かく楽しむことも出来たのは良かったかな、と思います。リリース当時にプレイしたらこういう気持ちにはならなかったかもしれない(特に戦闘のカメラワークに因るゲーム崩壊は笑って済ませられないレベル)と思うだけに、上手いタイミングでモチベーションを保つことが出来て良かったです。PS4版がリリースされており、PS3のダウンロードコンテンツもそのまま引き継ぐみたいなので敢えて初めからPS4でプレイする選択肢もあったとは思いますが、PS3版でプレイした意義はそれはそれであると思うので(久し振りに「テイルズ祭り」している感覚があった(笑))そこは別にいいかな、と(いずれPS4版は入手したいとは思いますが、またプレイしたいかと問われれば…ねぇ?(笑))。
あ、プラチナトロフィーは目指しません。というのも「難易度ハード以上で○○」とかが多く、ノーマルですらイライラが頂点に達していたのに何が楽しくて難易度上げてプレイするの?という感じですし、その他にも良く理解していないシステム関連だったり作業を強いられるタイプのものだったり、全く頑張る気になれない項目だし、現時点で十分お腹いっぱいなので…。
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